オメガ転生。

学園生活

学園祭の準備で

雅貴さんを案内しているはずが、いつしか自分が案内されている感じがした。

雅貴さんにとって、懐かしい学園での思い出に浸りながら、とっておきの場所を伝えるのが楽しいのだろう。
一瞬同年代のようにも思えた。
彼と同じ学年で楽しい学園生活をおくる自分を想像してしまった。

はっきり言って、雲の上のような人なのに…そんな事を考えてしまう自分が少し恥ずかしく思う。
でも、きっと雅貴さんは、かなり優秀な学生で、生徒会の役員も(多分生徒会長だと思う)スムーズにこなしているような気がする。

ある程度廻り、雅貴さんの仕事の都合で帰っていった。

「また来るよ。その時も案内してくれると嬉しい」

そう言って…

迎えの車は、前世の高級車に似ていた。


「翔！お疲れ様～」
「玲奈？」

妹の玲奈が飛びついて来た。
どうした？

「ねぇ、さっきの素敵な男性とはどんな関係？」
「ん？」
「すごく親しそうにしてたじゃない。何処で知り合ったの？」
「ん～～、何というか、学園長に案内を頼まれて、色々案内したんだよ。雅貴さん、この学園の卒業らしくて…」
「えっ？もう、名前呼びの仲なの？そんなに親しい？」
「玲奈、ちょっと、何か勘違いしてない？」

玲奈が含み笑いしている。どういう事？？なんなんだ？

「あっ、でも、大変。ライバル出現だわ。どうするんだろ……それはそれで面白いかも…」
「ん？」
「何でもないよ。ふふっ」

一体何？よくわからない？？

そう言えば…

「玲奈の方はどうなんだ？学園祭の準備もだけど、例の…」
「言わないで～～、学園祭の準備は順調よ。バッチリと言っても良いぐらいなの…」
「何か問題でも？手伝えるものは手伝うよ？」

「ううん。大丈夫。きっと大丈夫。もし困ったら助けてね！」
「よくわからないけど、分かったよ」

そんなよくわからない会話をしながら、教室に向かった。
学園祭でイベントがあったっけ？いや、なかったはず。
ヒロイン登場まで後わずかだけど、まだ大丈夫なはずだ。

とにかく、みんなが楽しんで、良い思い出の一つになるようにしないとね…