番になんてなりたくない!

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新たな影

戻って

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城下から戻り、湯浴みを済ませてお茶を嗜む。
今日の出来事を思い出しながら…

「あの者達は、一体…」
「殿下?」

紅茶のおかわりを準備しているクロが心配そうにしていた。
付き合いの長いこの男は、些細な事でも自分に対して色々としてくれる。
過去の彼(ゲーム上しか知らないけど)とはでは、想像が出来ないぐらいだ。

まぁ、強くて、優秀なんだろうけどね…
怒らせたら…怖いけど…

「クロさん。やっぱりちょっと気になってね」
「あの建物…ですか?報告では、レガリア教とは別のカロスト教だったかと…」

さすがクロさん。もう調べてたんだ。

「カロスト教?なんだかオカルトっぽいね。で、どんな感じなの?聞いた事は無いんだけど…」
「そうですね。レガリア教からつい最近別れたものだとか…信徒はまだ少ないようですが、悪魔祓いや、死者との会話…霊媒ですか…そのような事がメインのようです。」

うわーっ、もろオカルトだ。悪魔祓いって、霊媒って…

「今のところは、害がないようなので、様子観察ですね。レガリア教からも、特に何もないようです。」
「そうなんだ…でも、場所が場所だから、もう少し詳しく…」
「駄目ですよ」
「へっ?何が?」
「自分から動かないでくださいね。私や犬達で調べますから。貴方は色んなものを引っ掛けてきますから!」
「え~っ、自分で見て聞いての方が…」
「駄目です!!」

クロさんが冷たい……

「いじけて見せてもダメですよ。いっそのこと閉じ込めましょうか?ウィル?」

一瞬、怪しい色香を漂わせだす。
これはまずい。逆らったら…

「私は良いのですよ。大切な貴方をこの手で…」
「いやいやいや……結構です。」
「チッ、残念」

チッて言ったよ。残念て何?
クロさんの過保護愛がパワーアップしたのか?

慌てて、執務机に向かい、残った仕事に取り掛かるふりをする。
この話題は、しばらく保留にしておこう。
その方がいい。
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