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5章 五日目 部活は大変だ
5-8 いつもどおりっぽい帰宅後
しおりを挟む「ただいまーっと」
「おう、おかえりっ!」
「え?」
「あ、鉄子さん」
「おかえり咲ちゃん、麗美ちゃん」
「こちらこそおかえりなさいです、お母さま」
自宅に帰ると、かーちゃんが地方巡業から戻っていた。
そういえば朝そんなようなことを咲が言ってたような気がする。
ということはつまり、美沙さんも一緒ってことか。
「よう悦郎」
「あー、やっぱり」
「ん? なんだよ」
「いや、美沙さんもいるんだろうなって思ったから」
「がははー。そりゃそうだ。なんたって私が鉄子さんを迎えに行ってきたんだからな」
「あー、咲ちゃん。肉の差し入れ来てるから、みんなに焼いてくれるか? 若いの集まってるから」
「あ、はーい」
どうやら、うちに来てるのは美沙さんだけではないようだった。
というか、かーちゃんのプロレス団体の寮が三軒隣にある。
巡業から帰ってくれば、美沙さん以外の人たちもいつものようにうちに出入りするようになるだろう。
まあ、名前と顔の一致する人はそんなに多くないけど。
咲はキッチンに、かーちゃんと美沙さん、俺と麗美はリビングに、それぞれ別れる。
何人かにかーちゃんが指示を出して咲を手伝いにやらせてたみたいだが、今いったいうちに何人いるんだ?
昨日までに比べて一気に大所帯になったな。
まあ、帰ってきた当日だからってのもあるけど。
「そういえばお前たち、二人とも金髪なんだな」
かーちゃんが麗美と美沙さんを並ばせた。
俺たちが初日に気づいたのと同じようなことを、どうやらかーちゃんも気づいてしまったらしい。
しかし……。
「ふーん、思ったほど同じじゃなかったんだね」
「え?」
「いや麗美の髪さ。それ見たとき、俺も咲も美沙さんみたいな髪だなって思ってさ」
「確かに。美沙の方がちょっとばかし色が薄いね」
比べてみるまでは、同じような金髪だと思っていたが、こうして2人同時に見ると全然違った色合いに見える。
「金髪にもいろいろありますからね。それに、ちっちゃいころは私ももっと薄い金髪でした」
「へー」
髪の色なんて染めない限り一生変わらないもんだと思ってた。
あ、白髪があるか。
「でも私のこれ、天然じゃないぞ」
「え?」
唐突に美沙さんが衝撃の告白をしてきた。
「ん? お前、それ染めてたのか?」
「いや鉄子さん、そうじゃないんです。私、水泳やってたから」
「水泳?」
「もともとはブラウン系の髪色だったんですけど、なんか水泳やってたらブロンドになってきちゃって」
「あー、消毒用の塩素で脱色するらしいね」
「なんだ悦郎。変なこと知ってるな」
「いや、本かなんかで見た」
「それはたぶん漫画だな、うん」
「決めつけるなよかーちゃん」
「がっはっはっはっは」
今日は誰かさんのおかげでなんとなく大騒ぎな一日だったが、帰ってきてみればいつもどおりっぽくその日が終わりそうだった。
もっとも、こっちもこっちで大騒ぎなことには替わりなさそうだったが。
「ねー、ちょっと手伝ってー」
「おーう」
キッチンから咲に呼ばれて手伝いに行く。
そこにあった大量の肉たちは、ちょっと引きそうなくらいの量だった。
もちろんそれらは、ろくしょうミートで購入したものだ。
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