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12章 十二日目 不審者情報
12-8 だいたいいつもどおりな夕食
しおりを挟む「え! 美沙さんが不審者捕まえたんですか!」
「おうよ。やってやったぜ」
「さすがです」
帰ってきた俺たちは、またしても不審者の話題で盛り上がっていた。
「これで明日からは安心ですね」
「まあな。それが学校で注意されてたのと同じかどうかはわからないが、それでも少しは違うだろうな」
「ん? 学校で何か言われたのか?」
「はい。朝のホームルームで……」
麗美が朝のホームルームでみどり先生が言っていたことを復唱する。
それを聞いて美沙さんがフンフンと頷いていた。
「それは私が捕まえたのとは別のやつっぽいなー」
「ありゃ、そうなんですか?」
「ああ。私が捕まえたのは、全裸にボディペインティングしてたからな」
「あ、あはは……そりゃまごうことなき不審者だ」
「さすがにそれは私にもわかる感じです」
うんうんと麗美が頷いている。
「できたよー、運ぶから手伝ってー」
「おーう」
キッチンから咲に呼ばれる。
俺はまだ不審者の話で盛り上がっている美沙さんと麗美をおいて、キッチンへと向かった。
「お、今日はハンバーグか」
「いいひき肉もらったから」
「俺これな。一番大きいやつ」
「ふっふっふー。ホントにそれでいいの?」
「なんだと?」
「こっちの中くらいの2コのやつのが全体としてはお得なんじゃないかなーって作った本人は思うのです」
「むむむ」
言われて俺は別の皿を覗き込む。
一番大きいのを選ぶか、それとも中くらい×2の方を選ぶか。
俺は悩みに悩んだ。
「おっ、今日はハンバーグか」
ロードワークから戻ってきてシャワーを浴びていたかーちゃんが、キッチンに入ってくるなりある皿に手を出した。
「一番でかいのもーらい!」
「ああっ」
「ふふっ。もう迷う必要ないみたいだね」
「そうだな」
「ん? どうかしたか?」
「なんでもない。かーちゃんはそれ食べていいよ」
「おう」
ニコニコ笑顔で、かーちゃんは一番大きなハンバーグの載った皿をリビングに運んでいく。
リビングの向こうからは、かーちゃんの持っていったハンバーグを見た美沙さんの歓声が上がっていた。
「ま、最初からこれ渡すつもりで作ってたんだけどね」
そう言いながら先が、中サイズ×2の皿を俺に手渡してくる。
「足りなかったらまだあるから。お弁当用の小さめサイズがメインだけど」
「そうか。ま、そっちは明日の楽しみにしとくさ」
「ふふっ。鉄子さんたちが食べ尽くさなければね」
「えー」
「あははっ」
こうして、なんやかんやがありながらもいつものように俺たちは食卓を囲んだ。
ちなみにかーちゃんの話では、かーちゃんも不審者を捕まえたことがあるとか。
まあ、うちに出入りしてる姐さん方なら、大抵の不審者は撃退できるような気がするな。
そんで、あの鈴木さんもたぶんそのうちには……。
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