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国に
崩壊後
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崩れ落ちる神殿を見下ろすように、少し離れた小高い場所に立ち尽くす。
「何で!何で!!一緒に頑張ろうって約束したじゃない!!」
泣き崩れるリリィに、そっと寄り添う男。
それを見守るシロさんと、犬達…
リリィの魔剣も神殿が崩れ去るときに消えた。
あの魔剣は炎に特化し、浄化の炎で更なる封印を施したようだ。
リリィが何か叫び命じていたから……
俺は……
自分の両手を見つめる。
自分の主人であり、最愛の者の命で……大切な……主人であり、最愛の者を剣で貫いた。
貫いた時の感触。その時の……ウィルの表情……
彼に耳元で呟かれ、抱きしめて、後を追いかけようとしたのに…拒まれた……
愛おしく、残酷な仕打ちで……
『クロ…今までありがとう…大好きだよ…最後の命令だ。私のぶんまで生き続けて…そして、私の護りたかった国を、世界を護って』
そう言って、剣を刺したまま倒れたウィル。
抜く事は許されなかった。
自分の身体を使って、そのまま封じるのだと……
こんな別れを望んだんじゃない。
ウィルだけを死の世界に旅立たせたいんじゃ……
何処までも側にいて、ついていくと誓った……
なのに、ついて行くことを拒まれた…
自分の分まで生きろと
彼の愛した国を護れと
彼の愛した世界を護れと…
目に浮かぶのは、ウィルとの出会いから、今までの……
いつまでも、ここに留まる事はウィルが望まない…
獅子の子が側に来る。
ウィルの聖獣だ。
「お前は……」
『僕はウィリス。ウィルの望みで君のそばにいるよ。よろしく。』
抱き上げた獅子の子が一瞬光る。
そしてそれは、大きくなり、獅子の大きさとなる。
俺の見張りか……
暫くたたずんだ後、その場を後にし、ウィルの愛した国に戻ることにした…
「何で!何で!!一緒に頑張ろうって約束したじゃない!!」
泣き崩れるリリィに、そっと寄り添う男。
それを見守るシロさんと、犬達…
リリィの魔剣も神殿が崩れ去るときに消えた。
あの魔剣は炎に特化し、浄化の炎で更なる封印を施したようだ。
リリィが何か叫び命じていたから……
俺は……
自分の両手を見つめる。
自分の主人であり、最愛の者の命で……大切な……主人であり、最愛の者を剣で貫いた。
貫いた時の感触。その時の……ウィルの表情……
彼に耳元で呟かれ、抱きしめて、後を追いかけようとしたのに…拒まれた……
愛おしく、残酷な仕打ちで……
『クロ…今までありがとう…大好きだよ…最後の命令だ。私のぶんまで生き続けて…そして、私の護りたかった国を、世界を護って』
そう言って、剣を刺したまま倒れたウィル。
抜く事は許されなかった。
自分の身体を使って、そのまま封じるのだと……
こんな別れを望んだんじゃない。
ウィルだけを死の世界に旅立たせたいんじゃ……
何処までも側にいて、ついていくと誓った……
なのに、ついて行くことを拒まれた…
自分の分まで生きろと
彼の愛した国を護れと
彼の愛した世界を護れと…
目に浮かぶのは、ウィルとの出会いから、今までの……
いつまでも、ここに留まる事はウィルが望まない…
獅子の子が側に来る。
ウィルの聖獣だ。
「お前は……」
『僕はウィリス。ウィルの望みで君のそばにいるよ。よろしく。』
抱き上げた獅子の子が一瞬光る。
そしてそれは、大きくなり、獅子の大きさとなる。
俺の見張りか……
暫くたたずんだ後、その場を後にし、ウィルの愛した国に戻ることにした…
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