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領地で新婚生活編
3 隣の領地の息子達 1
しおりを挟む「久しぶりだなぁ、ヴァル? 相変わらず、しゃべらねぇなぁ! 隣にいるのお前の嫁さんだろ? 味見させてよ」
「……無理! 近づくな‼︎」
四男のカーターはニヤニヤしながら、僕とアンジーを交互に見る。
結婚式は隣の領地からは伯爵夫妻と長男夫婦しか呼ばなかった。
あの当時七男のジョンは成人していなかったし、他の兄弟は家を出ていたから。
その後、騎士見習いだったカーターは怪我をして領地に戻って大人しくしていると聞いていたけど。
昔から一番悪ノリする奴だったから、きっと何かやらかしたんだ。
全然中身は変わってないらしい!
「兄さん、やめなよ! ヴァル、後で顔出すね!」
「あぁ、また」
ジョンはアンジーにも会釈してカーターの背中を押して去っていく。
ジョンが大きいとはいえ、カーターはあんなに小柄だったのか。
昔はあんなに大きく見えたのに。
「……ヴァル? 大丈夫?」
アンジーが僕の手をぎゅっと握る。
「うん、嫌な思いさせてごめん……隣の伯爵領の七人兄弟で、小柄な方が四男で問題児なんだ。大きい男は僕と同い年の七男だけど……どっちにも近づいたらダメだよ」
「ヴァル以外には近づかないから」
手をつないでいないほうで、アンジーを抱きしめてぴったりくっつく。
こんなにかわいいから心配になる。
アンジーが小さく笑って僕を見上げる。
「……りんご畑でピクニックしてもいいね。……ヴァルと一緒ならどこでも楽しそう」
「僕も! 湖もあるからっ! そっちに行ってもいいし!」
「うん。楽しみ。……大好き、ヴァル」
「僕も! アンジー愛してる‼︎」
僕の妻、かわいい!
早く愛でたい‼︎
「戻ろう?」
「うん」
嫌なやつに会ったけど、僕がアンジーを守ればいいんだ!
昔みたいに非力な子どもじゃない。
川に投げ込まれたり、ズボンを下ろされたり、アンジーの前でされるわけにはいかないんだ!
翌日、隣の領地からジョンがやって来た。
「兄さん? まだ寝てるよ。……昨日はすまなかったね。兄さんは……仕事も怠けるし、飲んだくれて女と問題を起こすし……あ、女性の前で失礼した。……まぁ、色々うちでも困っているんだ」
彼の両親はまだ王都にいるらしく、こちらにいるのは長男夫婦とジョンとカーターだけらしい。
恐ろ……いや、厳格な長男だし、しっかり見張っていてほしい。
全く油断できないけど!
「ヴァルの奥さん、かわいいね。私とも仲良くしてください」
「はい、こちらこそ……」
ジョンがアンジーを見てにこにこしてるから、背中に隠す。
「仲良くはダメ! 僕だけの奥さんだからっ! ジョン……婚約者は?」
「……あー、まだなんだ。……さすがに七男だし、町に好きな子がいるけどなかなか難しくて……」
「そう……ジョンは体も大きくて頼りがいがありそうだし、うまくいくことを願ってるよ!」
「うん、ありがとう」
ジョンはいい奴だ。
アンジーに目を向けないなら、うまくいくようにたっぷり祈るよ!
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