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第15.5話 (マリアン視点)
しおりを挟む「……どういう事よ! ルーベンスお兄様……まさか、失敗したの?」
部屋に戻った私の頭の中は、たった今聞かされたルーベンスお兄様が捕まったという話の衝撃で混乱していた。
(何で? どうして!?)
しかも、理由が殿下の不況を買った?
つまり、エリオス殿下を怒らせたという事。
「どうしてそうなるのよ……!!」
殿下に愛想を尽かされて振られたであろうセシリナの顔を見たくて、帰宅するのをまだかまだかと待っていたのに!
私が知りたかったのはそんな知らせでないわ!
帰宅して来たセシリナの様子がいつもと変わらないから変だなとは思ったけれど。
まさか、失敗しているなんて思いもしなかった。
「こんな事ならやっぱり、無理やり既成事実を作らせればよかったわ」
もちろん、ルーベンスお兄様が無理やり襲ったのではなく、ちゃんとセシリナも合意の上で……と、なればさすがの殿下だってセシリナを見限ったに違いないのに。
「何が野暮ったいセシリナでは無理、よ! 気持ちは分かるけどそこは何とかしなさいよ……ルーベンスお兄様ったら!」
捕まって拘束されているであろうルーベンスお兄様の顔を思い出すと怒りがフツフツと沸いてくる。
無理……そう言われてしまってはどうにもならないので仕方なく、セシリナが二股をかけて浮気していた話を殿下に聞かせる方向に持っていったもののこれは大誤算だ。
「まさかとは思うけど私に唆されたとか余計な事は言わないわよね……?」
それだけが不安だわ。
まぁ、万が一お兄様が私のせいだと口にしたとしても、私は知らぬ存ぜぬを通すだけよ。
もうルーベンスお兄様に用は無いわ!
それに、セシリナあの様子だとやっぱり、お兄様はセシリナを襲って既成事実を作る方は無理だったみたいだし。
(さすがに、襲わせる計画を立てていたなんてバレたら危険だけど、今回の唆しなんて大した罪では無いはずよ)
私がセシリナを襲わせる計画を立ててた事を知っているのは私とルーベンスお兄様だけ。
お兄様だって、取調べで「実は襲う計画もありました!」なんて自分の首を絞めるような事は言わないでしょ。
だから、大丈夫。
この事は誰にも知られていない。
セシリナも殿下も私の企みを知らないはず……! ならまだ、大丈夫よね!
それにしても、せっかく自分の手を汚さずにセシリナを蹴落とせると思ったのに……
「どうしたものかしら……どうしたら引き裂けるのよ」
何故か上手くいかない。
エリオス殿下はルーベンスお兄様の話を信じないでセシリナを選んだという事は……
まさか本気でエリオス殿下はセシリナなんかに惚れているっていう事?
(だから、私に靡かないの? それはそれで許せない)
「……はぁ。殿下からがダメなら、セシリナの方から身を引かせるようにした方が早いかしら?」
セシリナを襲わせるのはもう難しいわね……
使える男がいないもの。
まぁ、いてもルーベンスお兄様みたいにセシリナでは無理って言うかもしれないしね。
(そうなると……)
「まずは殿下に愛されているのが、セシリナだけでは無いと思わせないとダメよね」
きっと今のあの子は自分が殿下に愛されていると大きく勘違いしているはず。
あの奔放な王子が一人に絞るわけないのに!
そこでハタっと思い出す。
「そう言えば……私がギルディス殿下を追いかけている時、同じようにエリオス殿下を追いかけている令嬢がいたわね……あれは、どこの令嬢だったかしら? 確か……」
彼女に協力を仰ぐのもいいかもしれないわ。
もしも、未だに彼女がエリオス殿下を追いかけているのなら、今、セシリナは最も邪魔な存在のはずだもの。
(それでセシリナを蹴落とす所までは協力して貰って……まぁ、その後、エリオス殿下は私が貰うけどね)
ふふふふ、と笑いが止まらない。
私は紙とペンを用意し、早速手紙を認めた。
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