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国王は頭を抱えながら「……お前も、影の存在は知っているだろう」と問うた。イライジャが、はっと反応する。
「え、ええ。むろんです。国王の勅命で動く、姿を見せない臣下、ですよね?」
「影は、学園に入学してからの貴様の全てを観察し、言葉、行動、あますことなく、私に報告をしていた」
イライジャは、ぴしっと固まった。頭で理解するより早く、身体が反応してしまったようだ。
「……そ、そんなこと、一言も……」
「少しは頭を使え。事前に知らせていたら、意味がないだろう。つまりあの学園は、お前が次期国王にふさわしいかどうかを見極めるための、いわば舞台だったのだ」
「……ひ、ひどい」
涙目のイライジャに、国王は何度目かわからないため息をついた。
「酷いのはお前だ。婚約者であるクラリス嬢を毎度脅しては仕事を押し付け、側妃候補を探すためだというわけのわからん理屈をこねては毎日違う令嬢と出掛け、あげく、不貞行為に至った数は、三十を超える」
驚愕していたのはイライジャだけで、他の者はみな、冷静だった。つまりは、事前に全てを聞かされていたということだ。
──クラリスも。
「……お前ぇぇ!!!」
理解したとたん、イライジャは瞬時に、怒りが爆発した。クラリスに掴み掛かろうと、床を蹴り、手を伸ばす。だが、その手が届くことはなかった。イライジャの後方で待機していた二人の兵によって、床に押し倒されたからだ。
それでもイライジャは、怒り狂ったように喚いた。
「こうなること、お前は知っていたんだろう! どうして事前に教えてくれなかったんだ!!」
クラリスは黙ったまま、答えない。
「……いや。それ以前に! ぼくが影に監視されていることも知っていたんじゃないだろうな?! だとしたら、容赦しないぞ!!」
鬼のような形相で睨みつけてくるイライジャに、クラリスは口元をおさえ、顔をさっと横に向けた。頬から、一筋の涙がこぼれるのが見えた。
「え、ええ。むろんです。国王の勅命で動く、姿を見せない臣下、ですよね?」
「影は、学園に入学してからの貴様の全てを観察し、言葉、行動、あますことなく、私に報告をしていた」
イライジャは、ぴしっと固まった。頭で理解するより早く、身体が反応してしまったようだ。
「……そ、そんなこと、一言も……」
「少しは頭を使え。事前に知らせていたら、意味がないだろう。つまりあの学園は、お前が次期国王にふさわしいかどうかを見極めるための、いわば舞台だったのだ」
「……ひ、ひどい」
涙目のイライジャに、国王は何度目かわからないため息をついた。
「酷いのはお前だ。婚約者であるクラリス嬢を毎度脅しては仕事を押し付け、側妃候補を探すためだというわけのわからん理屈をこねては毎日違う令嬢と出掛け、あげく、不貞行為に至った数は、三十を超える」
驚愕していたのはイライジャだけで、他の者はみな、冷静だった。つまりは、事前に全てを聞かされていたということだ。
──クラリスも。
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理解したとたん、イライジャは瞬時に、怒りが爆発した。クラリスに掴み掛かろうと、床を蹴り、手を伸ばす。だが、その手が届くことはなかった。イライジャの後方で待機していた二人の兵によって、床に押し倒されたからだ。
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「こうなること、お前は知っていたんだろう! どうして事前に教えてくれなかったんだ!!」
クラリスは黙ったまま、答えない。
「……いや。それ以前に! ぼくが影に監視されていることも知っていたんじゃないだろうな?! だとしたら、容赦しないぞ!!」
鬼のような形相で睨みつけてくるイライジャに、クラリスは口元をおさえ、顔をさっと横に向けた。頬から、一筋の涙がこぼれるのが見えた。
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