兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

悪役令嬢回避です。…その家族は

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友人達への連絡は、息子達が来る前にしておいた。
レイと酒を交わす前に、明日は直ぐに登城し、謁見申請をする事も忘れないように。
家令で私の執事であり、幼い頃からの友でもあるレイに、その旨を伝えたのだから、今は一旦落ち着きたい。古くからの友人達からは、明日の夜集まる事にもなっているし…。

カランとグラスの中の氷が鳴る。
今までにもいろいろな事を解決してきたが、今回も何とも言えない問題が上がってきたものだ…。

「今来た報告では、レイチェル様に絡まれたのは、カルストロフト公爵家の御息女、エリザベート・ルイ・カルストロフト様ですね。彼女は第三皇子殿下の婚約者最有力候補のお一人で、確かお従姉妹のカザリーヌ•リドルヴァル伯爵令嬢がギルベルト様に婚約の打診をされてきています。何度もお断りをしておりますが本日も届いています。」

「レイ、いつもの友人として話そう。確か第二皇子主催のお茶会の時、ギルに一目惚れしてだったか?もちろんいつもと同じ返事だ。あの子達にもそう言ったからね。」

そう言って、つまめる物を持ってきたレイに座るよう指示して、空いているグラスに酒を注ぐ。友人としてだから、私が注いでやっても文句はないだろう。

「あぁそうだな。後は、エリザベート嬢の取り巻き達だ。第三皇子の妃の座を狙っている者もいれば、その恩恵を狙う感じか…。アシュレイに好意を抱いている者もいる。まだ打診はされてないがな。」

友人対応の時は、我が子を呼び捨てにするんだよな。このオンとオフの対応の差がレイらしい。
本当ならこの話は今は聞きたくないのだが、来たばかりの情報なら聞くべくだろう。まだ酔っている訳でもないし…。

「エリザベート嬢の情報源は父親ではなく、その弟の方だ。叔父だな。確かアイリスに好意を持っていたはずだ。婚姻の打診を何度もしてアルガスト伯爵に断られていたし、アイリスにも嫌がられていた。グランの事はかなり気に入らないようだったな。」

グランデュオ・アルガスト、家族や友人からはグランと呼ばれた私の…俺の弟だ。妻のアイリスとは恋愛結婚の末結ばれた。貴族としては珍しいかも知れないが、我が家では普通の事だ。ただ、あの子には、我が家の男子特有の執着は見られないと思っていたけれど、一緒に住んでいたらそうなるのかもな…

「グランは優秀な子だったからね。『子』と言ったら拗ねていたけれど、それがまた可愛らしくて、弟とよく揶揄ったか…。あの子は努力家でもあったしね。もう逢えないと思うと悲しくなるよ…。」

「そうだな。魔法が好きで、魔法陣や魔道具の研究にも熱心だったか。いくら鍛えても筋肉がつかないと嘆いていたのを覚えているよ。」

グラスが空になり、レイが注いでくれる。

「その叔父、ガストフという名の男が酒の席で周りの者に吹聴しているようだが。夜会だとか集会とかでな。それを他の貴族が鵜呑みにして、ついつい家族の前でという具合だ。優秀な侍女や侍従達は吹聴はしないが、そうでなければ侍女同士などで情報交換の時に出回る。それを耳にしてまた広がる感じか…。出回ってしまった家には既に影達に消させている。吹聴した一族一族のトップは抗議文をな。出回っている一族の方には文面でだ。あの当時の事を知っている者であれば、その意味が理解できるだろう。それ以外の者は記憶の改ざんもやむなしだ。直ぐに消されないだけマシだな。当時は消していた。」

「あぁ、父上や父上のご友人方は容赦しなかったからね。皇族も関与して賛同したから尚更だ。」

そう、グランは前皇王の弟君のご子息だ。これは父から、私とレイだけが知っている事で、グラン自身も知らない事だ。グランの父親は、皇族であったが、冒険者として名を馳せており、当時出会った女性と恋に落ちた。平民の女性であったから、自分の身分を放棄して市井に降りたんだ。その時生まれたのがグランだった。
グランの父親と父上やその友人達は親しく、また、グランの父親とその兄である前皇王達は仲が良かったんだ。皇王の座を争う場に祭り上げられるの可能性を良しとせず、弟であるグランの父親の意思を尊重していたんだ。よって、グランの出生も隠したんだ。よって、今回の件も皇族から同意を得る事は簡単だろう。グランの死の真相に対して憤慨し、協力を惜しまないとも言ってきたぐらいだしな。しっかり使わせてもらったよ。

まぁ、結果は、隣国のあの男にくれてやったがな…。この国に入る事も許さず、きちんと囲う条件で。あの男が死ぬ時には同じく命を落とすようにも魔法をかけた。犯行を起こした男が嫌っているが利用していた男。あの男のが隠している本当の姿を、あのバカは知らなかったんだ。こっちとしては良い具合の条件も手に入れる事になったがな…。
二度と女性などにも手が出せないように切り取らせてもいるし…良い気味だ。

「後、もう一人、我が国や他国でも禁止されている魔道具に手を出した者は、取り調べの後、消されて闇の中だ。」
「なるほど。」

「皇子とエルが同じ魔力操作ができたのは驚きだな。妖精や精霊と契約しているかは…。」
「それはないようだ。興味を持たれた可能性はあるがな。」
「皇家から言ってくる可能性があるという事か…それは断りの方向だな。うん、どうとでもなる。」
「そうだな…。」
「それよりも、いろいろな事が起こるよ。やる事は多いけれどな。」
「そうだな…。」

そう言って、子供達のことや昔話にはなをさかせたん…。
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