番だと言われて囲われました。

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お互いを知ることから……

妥協案

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この世界、この国およびカイルのことを知ると決めてから数日たった。
決めたその日にカイルに話し、図書室での閲覧の許可と、他の者への接することを許可してもらった。
カイルからの接し方も相談した。

図書室での閲覧は、自国を知る事として喜んでいた。
本の部屋などへの持ち出しも………

が、他の者との接する事は嫌がった。
それ以上にカイルからの接し方はもっとだった。

他者との接し方は、他の者の協力をへて逃げ出すのでは……
自分以外のものと仲良くなって欲しくない………
嫉妬する……との事だった。

逃げ出す気はない事。
この世界に1人きりで不安である事。
知識を得るためにも協力者が必要であり、話もしたり、聞いたりしたい事。
ただ単に拒否して自分を隔離するのではなく、自分の事も知ってもらいたいし、他も知りたいと必死で話した。

カイルからの接し方も………すべてを拒否する事は無理だろう。
多少の妥協案が必要だ。
今、自分自身混乱している事も踏まえて……かなりの嫌がられた。
好きな者、愛する者に触れれないのは地獄のようだと……死の宣告をされているようだとも言われた……

そこまでは………と、苦笑いした。
閉じ込めて壊してしまおうか………と言われた時は戰慄を覚えた。
それだけ待っていたのだと……
それだけ大切で手放せないのだと……

国や世界が違えばそこまで執着するものなのか??
今の私には判断できない。知識が情報が足りないから………
だが、それを強く言えば、次第に狂気を含む瞳に変わるカイルが何をするかわからない。
なら、妥協案は………

私の世界ではどうだった??
確か外国では抱き合い頬に口づける挨拶はあった。
好きな者同士はそれ以上………でも、私の場合は……

「カイル。あなたは私の事を大切だと、愛しているといってくれています。でも私はまだここに来てわずか……あなたの事を知らない。あなたも私の事を知らないでしょ。ですから、お互い理解し合うように話をしましょう。」
「身体を合わす事も会話では??」
「この世界ではそうかもしれませんが、私の世界では違います。(たぶん……)」
「アキ、あなたに触れれないのは……気が触れる……」
「大袈裟な………」
「事実です。それだけあなたの事を求めているのです。たとえ拒否されても私はあなたを求める……逃がしません。」
「このままでは平行線です。下手したら、あなたの事を嫌いになるかもしれない。それはあなたにとっては良くないのでは?だから、今は妥協してください。」
「それはいつまで??」
「それは…………」

どう言えばわかってくれる??
亜希子…幸子…どうしたら良い??

妹達を思い浮かべる。泣きそうだ………

はぁ…………
大きなため息をつかれた。

「アキ、あなたの言う事はわかりました。なら抱きしめる事、口づけること、一緒に寝ることは許可してください。」
「口づけを許して、全身とか言わないでしょうね……それは拒否します。一瞬に寝て私に触れすぎませんか?」
「…………………」
「私はまだあなたの事をよくわかっていないのですよ?」

必死で訴える。ここは負けられない。
流されないように気をつけないと……

「顔への口づけは……許して欲しい。嫌わず、私の事を考えてくれるなら……抱きしめて、あなたの温もりを感じながら眠りたい。安心したいんだ。抱きしめる事が出来ないのは辛すぎる。それ以上は………アキが許してくれるまで我慢するよう努力する……だから、泣かないで……」

ここが妥協ギリギリかもしれない……
出ないと………どうなるか………

「わかりました。私にカイルの事を教えてください。見せてください。あなたを知る努力をさせてください。カイルも私を知る努力をしてくださいね。」

そう言って握手を求めようとしたら、抱きしめられた……
抱きしめる許可をしたから仕方ない。
仕方なく、腕の中に収まる。

「わかりました。約束………守ってくださいね。でないと私はどうするかわかりませんよ。ふふっ、あなたの全てを手に入れる努力をしましょう。」

舌舐めずりしながら、黒い笑みを浮かべるカイル。

早まったか…………

亜希子、幸子……兄様を見守って……
妹達の笑顔を思い浮かべる。
「「兄様、頑張って!!」」
そう言っているようだ……


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