オメガ転生。

学園生活

学園祭

ポツンと取り残され、ボーゼンとしながらも頭をフル回転させて考えた。
でも、いい答えは自分の中で出てこなかった。

前世の知識の中でも、今の設定は………
ん？何か覚えがあるような、無いような…

ふと時計に視線がいき、時間を見て焦る。
やばい、時間が…

急いで教室に駆け込んで、用事を済ませ、また試合会場に向かった…




「あいつら、余計なことを喋りやがって」
「密かに色々片付けてるのに、これじゃいずれバレる」
「と言うか、学園の生徒達に何か起こってるのではと心配して、危険な場所に立ち入ったり、トラブルに巻き込まれたりしたら……」
「閣下が怒り狂ってこの国を滅ぼしかねない…」
「この国だけならいいけど、他も巻き込みそう…」


想像しただけで恐ろしい…

とりあえずは、報告をしないと…

「僕が行ってくるよ」
「頼むよ、俺は護衛しながら側に着くよ」

夕霧と沙霧はお互い確認し合い、その場を離れた。


騎士達が話していたこと…
あれは数週間前に、極秘計画を実行した時に起こった事だ。

人身売買グループ。
そう、オメガを攫い、売り買いしているグループ摘発時に起こったことだ。
この学園の生徒であったオメガの生徒が、何らかの形で拉致され、性的拷問の様な事をされていた…
発見した時はかなり弱っていた。

副総団長と団長。各隊の隊長と連絡を取りながら、大規模な摘発を行っていたその時、律儀で知的でクールな彼。そう、副総団長である彼が、いきなり運命の番いと繋がった。
一瞬嬉しそうにしながら、惹かれる場所に導かれる様に出向いた先に、鎖などで繋がれた半裸の男の子。そう、オメガの番を発見した。そして、あまりのひどさに怒りで興奮し、暴れた…という話だった。