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第1章 アルストロメリア編
第15話 またメイドに勘違いをされました
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アリスはアルの耳を優しく掃除していく。
しかし、アルの耳は汚れていないので、ただ、耳かきの棒で優しく耳をなぞっているだけだ。
それだけでアルは満足そうに目を閉じゆっくりとその感覚に浸っていく。
愛する人の母性を感じる行為にアルは満足していたのだ。
(気持ちよさそうですね。人に耳かきをされたのは前世の子供のころなので、あまり記憶にないですが耳かきを通して母から愛されていたなと思います。そう考えるとアルがかわいく思えてくるから不思議です。やはりアルもレイ君も好きです。こうした日常がいつまでも続けばいいと思います。だけど私は不老不死で、一緒に添い遂げられない、それが心残りでしょうがないです。でも、私はこんな日常を忘れないでしょう。温かい思い出を重ねて、永遠に私は幸せに生きていきたいものですね)
耳かきをしていてアリスはふと考える。
自分の膝の上にアルがいる。
膝枕で大騒ぎだったのだ。
この耳かきは婚約者同士なら許されるのかアリスは不安になる。
(これメイドが入ってきたら勘違いされないですか? 気のせいならばいいのですが、あのメイドたちならばタイミング悪く部屋に入ってきそうなので怖いですね)
(それに、こんなところにアル様の頭があって、に……匂いとか大丈夫ですよね? 私、今日はまだお風呂にも入っていないのですが……)
「アル様、私の匂い……とかって気になりませんか?」
アリスはおそるおそるアルに匂いがするのか尋ねる。
「んっ……あぁアリスは良い匂いだぞ」
アルは耳かきの気持ちよさから、
寝ぼけ眼で爆弾発言をする。
今日、出会い、婚約したばかりの女性の体臭をほめる、
完全にデリカシーのない発言である。
「なっ……なにを……言っているのですかぁああ!!!
アルの変態!なんですか女性の匂いを嗅ぐとはマナー違反です!!!」
アリスは顔を真っ赤にして、
アルの頭をポコポコと叩く。
ここでアルも完全に目が覚め、
自分の発言がマナー違反であることを自覚する。
いやマナー違反どころの騒ぎでない、
もはやセクハラである。
「まっ……待ってくれ……あれは甘くていい匂いだなっと……あっ」
アルは失言に失言を重ねてしまう。
だが手遅れである。
アリスは恥ずかしさからワナワナと震え、
怒りに任せてアルの胸倉をつかむ。
するとボタンがはじけ飛び、
アルの胸から腹部が露になる。
さらに、アルも暴れるアリスを止めようと手を掴むが、
そのまま二人はベッドに倒れこんでしまう。
アリスの上に上半身をはだけさせたアル。
これは、誰が見ても勘違いする構図だろう。
しかし二人の不幸は止まらない。
扉がノックされ、合図を待たずにメイドが部屋に入ってきてしまったのだ。
このメイドは新人であり、まだ見習のため仕事の一つ一つがたどたどしくミスが多い。
今回はアリスを浴場へと案内するだけだったのだが、運悪くノックの合図を待たずして入室してしまったのだ。
「も……申し訳ありませんでしたぁあああ!
行為中とは存じず……失礼いたしますぅううう!!」
メイドは去っていった。
明らかに勘違いをして……
この噂は城内に知れ渡ってしまうだろう。
メイドの口は軽いのだ。
「アルのせいですよ。あれ絶対に勘違いされましたよ」
「…………す……すまん」
アルは何も言えなかった。
なぜならば、自らの失言が招いた事故であるから。
しかし、アルの耳は汚れていないので、ただ、耳かきの棒で優しく耳をなぞっているだけだ。
それだけでアルは満足そうに目を閉じゆっくりとその感覚に浸っていく。
愛する人の母性を感じる行為にアルは満足していたのだ。
(気持ちよさそうですね。人に耳かきをされたのは前世の子供のころなので、あまり記憶にないですが耳かきを通して母から愛されていたなと思います。そう考えるとアルがかわいく思えてくるから不思議です。やはりアルもレイ君も好きです。こうした日常がいつまでも続けばいいと思います。だけど私は不老不死で、一緒に添い遂げられない、それが心残りでしょうがないです。でも、私はこんな日常を忘れないでしょう。温かい思い出を重ねて、永遠に私は幸せに生きていきたいものですね)
耳かきをしていてアリスはふと考える。
自分の膝の上にアルがいる。
膝枕で大騒ぎだったのだ。
この耳かきは婚約者同士なら許されるのかアリスは不安になる。
(これメイドが入ってきたら勘違いされないですか? 気のせいならばいいのですが、あのメイドたちならばタイミング悪く部屋に入ってきそうなので怖いですね)
(それに、こんなところにアル様の頭があって、に……匂いとか大丈夫ですよね? 私、今日はまだお風呂にも入っていないのですが……)
「アル様、私の匂い……とかって気になりませんか?」
アリスはおそるおそるアルに匂いがするのか尋ねる。
「んっ……あぁアリスは良い匂いだぞ」
アルは耳かきの気持ちよさから、
寝ぼけ眼で爆弾発言をする。
今日、出会い、婚約したばかりの女性の体臭をほめる、
完全にデリカシーのない発言である。
「なっ……なにを……言っているのですかぁああ!!!
アルの変態!なんですか女性の匂いを嗅ぐとはマナー違反です!!!」
アリスは顔を真っ赤にして、
アルの頭をポコポコと叩く。
ここでアルも完全に目が覚め、
自分の発言がマナー違反であることを自覚する。
いやマナー違反どころの騒ぎでない、
もはやセクハラである。
「まっ……待ってくれ……あれは甘くていい匂いだなっと……あっ」
アルは失言に失言を重ねてしまう。
だが手遅れである。
アリスは恥ずかしさからワナワナと震え、
怒りに任せてアルの胸倉をつかむ。
するとボタンがはじけ飛び、
アルの胸から腹部が露になる。
さらに、アルも暴れるアリスを止めようと手を掴むが、
そのまま二人はベッドに倒れこんでしまう。
アリスの上に上半身をはだけさせたアル。
これは、誰が見ても勘違いする構図だろう。
しかし二人の不幸は止まらない。
扉がノックされ、合図を待たずにメイドが部屋に入ってきてしまったのだ。
このメイドは新人であり、まだ見習のため仕事の一つ一つがたどたどしくミスが多い。
今回はアリスを浴場へと案内するだけだったのだが、運悪くノックの合図を待たずして入室してしまったのだ。
「も……申し訳ありませんでしたぁあああ!
行為中とは存じず……失礼いたしますぅううう!!」
メイドは去っていった。
明らかに勘違いをして……
この噂は城内に知れ渡ってしまうだろう。
メイドの口は軽いのだ。
「アルのせいですよ。あれ絶対に勘違いされましたよ」
「…………す……すまん」
アルは何も言えなかった。
なぜならば、自らの失言が招いた事故であるから。
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