119 / 155
本章
116
しおりを挟む
徳島のサッカーチームファン感謝イベントに向けて、構成がざっくりと決まってきて、イベント用の練習も少しずつ始まっていた。
同時に、イベントに向けての各所調整の段取りも日々進められていく。
阿波ゼルコーバの担当者への挨拶はオンラインで行われた。
エンサイオ会場、姫田グループ本社、阿波ゼルコーバ事務所の三拠点を繋いでの実施となった。
エンサイオは十八時からなので、プレゼンの時と同様十八時開始にしてもらった。終業時間後だったとしたら申し訳ないと思った。
ハルさんは通常十八時には来ていないことが多いが、今回は無理して予定を調整したようで参加してくれた。
姫田の安達さんが仲介役を兼ねて場を仕切ってくれた。
阿波の担当の方は井村さんという男性だ。事前に人柄になどの情報は得ていた。
情報通りビジネスマンというには少々カジュアルで、スポーティな雰囲気を持っていて、爽やかで快活な印象だった。元々はサッカー選手だったのかもしれないと思った。
陽気な性格のようで、わたしたちのプレゼン時の様子を映した動画をことさら誉めてくれて、ショーを観るのが今から楽しみだとか、自分も踊ってみたいとか、主催者というよりは観客のようだった。
観客に感性が近い分、その感想は信頼が置けるような気がして、これからやろうとしていることに自信を持てた。
顔合わせに参加したハルさんが代表として安達さんと井村さんに、ビシッと挨拶してくれたので、両担当とも安心感が増したと思う。
一方、ハルさんの方もふたりとのやりとりを通して、通常のイベントとは異なるスキームだけど、なんとかなりそうな実感を得ている風だった。
一日一日と、本番は近づいてくる。準備もタイムリーに進められている。
構成がほぼほぼ決まった。
場所的に未だ参加できるか確認中のメンバーがそれなりにいて、人数は未知数ではあったが、人数が増えても問題ないような構成を組んでいた。
今回の案件は、サンバはそもそも主役ではない。
ショーとしては短めで、スタジアムで行うという性質上、一応大モニターはあるけど基本的には遠目にステージ全体を観るという状況になるので、ソロのパートは入れず、舞台にあがっている者全員でいかに美しく、格好良く魅せるかにこだわった内容になっていた。
尚、ショーの後に残る賑やかしのメンバーは、ソロで臨機応変に対応できるトップパシスタと、サンバと聞くとイメージされるホイッスルを拭くために指揮者のヂレトール、派手で分かりやすい音を鳴らすショカーリョを数人残すことにしていた。小回りは効かないけど音の大きいスルドも残すかもしれないとのこと。
ショーに話を戻すと、さらに注力するのは、「音」だ。
バンドとヴォーカルの参加が確定したので、音源ではなく現地で生演奏できる。とはいえ、このパートは音響を通すので、問題はない。
バテリアは生音だ。普段のイベントなら、周辺環境によっては音量を抑えてくれると言われることさえある迫力のある大音量がサンバの魅力のひとつだ。
これを伝えたい。広いスタジアムでどこまでできるか。マイクで音を拾うようにはしてくれるようだが、生音で届けるくらいのつもりで組みたいと、バテリアリーダーのメイさんが、参加不確定メンバーや、なんなら参加が無理だと言っているメンバーにさえも働きかけ、増員に努めている。
現地のサンバチームとの合同編成になることは決まっている。
ハルさんとメイさんで相手チームの方と綿密に打ち合わせは進めていて、構成は共有できている。おおよその組み方は決まってきているらしい。
キメやパターンなどは動画で共有して自主練と、タイミングを合わせたリモートの練習でできるだけ揃え、当日イベント前に一度合わせるのだそうだ。
イベントは午後からで、現地には前乗りするから当日の午前中に合わせられるという公算らしいが、バテリアはお酒を飲むひとが多い。
みんなで前乗りするってことは、絶対前日宴会してるよなぁ......大丈夫かなぁ?
同時に、イベントに向けての各所調整の段取りも日々進められていく。
阿波ゼルコーバの担当者への挨拶はオンラインで行われた。
エンサイオ会場、姫田グループ本社、阿波ゼルコーバ事務所の三拠点を繋いでの実施となった。
エンサイオは十八時からなので、プレゼンの時と同様十八時開始にしてもらった。終業時間後だったとしたら申し訳ないと思った。
ハルさんは通常十八時には来ていないことが多いが、今回は無理して予定を調整したようで参加してくれた。
姫田の安達さんが仲介役を兼ねて場を仕切ってくれた。
阿波の担当の方は井村さんという男性だ。事前に人柄になどの情報は得ていた。
情報通りビジネスマンというには少々カジュアルで、スポーティな雰囲気を持っていて、爽やかで快活な印象だった。元々はサッカー選手だったのかもしれないと思った。
陽気な性格のようで、わたしたちのプレゼン時の様子を映した動画をことさら誉めてくれて、ショーを観るのが今から楽しみだとか、自分も踊ってみたいとか、主催者というよりは観客のようだった。
観客に感性が近い分、その感想は信頼が置けるような気がして、これからやろうとしていることに自信を持てた。
顔合わせに参加したハルさんが代表として安達さんと井村さんに、ビシッと挨拶してくれたので、両担当とも安心感が増したと思う。
一方、ハルさんの方もふたりとのやりとりを通して、通常のイベントとは異なるスキームだけど、なんとかなりそうな実感を得ている風だった。
一日一日と、本番は近づいてくる。準備もタイムリーに進められている。
構成がほぼほぼ決まった。
場所的に未だ参加できるか確認中のメンバーがそれなりにいて、人数は未知数ではあったが、人数が増えても問題ないような構成を組んでいた。
今回の案件は、サンバはそもそも主役ではない。
ショーとしては短めで、スタジアムで行うという性質上、一応大モニターはあるけど基本的には遠目にステージ全体を観るという状況になるので、ソロのパートは入れず、舞台にあがっている者全員でいかに美しく、格好良く魅せるかにこだわった内容になっていた。
尚、ショーの後に残る賑やかしのメンバーは、ソロで臨機応変に対応できるトップパシスタと、サンバと聞くとイメージされるホイッスルを拭くために指揮者のヂレトール、派手で分かりやすい音を鳴らすショカーリョを数人残すことにしていた。小回りは効かないけど音の大きいスルドも残すかもしれないとのこと。
ショーに話を戻すと、さらに注力するのは、「音」だ。
バンドとヴォーカルの参加が確定したので、音源ではなく現地で生演奏できる。とはいえ、このパートは音響を通すので、問題はない。
バテリアは生音だ。普段のイベントなら、周辺環境によっては音量を抑えてくれると言われることさえある迫力のある大音量がサンバの魅力のひとつだ。
これを伝えたい。広いスタジアムでどこまでできるか。マイクで音を拾うようにはしてくれるようだが、生音で届けるくらいのつもりで組みたいと、バテリアリーダーのメイさんが、参加不確定メンバーや、なんなら参加が無理だと言っているメンバーにさえも働きかけ、増員に努めている。
現地のサンバチームとの合同編成になることは決まっている。
ハルさんとメイさんで相手チームの方と綿密に打ち合わせは進めていて、構成は共有できている。おおよその組み方は決まってきているらしい。
キメやパターンなどは動画で共有して自主練と、タイミングを合わせたリモートの練習でできるだけ揃え、当日イベント前に一度合わせるのだそうだ。
イベントは午後からで、現地には前乗りするから当日の午前中に合わせられるという公算らしいが、バテリアはお酒を飲むひとが多い。
みんなで前乗りするってことは、絶対前日宴会してるよなぁ......大丈夫かなぁ?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる