番になんてなりたくない!

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国に

クロさんに話して…

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『さて、そろそろ、いるべき場所へ返してやろう。』

そう言われて…気がついたら、自分の部屋にいた。
しばらく留守にしていたのに、何も変わっていない……

外は夜がふけているようだ…
窓辺から、庭を眺めて…


バーンと大きな音をたてながら、扉を開ける音がした。
したんだけど、動けなかった。

「ウィル……いるのか?」

懐かしい声が聞こえてきた…
でも、足が進まない。


執務室や、居間、衣装部屋、と探しているようだ…そして、今いる寝室の扉を開けられた…
寝室のカーテンを少し開けて、外をながめて…
さて、どう説明しようか…
帰って来れて、嬉しいけど…


近づきたいが、足が地面に縫い付けられたかのように……
近づいて来ないな…
怒ってる?

聖獣であるウィリスは、私の顔を見てから、姿を消した。
何か感じるものがあったみたいだ…
密かに私の部屋に結界を張っていった。
防御と遮音。密閉付きで…
そこまでする必要あるの?

そう考えながらも、帰って来れた嬉しさもあって、ゆっくりと振り返った。

「クロ……ただいま」

クロさんが、なんとも言えない表情をしている…
あの…クロが…

思わず愛おしくなって、直ぐにでも、抱きしめてあげたくなる…
こんな表情をさせたのは…私なのに…

ゆっくりとクロさんに近づく。
クロさんも…

あともう少し……という所で、一瞬倒れそうになり、慌てて抱きとめられた…
彼の匂い。彼の温もり…彼の……

そのまま強く抱きしめられら…
特に抵抗することもなく、腕の中に収まる。
そのまま一緒にしゃがみ込む様に膝をついた。
クロさんの腕の力が強くて、つい…

「クロさん。痛いよ…苦しい…」

少しだけ力を緩めてくれたが、そのまま身体を確かめられて、両手で頬を挟み込まれ…

心配させてしまった彼を安心させたい気持ちと、愛おしさで、にこりと微笑んだ。

ぐっと逃げれない様に抱き込まれ、そのまま唇を奪われて…

「くっ……クロ……ん……」

自分では信じられない声が出て、漁ってしまったが……
その後は…………


思い出しながら、クロさんに話す自分の顔や、身体が火照る。
恥ずかしい……

チラッとクロさんを見上げる。
最初は真剣に聞いてくれていたけど、クロさんも頬が朱に染まっている。

「そうか…」

それだけ返事して、部屋を出ていった。
同じ空間に居るのも恥ずかしいけど、出て行かれても、恥ずかしいんだけど……


しばらく悶絶していたら、今度は勢いよく次の襲撃に見舞われた……
というか、リリィが入ってきたんだけどね……



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