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エマはおじさんに自分の作品を一点、提出した。
キャンバスを受け取りそれを見たおじさんの表情は険しく、笑みがなかった。
絵を見て直ぐに感想を述べるのではなく、沈黙してその作品を見ており、エマにとっては緊張する時間が暫く続いた。
それからキャンバスを降ろし机の上に置いたおじさんはエマを見た。
キャンバスには鉄道の駅前広場の油絵だった。
駅と周りの建物、広場に沢山行き交う人物達を描いたその作品は残りの期間に描いた最後の作品だった。
「人物がしっかりと描けていないな。周りの風景を大きくしたばかりに人間が小さい。もう少し、バランスを考えてしっかり描くべきだな。ルームメイトのアンジェは君にアドバイスしなかったのか?」
「アンジェは私に色々なことを教えてくれました。足りないところがあれば、それは私の力不足です」
「いや……君の年齢でここまでのレベルは中々ないよ。特にアカデミーに入る前に絵の勉強をしてこなかった君が描いてきた絵にしてはよく出来ている。君の絵はなんというか、あまりなかった絵だ」
「それでは……」
「いいだろう、正式にアカデミー生として認めよう」
「ありがとうございます!」
エマは立ち上がり、頭を深く下げてお礼を言った。
そして、頭を上げた時にふとおじさんの頭上にあった絵画がなくなっているのに気がついた。
「あれ? そこにあった絵はどうされたんですか?」
「ああ、あれか。あれは売ったんだよ。私の知り合いがこの部屋に訪れて欲しいと言われたもんだから」
「そうだったんですね」
私もいつしか自分の描いた絵を欲しいと言ってくれるようになりたいと思った。
◇◆◇◆◇
寮の部屋にエマが戻ると、心配そうにエマを待っていたアンジェがいた。
「どうだった?」
エマは意地悪に少し落ち込んだ様子を見せてから晴れた顔を上げて「合格!」と言った。
アンジェは「おめでとう! エマ」と言って抱きついて一緒に喜んでくれた。
「ありがとう、アンジェ。アンジェのおかげだよ」
エマは涙目になりながら心からお礼を言ってくれた。
すると、ドアが叩かれた。
アンジェは部屋のドアを開けると、両手に腰を当てて少し怒った顔をした寮母さんが立っていた。
「静かにするように!」
「はい、すみません」
「それと、エマ。合格おめでとう。あんたはもう立派なアカデミー生よ」
「ありがとうございます、タルボットさん」
タルボットは頷くと下の階へ戻っていった。
その通路から泣き声が聞こえてくる。
なんだろうと思い二人は泣き声がする方へ通路から顔を出し振り向いた。
すると、隣の部屋から荷物を持って出てきた女の子がドアを閉めて寮から出ようとしていたところだった。
エマはアンジェから言われたことを思い出した。
アカデミー主催展示会で2回連続で評価が悪かった者はああしてアカデミーから去らなければならない。
アカデミー生に正式になれても、まだまだ安心はしてられなかった。それをエマは目の当たりにしたのだった。
キャンバスを受け取りそれを見たおじさんの表情は険しく、笑みがなかった。
絵を見て直ぐに感想を述べるのではなく、沈黙してその作品を見ており、エマにとっては緊張する時間が暫く続いた。
それからキャンバスを降ろし机の上に置いたおじさんはエマを見た。
キャンバスには鉄道の駅前広場の油絵だった。
駅と周りの建物、広場に沢山行き交う人物達を描いたその作品は残りの期間に描いた最後の作品だった。
「人物がしっかりと描けていないな。周りの風景を大きくしたばかりに人間が小さい。もう少し、バランスを考えてしっかり描くべきだな。ルームメイトのアンジェは君にアドバイスしなかったのか?」
「アンジェは私に色々なことを教えてくれました。足りないところがあれば、それは私の力不足です」
「いや……君の年齢でここまでのレベルは中々ないよ。特にアカデミーに入る前に絵の勉強をしてこなかった君が描いてきた絵にしてはよく出来ている。君の絵はなんというか、あまりなかった絵だ」
「それでは……」
「いいだろう、正式にアカデミー生として認めよう」
「ありがとうございます!」
エマは立ち上がり、頭を深く下げてお礼を言った。
そして、頭を上げた時にふとおじさんの頭上にあった絵画がなくなっているのに気がついた。
「あれ? そこにあった絵はどうされたんですか?」
「ああ、あれか。あれは売ったんだよ。私の知り合いがこの部屋に訪れて欲しいと言われたもんだから」
「そうだったんですね」
私もいつしか自分の描いた絵を欲しいと言ってくれるようになりたいと思った。
◇◆◇◆◇
寮の部屋にエマが戻ると、心配そうにエマを待っていたアンジェがいた。
「どうだった?」
エマは意地悪に少し落ち込んだ様子を見せてから晴れた顔を上げて「合格!」と言った。
アンジェは「おめでとう! エマ」と言って抱きついて一緒に喜んでくれた。
「ありがとう、アンジェ。アンジェのおかげだよ」
エマは涙目になりながら心からお礼を言ってくれた。
すると、ドアが叩かれた。
アンジェは部屋のドアを開けると、両手に腰を当てて少し怒った顔をした寮母さんが立っていた。
「静かにするように!」
「はい、すみません」
「それと、エマ。合格おめでとう。あんたはもう立派なアカデミー生よ」
「ありがとうございます、タルボットさん」
タルボットは頷くと下の階へ戻っていった。
その通路から泣き声が聞こえてくる。
なんだろうと思い二人は泣き声がする方へ通路から顔を出し振り向いた。
すると、隣の部屋から荷物を持って出てきた女の子がドアを閉めて寮から出ようとしていたところだった。
エマはアンジェから言われたことを思い出した。
アカデミー主催展示会で2回連続で評価が悪かった者はああしてアカデミーから去らなければならない。
アカデミー生に正式になれても、まだまだ安心はしてられなかった。それをエマは目の当たりにしたのだった。
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