番になんてなりたくない!

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怪しい気配

兄上と共に

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「殿下方、お帰りなさい。」
「あぁ、ジーク、守備はどうだ?」
「上々ですよ。」

そう言って、1人の騎士が近づいてくる。
彼は兄の友人であり、専属執事兼騎士であるジークフリード。
兄と背格好がよく似ているが、赤い髪で、まるで赤獅子のようだとよく言われている。

「ウィル様やリリィ様のおかげです。いゃ~~、出るわ出るわで、もう楽しくて、しっかり埃は叩かせてもらいましたよ。」

確かに、報告書は父宛に送った。それをもとに、兄の命で動いたのか……流石。

「ウィル様のクロさんや、リリィ様のシロさん程ではないですよ。御二方の侍従でなければ、我が殿下のためにスカウトしたいぐらいです。ほんと、是非!」

そう言えば、昔、スカウトしてたなぁ。断られたけど……

「私の事を思ってくれるのはありがたいが、弟や妹に必要な人材を取り上げるつもりもない。そんなこと言うから、私の大切な2人が表情暗くしてるじゃないか……」

兄がジークを少し睨んでみるも、当の本人は知らん顔だ。
本当に、兄様第一なんだよね~~、昔から……
一時、変な噂がたって困ったと兄様が言ってたけど、どうなんだろうね~~、兄様は別として、ジーク自身は……

「今、変なこと考えてましたね?確かに殿下は私の命ですから、離れませんけど、私にも婚約者いますから。」
「そうなの?」
「本当に?」
「いますよ。幼なじみなんですけどね。」
「「「そうなんだ。」」」


「おや?殿下はご存知でしたよね?」
「いや、初耳だ。そうか、そうなんだ。それは良かった。おかげで、変な噂がなくなるな。」
「変な噂とは?私と殿下ができてるって言うアレですか?それも良いですけど、私はあくまでノーマルですよ。まぁ、殿下が大切なのは当然ですが。」

そんな、のけぞってまで威張ることでもないのに………

「それはさて置き、いく人か拘束し、尋問も始めています。終わった者はこの通り。」

兄に書類を渡し確認している。

「確認が取れたものは王都に護送。随時、父上、兄上の採決にまかすか。」
「兄上?」
「あぁ、お前達は少し休みなさい。ジーク!」
「あぁ、殿下方はこの者について行ってください。お部屋の準備はできておりますよ。クロさんも、シロさんも。」

そう言って、控えていた者の案内で部屋に行く。
初めに借りた部屋と少し変わっていたが、別に問題無い。
シロさんとクロさんがお互いお部屋チェックし、入室。

一瞬、疲労のためか、目眩がした。クロさんがすぐさま支えてくれる。

「我が君。お疲れなのでしょう。お休みください。」

そう言って、さっさと寝室に連れて行かれ、着替えさせられて、ベットに入れられた。
確かに疲労感はある。少し横になろう。
リリィも、あくびしていたから、今頃シロさんにベットに入れられてるんだろう……

瞼が重い。
そのまま、夢の世界に旅立った。
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