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第3章 獣人族の町〈ヒュユク〉
第29話:病気対策の旅【中編】
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「何を考えているのですか?」
宿のベットの上で考え込む俺に話しかけてきたクリハ。
「一酸化炭素中毒対策」
「いっさんかたんそちゅうどく対策?」
ほとんどひらがなだ。
まあ難しいことを言っているし、そもそもこの世界の医療や化学の劣っているかもしれないから、クリハの反応に無理はない。
「この宿も同じだが、木で暖を取っているだろ?それにより呼吸困難が生じるんだ。だが、そのころにはもうほとんど手遅れ。しかも、自分がその病気に掛かっている事に気が付けないんだ」
「ご、ご主人様!すぐにここを出ましょう!」
話を聞いたクリハは慌てて俺の腕を引っ張る。
「対策はあるにはあるんだ。こうやって」
俺はクリハの腕をほどき、宿にある窓を全開にした。
「喚起をする事だ」
「なら、時間を決めて喚起をするというのはどうでしょうか?」
「問題はそこなんだよ。換気をする事によってせっかく部屋中に満たした暖が外に逃げる。換気をする事によって、木材の使用量が増える。この町周辺の木はほとんどなくなっている」
窓から眺める景色は最悪。住宅が並ぶやけでもなく、緑が生い茂っているわけでもなく、ただ切り株が沢山あるだけ。
魔導書を見ても対策になりそうなものはなかった。
「火の魔石を作ってはどうでしょうか?」
クリハの言う通り、魔石を作ることも考えた。しかし、魔石は使用者の魔力を吸う。俺はともかく、一般人では2時間くらいしか持たないだろう。
「それも考えたが、魔石から火そのものが出てくる。魔力を込める容量を間違えれば、大火災になる事が想像つく」
「んー、難しいですね」
クリハも考えてくれるが答えにたどり着けないようだった。
「ただいまー!」
ロビンが宿のドアを勢い良く開け放つ。手には3つも抱えた袋があった。
「何を買ったんだ?」
「これが干し肉20個で、こっちが猪の肉団子煮、3個。そしてこれが、タクミが作ったマーヨネーズ付の猪肉、100本!」
相変わらず、体に合わない量を食べるロビン。
「タクミと、クリハの分もあるぞ」
俺は最初に干し肉に手を伸ばした。この癖になる味はお酒に合うだろうが、生憎俺は、前世で一度もお酒やビールを飲んだことがない。御つまみなら食べたことはある・・・・・・。
次に俺が作ったピリ辛マヨネーズを付けた猪肉を食べる。
いつまでたってもマヨネーズを覚えないロビンには俺は諦めている。
そんな諦めさえ忘れさせてくれる、ピリッとする辛さのマヨネーズが猪の癖のある匂いを掻き消し、旨味を引き出している。
次にこの町の看板、猪の肉団子煮。
肉団子には煮込んだおかげかスープをしっかり吸っており、猪の味を引き出し、スープは猪の癖のある匂いがあり、スープ自体の味は・・・・・・無かった・・・・・・。
スープは猪の骨から取ったらしいけど、おいしいとは言えないだろう。コンソメ顆粒が欲しいところだ。
「ロビン様はどう思いますか?対策について」
クリハがロビンに尋ねる。
だが、無駄な事だと俺は思った。なんせ今までロビンに相談をしてきた俺だが、まともな回答を今まで聞いたことがないからだ。
「ん?まへきじゃダへはほか?あふッあふッ」
口に熱い肉団子を入れたまま喋るロビンは熱そうに食べている。
「それだと、火事になるかもしれないそうです」
俺の代わりにクリハが答えてくれる。
ロビンは肉団子をよく噛んでからゴクリと飲み込んで
「タクミの魔法を魔石に付与したらいいじゃないのか?第一、タクミもおいらも火属性じゃないだろ?」
俺は目を大きく開いた。対策が立てられたことではなく、あのロビンが、真面目な回答をしかも探していた答えそのものを言ったからだ。
「おい!タクミ!今失礼なこと思っただろう!」
ばれた・・・・・・。
ロビンのお陰で対策が立てることが出来た。あとはそれを実施するのみだ。
宿のベットの上で考え込む俺に話しかけてきたクリハ。
「一酸化炭素中毒対策」
「いっさんかたんそちゅうどく対策?」
ほとんどひらがなだ。
まあ難しいことを言っているし、そもそもこの世界の医療や化学の劣っているかもしれないから、クリハの反応に無理はない。
「この宿も同じだが、木で暖を取っているだろ?それにより呼吸困難が生じるんだ。だが、そのころにはもうほとんど手遅れ。しかも、自分がその病気に掛かっている事に気が付けないんだ」
「ご、ご主人様!すぐにここを出ましょう!」
話を聞いたクリハは慌てて俺の腕を引っ張る。
「対策はあるにはあるんだ。こうやって」
俺はクリハの腕をほどき、宿にある窓を全開にした。
「喚起をする事だ」
「なら、時間を決めて喚起をするというのはどうでしょうか?」
「問題はそこなんだよ。換気をする事によってせっかく部屋中に満たした暖が外に逃げる。換気をする事によって、木材の使用量が増える。この町周辺の木はほとんどなくなっている」
窓から眺める景色は最悪。住宅が並ぶやけでもなく、緑が生い茂っているわけでもなく、ただ切り株が沢山あるだけ。
魔導書を見ても対策になりそうなものはなかった。
「火の魔石を作ってはどうでしょうか?」
クリハの言う通り、魔石を作ることも考えた。しかし、魔石は使用者の魔力を吸う。俺はともかく、一般人では2時間くらいしか持たないだろう。
「それも考えたが、魔石から火そのものが出てくる。魔力を込める容量を間違えれば、大火災になる事が想像つく」
「んー、難しいですね」
クリハも考えてくれるが答えにたどり着けないようだった。
「ただいまー!」
ロビンが宿のドアを勢い良く開け放つ。手には3つも抱えた袋があった。
「何を買ったんだ?」
「これが干し肉20個で、こっちが猪の肉団子煮、3個。そしてこれが、タクミが作ったマーヨネーズ付の猪肉、100本!」
相変わらず、体に合わない量を食べるロビン。
「タクミと、クリハの分もあるぞ」
俺は最初に干し肉に手を伸ばした。この癖になる味はお酒に合うだろうが、生憎俺は、前世で一度もお酒やビールを飲んだことがない。御つまみなら食べたことはある・・・・・・。
次に俺が作ったピリ辛マヨネーズを付けた猪肉を食べる。
いつまでたってもマヨネーズを覚えないロビンには俺は諦めている。
そんな諦めさえ忘れさせてくれる、ピリッとする辛さのマヨネーズが猪の癖のある匂いを掻き消し、旨味を引き出している。
次にこの町の看板、猪の肉団子煮。
肉団子には煮込んだおかげかスープをしっかり吸っており、猪の味を引き出し、スープは猪の癖のある匂いがあり、スープ自体の味は・・・・・・無かった・・・・・・。
スープは猪の骨から取ったらしいけど、おいしいとは言えないだろう。コンソメ顆粒が欲しいところだ。
「ロビン様はどう思いますか?対策について」
クリハがロビンに尋ねる。
だが、無駄な事だと俺は思った。なんせ今までロビンに相談をしてきた俺だが、まともな回答を今まで聞いたことがないからだ。
「ん?まへきじゃダへはほか?あふッあふッ」
口に熱い肉団子を入れたまま喋るロビンは熱そうに食べている。
「それだと、火事になるかもしれないそうです」
俺の代わりにクリハが答えてくれる。
ロビンは肉団子をよく噛んでからゴクリと飲み込んで
「タクミの魔法を魔石に付与したらいいじゃないのか?第一、タクミもおいらも火属性じゃないだろ?」
俺は目を大きく開いた。対策が立てられたことではなく、あのロビンが、真面目な回答をしかも探していた答えそのものを言ったからだ。
「おい!タクミ!今失礼なこと思っただろう!」
ばれた・・・・・・。
ロビンのお陰で対策が立てることが出来た。あとはそれを実施するのみだ。
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