私の恋愛事情

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亜希子の呟き

ハルト

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私の上司であり、友人でもある魔王イオニシス。
彼に付き従ってこの世界にやって来た。

イオニシスはこの世界の事を知ってはいた様だが、訪れたのは初めて。
勿論、私自身も初めてだ。
我が世界の魔族が他の世界に迷い込んだり、逃げ込んだ離して普通に生活する者、その世界の生命体をもて遊ぶ者、いろいろいることは理解している。
この世界は確か緋と蒼の魔王がよく関与していたと記録している。
白の魔王も最近関与し出したとか。

我らとよく似た人という生命体がほぼこの世界を支配していたか。
魔力を持たず、化学とかの力でいろんな物を作り出し、生活しているとか……
生存年齢も我らとは違っていたはず。
なぜ、魔王達がこの世界を気に入っているかはよくわからなかったが、現在の魔王の伴侶がこの世界の者達だということは知っていた。
過去の魔王達も、自国で伴侶を見つける者や、他の世界で見つける者、いろいろいたから、特に気にはしていない。
ただ、神々との契約で、他の世界を滅ぼしかけない、もしくは害意をもたらす者が自分の世界から渡った場合は、その世界の者が駆除するか連れ帰るか対応する事になっている。それにより、この頃この世界に、我が世界から渡った者達がいろいろ多く、魔王達が行き来する頻度が多いのだろう。

今回は、どうも我が国で特に拠点を持つ鬼族が、この世界で悪さをしているとの事で、我が王が呼ばれた。
鬼族にも色々いるが、どうも下等な者が多くのさばっているようだ。
我が従姉妹もどうもこの世界にいるらしい。
突然消えた従姉妹。今回のこの仕事で偶然見つかった。
彼女は、どうも歪からこの世界に渡り、伴侶を見つけたから、そのまま生活していたと言っていた。
彼女の他にもそのように生活している者はいるようだ。
それはそれで、私的にはいいと思う。
まぁ、今回の仕事では協力してもらうが……

同じ一族でも、悪さをすれば、狩らない訳には行かないからな。
そうこうして、ひと段落ついた頃、イオニシスに連れられて、この世界で飲んでいた。
この世界の酒は私の好みに良くあっていて、美味しくいただいていた。

「ハルト、出るぞ」

そう言って、店を出て、イオニシスと歩く。
彼には何か気になることがあるようだ。
そうこうすると、2人の人間の女性が歩いている事に気がつく。
しかも、1人は凄く甘く惹きつけられる良い匂いがした。
ドクンと胸が高鳴り、体が火照る。
もしや…………

考えを巡らせていると、イオニシスは1人の女性と知り合いのようだ。しかも好印象。

「アヤ、大丈夫ですか?」

女性の背後から声かけている。
そのように異性と接するとは、初めて見ました。
愛おしそうに微笑んでいますね。という事は、貴方の伴侶ですか……なるほど……
そして、もう1人の女性からは……

愛おしさが込み上がって来ます。不思議な感覚です。
なるほど、こういう感覚で見つけれるのですね。
見つけたからには、逃がしませんが。

思わず微笑んでしまった。
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