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俺は今、建物の白い壁に絵を描く準備をしていた。壁画である。今までキャンバスの中におさまっていた絵は遂にキャンバスの外へと飛び出したわけだが、実際のところ、これからやろうとする作品は今まで以上に大作となる。人生初の挑戦に緊張が走る。
因みに、これから描こうとしている絵のイメージはもう出来上がっている。銭湯にある富士山。それをこの壁に描くのだ。それが3人目の依頼だった。
いや、本当にカロンの風景が俺の手によって塗り替えられ徐々に見たことある日本の風景へと変わっていくことに罪悪感があった。まるで、侵略だ。
本当にこんなことしていいんだろうかと思ってしまうが、後ろへ振り向けばもう遅いように感じてしまう。
道路を挟んだ向こう側には、俺の仕事を見学しに来た人達が集まっていて、明るい派手なドレスに混じって、俺が間違って広めてしまったコスプレ文化が混ざっていた。
前回、女性の方が派手さがあると言ったかもしれないが、俺の言っている派手さとはコスプレ文化が女性に流行していることを指している。徐々にその波は男性にまで及びそうだ。
ふと、その近くの壁に貼られてある兵士募集のポスターに目がいった。
◇◆◇◆◇
エンケラドゥスは地理的には俺の前世と似ており、長い冬があってか不凍港の獲得がその国の課題であった。
こう考えると、エンケラドゥスがロシアなら世界史的に言えばまず地中海に出ようと黒海から地中海ルートへと南下を考えるのだろうが、問題は前世とこの世界の世界地図が同じではないということだ。それは日本という島国がないように、前世にあってこの世界にないものもあれば、この世界にあって前世にないものがあるように、俺が知る世界史に当てはめて考えると、地図がそもそも合ってなかったりしてかなり実は混乱している。あくまでも歴史の出来事がデジャブのように似ているだけで、同じになっていない。だから、この世界でデジャブを頼りに未来を当てるにはより複雑なことを頭の中でしなければならない。
例えば、黒海は前世にはあってもこの世界にはなく陸続きになっている。つまり、エンケラドゥスが黒海から地中海というルートはなく、海に出るまでの陸のルートを侵略し、エンケラドゥスから海に向かう鉄道を建設し、港から海に出るルートになる。だが、エンケラドゥスの下の国は既にカロンが獲得しており、エンケラドゥスはカロンと戦争することになる。エンケラドゥスがカロンとの戦争を回避するとなれば、別ルートのヤヌスへ向かい海を目指すことになる。前世でいうところの中国だ。
前世ではロシアは地中海に出る為に戦争するが(結局南下出来なかったが)この世界では戦争は起きていない。
エンケラドゥスにとってみればカロンは十分強敵であり、戦争回避を考えて早々に諦める可能性はある。
対してヤヌスは弱く、そもそも日本みたいな島国らしき国は地図にはない。となれば日英同盟のような同盟はこの世界にはなく、エンケラドゥスは南下を成功させる可能性が出てくる。
そもそも、日本がなく南下を成し遂げたとしたら、ロシア革命のようなものがエンケラドゥスでは起こらない可能性も出てくる。
そうなるといよいよ未来がどうなっていくのか分からなくなる。
俺が図書館で世界地図を広げながら真剣に考えていると、隣でいきなり咳払いがした。
横を向くとそこにはエマが隣に座っていた。
「こうも気づかないと傷つくなぁ」
「なんだよ、からかいに来たのか?」
「さっきから何真剣に考えてるの? それって絵に関係あること?」
「いや。だが、重要なことだ」
「ふーん」
「だから邪魔するな」
「戦争がどうとかぶつぶつ物騒な独り言してたけど、それと関係あるの?」
「え? 声に出てたか?」
「うん。不気味なくらいにね。やめなよ、そういうの」
「どうしてさ?」
「それって意味あるの?」
確かに、未来が分かったぐらいで自分がその未来を変えられるわけじゃあない。まさか、自分が前世の記憶を持っているのは、この世界の未来は俺に託されているとかそんなことではないだろう。第一、戦争を止めるなんてそんな簡単なこと俺一人で出来ることじゃない。
それこそ、サラエボ事件を止めることが出来たなら、戦争にはならないかもしれないが。
「マーサはさ、未来とかが分かるの?」
「未来? 正確ではないよ」
「じゃあさ、私を占ってよ」
「いや、そういうものじゃないよ」
俺は少し悩んでから彼女にだけは正直に話そうと思った。自分が実は一度死んでいて、その前世の記憶を持っていることを。そして、その世界とこの世界が歴史的に似ているということを。
「実はさ」
その瞬間、視界が眩しく真っ白な光景になった。
気づくと、そこは何もない真っ白な空間が広がっていた。
さっきまでいた図書館がなければエマの姿もない。
「エマ! エマ!」
俺は何度もエマを呼んだ。
だが、返事はない。
(どうなってるんだ!? なんだ、これは??)
すると、さっきまでなかったのに、白い蛇が下にいた。
蛇は赤い目をしており、そいつは自分の尻尾にかぶりついていた。
「なんだよこれ……」
普通じゃない。だが、何故か不思議と見覚えがある。これは確か……ウロボロス。そうだ、ウロボロスだ。
「スパイラル……」
突然、自分の口からそんな言葉が出てきて自分で驚いたが、でも、確かに似た世界で前世の記憶を引き継いだまま転生したあたり、死と再生でもある。
「お前は俺になにをさせたいんだよ」
だが、ウロボロスは答えない。
異世界転生に天使や女神や神ではなく、俺の前に現れたのはウロボロスって言うのか!?
俺は他になにかないか周りを見渡す。だが、本当に真っ白な世界が永遠に続いているだけだった。
上は? と見上げると
「45!?」
黒く45と数字が宙に浮かんでいた。
「なんだよ……なにかのナゾナゾか?」
すると、また再び白い光が視界を襲ってきた。
「クソッ! またか!」
◇◆◇◆◇
その頃、ウォルターは紅茶を飲みながら新聞を読んでいた。
そこに勢いよく扉が開いた。
「エマか、ビックリするじゃないか。どうしたんだ?」
「マーサが……マーサが……」
「マーサ? マーサがどうかしたのか」
「私と図書館でさっきまで一緒にいたの。でも、いきなりマーサが目の前で消えちゃった」
「消えた? え、どういう意味だ? 分かるように言ってくれ。混乱でもしてるのか?」
「本当に消えたの!」
「目の前でか? あり得ないだろ、そんなこと……そうだよな?」
「嘘ついてるように見える?」
「まずいな、警察に通報しなきゃ」
◇◆◇◆◇
白い光がおさまり目を開けると、そこは見知らぬ土地に来ていた。
「なんだよここ……カロンの大都市じゃないじゃないか! おい、コラ! 聞こえてんだろ! 俺を元いた場所に戻せ! おい、戻しやがれ!」
俺は青空に向かって叫んだ。
周りの人達はヤバい人だと思われて避けられたが、そんなものに構ってなどいられなかった。
「なんだよこれ……本当、どうなってるんだよ……誰か教えてくれよ……」
俺はその場で膝をついた。
俺は後にこの場所を知ることになる。
そして、今は6月1日。
因みに、これから描こうとしている絵のイメージはもう出来上がっている。銭湯にある富士山。それをこの壁に描くのだ。それが3人目の依頼だった。
いや、本当にカロンの風景が俺の手によって塗り替えられ徐々に見たことある日本の風景へと変わっていくことに罪悪感があった。まるで、侵略だ。
本当にこんなことしていいんだろうかと思ってしまうが、後ろへ振り向けばもう遅いように感じてしまう。
道路を挟んだ向こう側には、俺の仕事を見学しに来た人達が集まっていて、明るい派手なドレスに混じって、俺が間違って広めてしまったコスプレ文化が混ざっていた。
前回、女性の方が派手さがあると言ったかもしれないが、俺の言っている派手さとはコスプレ文化が女性に流行していることを指している。徐々にその波は男性にまで及びそうだ。
ふと、その近くの壁に貼られてある兵士募集のポスターに目がいった。
◇◆◇◆◇
エンケラドゥスは地理的には俺の前世と似ており、長い冬があってか不凍港の獲得がその国の課題であった。
こう考えると、エンケラドゥスがロシアなら世界史的に言えばまず地中海に出ようと黒海から地中海ルートへと南下を考えるのだろうが、問題は前世とこの世界の世界地図が同じではないということだ。それは日本という島国がないように、前世にあってこの世界にないものもあれば、この世界にあって前世にないものがあるように、俺が知る世界史に当てはめて考えると、地図がそもそも合ってなかったりしてかなり実は混乱している。あくまでも歴史の出来事がデジャブのように似ているだけで、同じになっていない。だから、この世界でデジャブを頼りに未来を当てるにはより複雑なことを頭の中でしなければならない。
例えば、黒海は前世にはあってもこの世界にはなく陸続きになっている。つまり、エンケラドゥスが黒海から地中海というルートはなく、海に出るまでの陸のルートを侵略し、エンケラドゥスから海に向かう鉄道を建設し、港から海に出るルートになる。だが、エンケラドゥスの下の国は既にカロンが獲得しており、エンケラドゥスはカロンと戦争することになる。エンケラドゥスがカロンとの戦争を回避するとなれば、別ルートのヤヌスへ向かい海を目指すことになる。前世でいうところの中国だ。
前世ではロシアは地中海に出る為に戦争するが(結局南下出来なかったが)この世界では戦争は起きていない。
エンケラドゥスにとってみればカロンは十分強敵であり、戦争回避を考えて早々に諦める可能性はある。
対してヤヌスは弱く、そもそも日本みたいな島国らしき国は地図にはない。となれば日英同盟のような同盟はこの世界にはなく、エンケラドゥスは南下を成功させる可能性が出てくる。
そもそも、日本がなく南下を成し遂げたとしたら、ロシア革命のようなものがエンケラドゥスでは起こらない可能性も出てくる。
そうなるといよいよ未来がどうなっていくのか分からなくなる。
俺が図書館で世界地図を広げながら真剣に考えていると、隣でいきなり咳払いがした。
横を向くとそこにはエマが隣に座っていた。
「こうも気づかないと傷つくなぁ」
「なんだよ、からかいに来たのか?」
「さっきから何真剣に考えてるの? それって絵に関係あること?」
「いや。だが、重要なことだ」
「ふーん」
「だから邪魔するな」
「戦争がどうとかぶつぶつ物騒な独り言してたけど、それと関係あるの?」
「え? 声に出てたか?」
「うん。不気味なくらいにね。やめなよ、そういうの」
「どうしてさ?」
「それって意味あるの?」
確かに、未来が分かったぐらいで自分がその未来を変えられるわけじゃあない。まさか、自分が前世の記憶を持っているのは、この世界の未来は俺に託されているとかそんなことではないだろう。第一、戦争を止めるなんてそんな簡単なこと俺一人で出来ることじゃない。
それこそ、サラエボ事件を止めることが出来たなら、戦争にはならないかもしれないが。
「マーサはさ、未来とかが分かるの?」
「未来? 正確ではないよ」
「じゃあさ、私を占ってよ」
「いや、そういうものじゃないよ」
俺は少し悩んでから彼女にだけは正直に話そうと思った。自分が実は一度死んでいて、その前世の記憶を持っていることを。そして、その世界とこの世界が歴史的に似ているということを。
「実はさ」
その瞬間、視界が眩しく真っ白な光景になった。
気づくと、そこは何もない真っ白な空間が広がっていた。
さっきまでいた図書館がなければエマの姿もない。
「エマ! エマ!」
俺は何度もエマを呼んだ。
だが、返事はない。
(どうなってるんだ!? なんだ、これは??)
すると、さっきまでなかったのに、白い蛇が下にいた。
蛇は赤い目をしており、そいつは自分の尻尾にかぶりついていた。
「なんだよこれ……」
普通じゃない。だが、何故か不思議と見覚えがある。これは確か……ウロボロス。そうだ、ウロボロスだ。
「スパイラル……」
突然、自分の口からそんな言葉が出てきて自分で驚いたが、でも、確かに似た世界で前世の記憶を引き継いだまま転生したあたり、死と再生でもある。
「お前は俺になにをさせたいんだよ」
だが、ウロボロスは答えない。
異世界転生に天使や女神や神ではなく、俺の前に現れたのはウロボロスって言うのか!?
俺は他になにかないか周りを見渡す。だが、本当に真っ白な世界が永遠に続いているだけだった。
上は? と見上げると
「45!?」
黒く45と数字が宙に浮かんでいた。
「なんだよ……なにかのナゾナゾか?」
すると、また再び白い光が視界を襲ってきた。
「クソッ! またか!」
◇◆◇◆◇
その頃、ウォルターは紅茶を飲みながら新聞を読んでいた。
そこに勢いよく扉が開いた。
「エマか、ビックリするじゃないか。どうしたんだ?」
「マーサが……マーサが……」
「マーサ? マーサがどうかしたのか」
「私と図書館でさっきまで一緒にいたの。でも、いきなりマーサが目の前で消えちゃった」
「消えた? え、どういう意味だ? 分かるように言ってくれ。混乱でもしてるのか?」
「本当に消えたの!」
「目の前でか? あり得ないだろ、そんなこと……そうだよな?」
「嘘ついてるように見える?」
「まずいな、警察に通報しなきゃ」
◇◆◇◆◇
白い光がおさまり目を開けると、そこは見知らぬ土地に来ていた。
「なんだよここ……カロンの大都市じゃないじゃないか! おい、コラ! 聞こえてんだろ! 俺を元いた場所に戻せ! おい、戻しやがれ!」
俺は青空に向かって叫んだ。
周りの人達はヤバい人だと思われて避けられたが、そんなものに構ってなどいられなかった。
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