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路地裏
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小首を傾げて微笑まれる。フードの隙間から、齧りつきたくなるような細い首筋がのぞいて、ゾクゾクとしたものが尻尾の先を走る。
彼がやはり件の男娼なのかということに心の中で衝撃を受けるが、これで断れる獣人がいるだろうか。だがなぜか心の中にモヤモヤとした感情が湧きおこり、自分でもそれの意味が分からないまま少年を見下ろしていると、彼が再び立ち去ろうとするので慌てて口を開いた。
「お前は……男娼なのか?」
「そうだよ。よく見えないって言われるけどね」
それはそうだろう。爪も牙もないなんて100人に1人もいない。そんな獣人が庇護もされず、ましてや路上で春を売るなんてありえない。だが戸惑っているうちに闇夜へ溶けてしまいそうな彼の様子に、騎士団長のすることではないと思いつつも尋ねる。
「年は?」
「16歳」
「……幾らだ?」
「え? あー、えっと、手と口で抜くのは一回5000ペルラ」
「なっ、5000だと!」
「うわ!」
5000ペルラ。あまりにも安い金額に大きな声が出てしまい、少年の体が跳ねるのにしまったと口を閉じた。それにしても安い。安すぎる。確かに5000ペルラ程度でも行っている娼婦や男娼はいるが、それは獣性が強いものだ。これだけ獣性が弱く見目が整っているなら、その10倍は取ってもおかしくない。それとも手と口だけというのは、彼のつま先に手と口で触れてもいいということか?それとも手で俺の頬に触れ、口付けてくれるということか?いやそれだって安すぎる。なんだっていい。少しでも彼の時間を買えるのならば。
「……買おう」
「やっぱ値下げするしか……て、え?」
「買う、前払いか?」
「え、いやどっちでもいいよ。お兄さんさっき助けてくれたから、信用しているし」
明るい笑顔で、小さな手に腕を取られる。俺は力を掛けすぎないよう細心の注意を払って彼の肩を引き寄せた。やはり細い。食事はちゃんと摂っているんだろうか。
「……宿はどこにする?どこでもいいなら俺が選ぶが、行きたいところはあるか?」
王都でも高級宿と呼ばれるところを頭の中でいくつか思い浮かべる。馬車は近くに待機させているから、そこまで抱き上げて歩いて行こうか。たとえ5分程度でもこの細い脚で歩かせたくない。気が逸っているのは自分でも分かったが、逃がさないように囲い込む手を止められない。
だが少年は、きょとんとした顔で細い指で路地裏の少し奥まったところを指し示した。
「え、宿?宿じゃなくて、いつもソコでしてるんだけど」
示された先は、路地裏の奥に放置された木箱の陰。たしかに覗き込まれなければ見えなさそうだが……本当に彼は今までこんな所で商売をしてきたのだろうか。まだ本格的な冬ではないにしろ夜の路上はなかなか冷える。俺は寒さなんて気にしないが、この細い体にはできれば暖かい部屋で、寒さなんて感じず過ごしてほしい。そう考えてしまうこと自体がおかしいと、頭では分かっているが心は加速する一方だ。
今まで買春なんてしたことはなかった。接待で高級娼婦なんかを宛がわれることはあったが、進んで買おうとは思わなかった。好きでもなく、好かれてもいない相手を抱いてなにが楽しいんだと思っていた。だというのに今は少しでもこの少年に触りたくてたまらない。この屈託のない少年が喜ぶことをしたいとすら思う。まだ出会ってから一刻も経っていないのに、だ。
「嫌?」
「嫌ではないが……」
「じゃあいいじゃん。そっちの奥に行ってくれれば、外から見えないから大丈夫だよ」
そう言いながら、少年がしゃがみこむ。体調でも悪くなったのかと思わず抱え上げて、彼の不審げな目と視線が合った。
「……どうかした? やっぱりやめとく?」
「いや、すまん。何でもない。続けてくれ」
下肢に手を掛けられていたことに気が付いて、慌てて手を放す。細い指先で遊ぶように太ももや下腹部を撫でさすられ、あっという間に性器が固くなっていくのが分かった。少年は戸惑いなくソレを取り出すと、小さい両手を使って扱きあげる。それだけでますます硬度を増していく。いや、それどころかその視覚だけで暴発してしまいそうだ。奥歯を噛んでやり過ごしていると、少年がちろりと小さい舌でソレを舐め始める。ぴちゃぴちゃと音を立てて亀頭に舌を這わせ、丹念に裏筋を舐めあげていく。動きは拙いのに、懸命に小さな口で舐めている仕草が愛らしくて興奮する。
丁寧に舐めあげていたと思ったら、彼が大きく口を開けてソレを口に含んだ。と言っても亀頭の先しか口に入らなかったが。苦しいのだろうか。涙の溜まった目で上目遣いに見上げられて、そのまま吸い上げられる。その光景に今までにないくらい……それこそ初めて経験した時よりも早いくらいに、あっという間に出していた。
彼がやはり件の男娼なのかということに心の中で衝撃を受けるが、これで断れる獣人がいるだろうか。だがなぜか心の中にモヤモヤとした感情が湧きおこり、自分でもそれの意味が分からないまま少年を見下ろしていると、彼が再び立ち去ろうとするので慌てて口を開いた。
「お前は……男娼なのか?」
「そうだよ。よく見えないって言われるけどね」
それはそうだろう。爪も牙もないなんて100人に1人もいない。そんな獣人が庇護もされず、ましてや路上で春を売るなんてありえない。だが戸惑っているうちに闇夜へ溶けてしまいそうな彼の様子に、騎士団長のすることではないと思いつつも尋ねる。
「年は?」
「16歳」
「……幾らだ?」
「え? あー、えっと、手と口で抜くのは一回5000ペルラ」
「なっ、5000だと!」
「うわ!」
5000ペルラ。あまりにも安い金額に大きな声が出てしまい、少年の体が跳ねるのにしまったと口を閉じた。それにしても安い。安すぎる。確かに5000ペルラ程度でも行っている娼婦や男娼はいるが、それは獣性が強いものだ。これだけ獣性が弱く見目が整っているなら、その10倍は取ってもおかしくない。それとも手と口だけというのは、彼のつま先に手と口で触れてもいいということか?それとも手で俺の頬に触れ、口付けてくれるということか?いやそれだって安すぎる。なんだっていい。少しでも彼の時間を買えるのならば。
「……買おう」
「やっぱ値下げするしか……て、え?」
「買う、前払いか?」
「え、いやどっちでもいいよ。お兄さんさっき助けてくれたから、信用しているし」
明るい笑顔で、小さな手に腕を取られる。俺は力を掛けすぎないよう細心の注意を払って彼の肩を引き寄せた。やはり細い。食事はちゃんと摂っているんだろうか。
「……宿はどこにする?どこでもいいなら俺が選ぶが、行きたいところはあるか?」
王都でも高級宿と呼ばれるところを頭の中でいくつか思い浮かべる。馬車は近くに待機させているから、そこまで抱き上げて歩いて行こうか。たとえ5分程度でもこの細い脚で歩かせたくない。気が逸っているのは自分でも分かったが、逃がさないように囲い込む手を止められない。
だが少年は、きょとんとした顔で細い指で路地裏の少し奥まったところを指し示した。
「え、宿?宿じゃなくて、いつもソコでしてるんだけど」
示された先は、路地裏の奥に放置された木箱の陰。たしかに覗き込まれなければ見えなさそうだが……本当に彼は今までこんな所で商売をしてきたのだろうか。まだ本格的な冬ではないにしろ夜の路上はなかなか冷える。俺は寒さなんて気にしないが、この細い体にはできれば暖かい部屋で、寒さなんて感じず過ごしてほしい。そう考えてしまうこと自体がおかしいと、頭では分かっているが心は加速する一方だ。
今まで買春なんてしたことはなかった。接待で高級娼婦なんかを宛がわれることはあったが、進んで買おうとは思わなかった。好きでもなく、好かれてもいない相手を抱いてなにが楽しいんだと思っていた。だというのに今は少しでもこの少年に触りたくてたまらない。この屈託のない少年が喜ぶことをしたいとすら思う。まだ出会ってから一刻も経っていないのに、だ。
「嫌?」
「嫌ではないが……」
「じゃあいいじゃん。そっちの奥に行ってくれれば、外から見えないから大丈夫だよ」
そう言いながら、少年がしゃがみこむ。体調でも悪くなったのかと思わず抱え上げて、彼の不審げな目と視線が合った。
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「いや、すまん。何でもない。続けてくれ」
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