私の恋愛事情

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巻き込まれて、囚われて……

帰りの約束

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今日も仕事で大忙しだ。
職場では寿退社の子達もいるし、移動の辞令をもらった人もいる。
新たな新人のための準備に追われてる人もいた。
世の中、まだまだ景気回復とまではいかないし、増税という事もあり、色々と忙しい。

「先輩。今日、帰りに飲みにいきましょう。疲れました。」

今回、新人教育担当に抜擢された亜希子は、資料作りや、各部署への連絡調整などで忙しそうだ。

「亜希子が新人教育担当だなんて、成長したね」
「先輩~~~~、それ、嫌味に聞こえます~~、もう無理~~」
「何言ってるの、私が担当していた時の資料もあげたでしょ?まぁ、あくまでも参考にって感じだけど……色々と新しいことに取り組んでるから、そこらも教えていかないといけないけど、ベースは変わらないはずよ。頑張れ!!今日の店は私が予約しとくから」
「先輩~~~仏の御幸がさしてます……」
「馬鹿なこと言ってないで、ほら、今日はその件で会議あるんでしょう。いってらっしゃい!!」

いくつかの資料を持ち、会議室に向かう亜希子ににエールを贈った。
さてと、さっさと済まして、休憩時間にでも予約を取りますか。
私も仕事でバタバタしているし、イオニシスも忙しいのか、あれから連絡がない。

まぁ、良い男だからね……モテモテかもね……はぁ……
思わず左手首のブレスレットを触る。
この頃は精神安定剤のようによくこのブレスレットに触れていた。
イオニシス。どう見ても、西洋……北欧系の顔に、程よくついたしなやかな筋肉。
細身だが、しっかりと鍛えられていた。
足も長いし……絶対にモテるよね……

「はぁ………仕事しよう……」

ため息を吐きながら、デスクに向かい、仕事を進めた。

ん?向こうで何やら賑わってるな。なんだろう……

上司と共に、歩いてくる男性。
あれ?どこかで見たような……何処だ?

男性は私の上司に断りを入れて、近づいてきた。

「お久しぶりです。山城さん。山城 彩花さん。」
「えっと………どちら様でしたか?」

私に右手を差し出して、握手を求めてくる男性。誰?
すると、小声で私にだけ解るように声かけてきた。

「イオニシスと一緒にいた者ですよ。」
「あ…………」

亜希子を送ってくれた人だ

「横井君知り合い?」
「篠山さん。彼女とは以前会話した事がありましてね。今度一緒にお仕事帰りできたらと思っていたんですよ……」

そう言って、上司と歩いて行った。
私にはメモを残して……

今晩、会って食事をしようというメモ。
時間と場所が書かれていた。
後輩である、亜希子も是非とも……
しかも、待っていますと書かれていた……

仕方ない。会社では話せないし、行くか……
そう考えて、後で亜希子に伝えた。
彼女はものすごく嬉しそうに微笑んだ。

亜希子の好きな人?この前、もしかして、送り狼された?
そう考えていたら、仕事終わりの時間が差し迫っていた………






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