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よい夢を
しおりを挟む背中が、柔らかい。
ベッドの上に寝かされているようだった。
秘密の部屋で封印のグリモアールを見つけて、ルーファスさんがルシファウス様だとわかって。
それから、淫らなことをされて。
夢か現実かわからないような記憶が、脳裏を巡る。
あの部屋には鎖で雁字搦めにされたクリスタルがあった。
あれは、ルシファウス様の肉体だと、サラームさんは書いていたけれど。
夢、だったのだろうか。
私はルーファスさんを除霊しようと思って、地下室に足を踏み入れたはずだ。
けれど、結局流されてしまって──。
「ん、ぁ……っ」
下腹部に感じた違和感に、私は眉を寄せた。
きゅうっと体に入っている異物を締め付けてしまい、途端に体の感覚が一気に戻ってくる。
「ぁ、ぁあ、あっ、あっ」
快楽が一気に弾けて、私は大きく目を見開いた。
ベッドがぎしぎし揺れている。
私の片足を抱えたルーファスさんが、背後から私を抱きしめるようにして最奥を突き上げている。
どれぐらいそうしていたのか分からないぐらいに、私の秘部はしとどに濡れそぼっていた。
意識が飛んでいたのは、どれほどだろう。
その間もずっとこうされていたのかと思うと、恐ろしさを感じる。
けれどそれは一瞬で、うねる波のように襲ってくる快楽に、思考回路が鈍る。
気持ちいい、気持ちいい。
抱きしめられて暴虐に開かれて、下腹部の印を押しつぶすように撫でられるたび、頭がそれでいっぱいになった。
「どぉ、して……」
「一度で終わると思うか? 足りないのでな、いつ目覚めるかと眺めながら、可愛がっていた」
「もぉ、まんぞ、く……っ、した、の」
舌足らずな声しか出ない。呂律が上手く回らない。
「いや。まだだが、お前が起きたら、終わりにしようかとは、思っていた」
「っ、おわり……?」
「あぁ。可愛かったからな。眠りながら、従順に俺を求めるお前が。ずいぶんと、素直だった」
ちゅこちゅこと、肥大した肉芽を指で挟んで擦られながら、中を小刻みに揺らされる。
溢れた液体が泡立って、はしたない音を立てた。
「あっ、あん、んっ」
「リュミ、気持ちいいか?」
「うん、きもちい、いい、すごいよぉ……っ」
「いい子だ。夢の続きだな。素直になった」
何度も、気持ちいいかと尋ねられたような気がする。
夢の狭間で問われて、泣きじゃくりながら頷いたような。
「気持ちい、ルファ……っ、るふぁ、あ……っ、ぎゅってして、もっとぉ……っ」
「よしよし。いい子だな。いくらでもしてやろう」
ルーファスさんは姿勢を変えると、私を正面から抱きしめた。
体を折りたたむようにされて、ひときは大きく深く穿たれる。
一つの生き物になったみたいにきつく抱きしめられると、多幸感が心を満たした。
中に熱いものがそそがれても、ルーファスさんは逞しいままで、けれど動かず、引き抜きもせずにじっと私を抱きしめていた。
私はぐずぐず泣きながら、激し過ぎる快楽の余韻に身体を震わせた。
「ん……」
激しさを忘れたような優しいキスをされる。
愛していると重なる唇だけで伝えてくれるようなそれに、じんわりとした温かさが胸いっぱいに広がった。
ルーファスさんは、私の身体を抱き上げて、自分の上に乗せた。
飲み込んでいる太い欲望は、そのままで。
動いた刺激で、狭間から液体が溢れて足をつたった。
「可愛かった、リュミ。何度でも愛したいたいぐらいに」
「ん……」
「そう可愛い声で鳴くな。際限なく、突き上げたくなってしまう」
ルーファスさんの分厚い胸板に顔を埋めて、私はもう指一本も動かすことができなかった。
髪を撫でられるのが心地よくて、目を細める。
甘やかされる、猫になった気分だ。
私は、ルーファスさんを除霊しようとしていたのよね。それで、地下室に降りたのに。
どう考えても、悪霊を強化してしまった。
ルーファスさんは封印されているだけで、お化けじゃないことは判明したのだけど。
「いけないこと、しました、私。ルーファスさんと、こんなこと……」
「何故いけない?」
「私、あなたを除霊しようとしていたのに」
「知っている。たが、俺は霊ではない。ルシファウス・グレイモア。正当なるこの国の王だ」
思い出すというのは、おそろしいことだ。
私はとても危険な人の記憶を呼び覚ましてしまったのではないだろうか。
「まぁ、それは過去だな。今はルーファス。お前の恋人だ。それで十分だな」
「本当に……?」
「嘘をつく理由がない。こんなに楽しいことを、お前は思い出させてくれた。お前は特別だ、リュミ」
ルーファスさんは目を閉じた。
規則正しく、胸板が上下している。
「今日は、眠れるかもしれない。五百年ぶりにな」
眠る前に、私の中にある昂りを抜いてほしいと言おうとした。
けれど、ただ熱い塊がお腹の奥にあるというのが、少し気持ちよくて。
「おやすみなさい、ルーファスさん」
「おやすみ、リュミ。良い夢を」
今日は、きっとルーファスさんの夢をみる。
そう思いながら、私も目を閉じた。
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