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カロンの大都市は夜でも賑やかな場所で、電気が発明されたことにより、夜の時間でも明るい場所になっていた。そこでは、仕事を終えた労働者がお酒を飲みながらお喋りしたり、たまにトランプを使った賭け事をして楽しんだりしていた。
一方で、大都市から外れた場所には薄暗く治安の悪い場所もあり、そこはとても清潔感ある場所とは言えず、一般人であればまず近づくことさえ控える、そんな場所が存在していた。
それはスラムと呼ばれた場所で、実際に大都市には沢山の人が押し寄せ、結果溢れた人口の中には働き口を見つけられず、貧しいままそこで暮らしていた。
そのスラムの反対側に位置する場所は港があり、ネレイドから帆船が帰国してくることになっている。
その港近くにはアカデミーが幾つもあり、その中に将来画家を目指す若者が入る美術系アカデミーが存在した。
そこは、学歴よりも単に美術を学びたい人が集まる場所で、そこの出身の有名画家を幾つも排出したことのある歴史ある場所だった。
そこには有名になった画家がわざわざアカデミーへと作品を贈りつけ、それらは壁に飾られて誰でも自由に閲覧が出来るようになっていた。
そんなアカデミーに変わった新人が入ったとして話題沸騰中の人物がいた。それがマーサである。
マーサ……実の名を柏木正樹。皆はマーサと呼ぶので、本人も気にすることなくその名で受け入れていた。
実は彼は異世界転生者であった。
黒髪に黒い瞳と、見たことないファッション(サンダルに長袖ジャージと半袖シャツの全身黒一色)に、それだけで皆からの注目を浴びていた。
彼は転生前の記憶を持っており、自分は一度死に生まれ変わりだと、まるで宗教的発言をたまにするおかしな人でも通っていた。
だが、それだけではなかった。
カロンは基本、ロマン主義であり、しかし、マーサの描く絵は簡単に言えば写実主義であった。
マーサはリアルを求め、更には漫画と呼ばれるものまで作り出したのだ。
写実主義的な作品についてはまだ人気は出ていないが、彼のリアルを追求する絵は徐々に注目されつつあった。
ただ、何故か女性ばかりの絵を描き、更にはまた珍しいファッションを絵にしていた。
ファッション界では、彼の絵の新しいファッションを実際に自分達の会社のブランドに採用しようと、アカデミーに入ってまだ一年のマーサにいきなりオファーが来る程だった。
新聞の見出しにも『ファッションリーダー現れる!! その名もマーサ!』とあった。
特に、労働者階級向けの動きやすい服でありながら、お洒落も追求されたファッションにはもう既に人気は出始めていた。
漫画も子供には人気が出始めていた。
そんな彼がいる場所に本日、アカデミーへ入った子が凄いのかどうか分からないが騒ぎになっていた。
「なんの騒ぎだ」
天然パーマの20代マーサは近くにいたアカデミー生に聞いた。
「今日アカデミーに入ってくる子がなんと、10歳の子供らしいんだ」
「10歳?」
「そうらしいぜ。更に、なんとネレイド人らしいんだ」
(また、知らない言葉だ)
「まぁ、ネレイド人がこのアカデミーに入れたのはどっかの貴族が後ろについているって噂らしいが、その噂は信憑性がありそうだよな。ま、とは言え貴族がネレイド人をなんで庇ったのかなんて俺にとっちゃどうでもいいことさ。結局、この世界は実力。そうでなければ世間様は評価してくれないだろ」
「そもそも10歳でもここは入れるのか?」
「そりゃ普通はないよな。ネレイド人ってだけでも無理だろうな」
「いや、ネレイド人かどうかは関係ない」そう間に入って言ったのは高身長のサムだった。恐らくは2メートルはありそうだ。
「芸術に人種は関係ない。そうだろ?」と彼はそう言った。
非力なマーサはただ頷くだけだった。
一方で、大都市から外れた場所には薄暗く治安の悪い場所もあり、そこはとても清潔感ある場所とは言えず、一般人であればまず近づくことさえ控える、そんな場所が存在していた。
それはスラムと呼ばれた場所で、実際に大都市には沢山の人が押し寄せ、結果溢れた人口の中には働き口を見つけられず、貧しいままそこで暮らしていた。
そのスラムの反対側に位置する場所は港があり、ネレイドから帆船が帰国してくることになっている。
その港近くにはアカデミーが幾つもあり、その中に将来画家を目指す若者が入る美術系アカデミーが存在した。
そこは、学歴よりも単に美術を学びたい人が集まる場所で、そこの出身の有名画家を幾つも排出したことのある歴史ある場所だった。
そこには有名になった画家がわざわざアカデミーへと作品を贈りつけ、それらは壁に飾られて誰でも自由に閲覧が出来るようになっていた。
そんなアカデミーに変わった新人が入ったとして話題沸騰中の人物がいた。それがマーサである。
マーサ……実の名を柏木正樹。皆はマーサと呼ぶので、本人も気にすることなくその名で受け入れていた。
実は彼は異世界転生者であった。
黒髪に黒い瞳と、見たことないファッション(サンダルに長袖ジャージと半袖シャツの全身黒一色)に、それだけで皆からの注目を浴びていた。
彼は転生前の記憶を持っており、自分は一度死に生まれ変わりだと、まるで宗教的発言をたまにするおかしな人でも通っていた。
だが、それだけではなかった。
カロンは基本、ロマン主義であり、しかし、マーサの描く絵は簡単に言えば写実主義であった。
マーサはリアルを求め、更には漫画と呼ばれるものまで作り出したのだ。
写実主義的な作品についてはまだ人気は出ていないが、彼のリアルを追求する絵は徐々に注目されつつあった。
ただ、何故か女性ばかりの絵を描き、更にはまた珍しいファッションを絵にしていた。
ファッション界では、彼の絵の新しいファッションを実際に自分達の会社のブランドに採用しようと、アカデミーに入ってまだ一年のマーサにいきなりオファーが来る程だった。
新聞の見出しにも『ファッションリーダー現れる!! その名もマーサ!』とあった。
特に、労働者階級向けの動きやすい服でありながら、お洒落も追求されたファッションにはもう既に人気は出始めていた。
漫画も子供には人気が出始めていた。
そんな彼がいる場所に本日、アカデミーへ入った子が凄いのかどうか分からないが騒ぎになっていた。
「なんの騒ぎだ」
天然パーマの20代マーサは近くにいたアカデミー生に聞いた。
「今日アカデミーに入ってくる子がなんと、10歳の子供らしいんだ」
「10歳?」
「そうらしいぜ。更に、なんとネレイド人らしいんだ」
(また、知らない言葉だ)
「まぁ、ネレイド人がこのアカデミーに入れたのはどっかの貴族が後ろについているって噂らしいが、その噂は信憑性がありそうだよな。ま、とは言え貴族がネレイド人をなんで庇ったのかなんて俺にとっちゃどうでもいいことさ。結局、この世界は実力。そうでなければ世間様は評価してくれないだろ」
「そもそも10歳でもここは入れるのか?」
「そりゃ普通はないよな。ネレイド人ってだけでも無理だろうな」
「いや、ネレイド人かどうかは関係ない」そう間に入って言ったのは高身長のサムだった。恐らくは2メートルはありそうだ。
「芸術に人種は関係ない。そうだろ?」と彼はそう言った。
非力なマーサはただ頷くだけだった。
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