すれ違わない二人の結婚生活

能登原あめ

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領地で新婚生活編

1 社交シーズンの終わり

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 秋がきて、社交シーズンも終わり、僕は初めてアンジーを領地へ連れて行く。

 なんと、父様が母様を連れて一月ほど旅をしてから戻るんだって。
 だから僕とアンジーは領地で甘くとろける新婚生活を送ることができるんだ!
 まだ結婚して四ヶ月ほど。
 あと三年は新婚だって言ってもいいよね?

 領地では二人きり。
 使用人のみんなはいるけど、ほぼ二人きり!
 のんびりベッドで過ごしたって、誰にも文句は言われない。多分。

 これまでは母様の目があったからできなかったけど、三日くらい部屋にこもってもいいと思うんだ。
 アンジーが、いいよって言ってくれたら。
 どうかな。
 だめかな。
 
「ヴァル? どうしたの?」

 僕の愛しい妻が。
 あ、待って、もう一度言わせて。
 僕の愛しい妻が、優しくほほえむ。

「かわいい……今日も、きれいだね」

 ふふって照れたように笑うけど、それも魅力的。
 
「領地へ行ったら、アンジーとしたいことがいっぱいあるんだ」
「うん。すごく楽しみ」
「アンジーもしたいことある?」
「……そうね、ヴァルとピクニックとか?」
「いいね!」

 好きな食べ物だけかごに詰めて食べさせあって、お腹いっぱいになったらブランケットの上でアンジーを抱きしめて昼寝したい。
 
「それから、ヴァルと町の様子を眺めたり」
「うんうん!」
「一緒に星を眺めたり」
「いいね!」
「川で水浴びしたり」
「……それ最高! アンジー、泳げるの?」

 僕の頭の中は水に濡れた色っぽいアンジーといちゃいちゃすることでいっぱいだよ!

「……残念だけど、泳げないの。でも、まだ暑いから川に足を入れて涼みたいな。……お行儀悪いかな?」
「まさか!」

 むしろ、上品!
 僕の頭の中がアンジーに見えなくてよかった‼︎
 彼女がスカートを少し上げて、きれいな白い足が水に浸かるところは、想像したら絵画みたい。

 画家に目隠しして描いてもらおうかな!
 だって、僕以外見せたくないから!

「アンジーのしたいことは全部やろう!」
「ありがとう、ヴァル。……ヴァルのしたいことも全部しようね」
「本当? 約束だよ! 夢みたい、僕生きててよかった。大好きだよ、アンジー」
「ふふっ、ヴァルってば大げさなんだから」

 アンジーが天使でよかった!
 だって、僕が考えるあーんなことや、こーんなことを確認もせずに全部やっていいなんて‼︎

「じゃあ、領地まで一眠りしよう?」
「うん。そうだね……」

 アンジーが僕の肩に頭を乗せる。
 柔らかな金髪が僕の顔に触れてくすぐったいのにそれさえも幸せに思う。

 僕の妻は、なんてかわいいんだろう。
 もう、愛しくて胸がいっぱい。
 
「おやすみ、アンジー」
「うん、おやすみヴァル」

 目が覚めたら、二人きりの甘ーい新婚生活が始まるんだ!
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