イシュタムに会うのはまた今度

第Ⅰ章

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　食べないといけない。満たさないといけない。無根拠に思考がその言葉に満たされる。
　腹が膨れると、満たされた気分になる。良い気分だ。満腹という快楽が僕を貫く。強烈で原始的な心地良さがあっという間に全身に広がって僕を打ちのめす。
　だか、その絶頂感も長くは続かない。訪れたのと同じ唐突さで去っていく。代わりに嫌悪と激しい怒りが訪れる。束の間の快楽は後に何の余韻も残してくれない。それでまた米を口に詰め込んで、飲み込む。でも余計に罪悪感がつのるばかりだ。
　指が震えているのが分かる。でもそんなことはどうでも良い。ダメだと分かっているのに、また米を飲み込む。そして今また自己嫌悪になる。それを繰り返しているうちに、やがて大きな丼いっぱいによそった米は無くなる。僕は激しい自己嫌悪に苛まれる。