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領地で新婚生活編
15 二人でピクニック 2
しおりを挟むお互いの好きなものを詰め込んだバスケット。
僕のためのローストビーフはたっぷり。
アンジーの分は小さくバラの花のように丸めてつまめるようになっている。
ローストチキンに、腸詰め。
アップルポーク。
うん、肉ばっかり!
アンジーの好きな具沢山のオムレツに、魚のパテと見ただけで口の中が酸っぱくなる野菜の酢漬け。
それからパンとチーズ。
酸っぱいりんごで作ったジャムを挟んだクッキーはアンジーがリクエストした通りだといいな。
デザートにリンゴのコンポートもあるし、りんごのケーキとリンゴのミニパイとりんごづくしなのだけど、全部少しずつつまめるように用意されている。
僕たちが領地に来ると同時期に新しい菓子職人が入った。
これまでいた職人が引退する替わりに、外国で修業していた孫が入ることになったそうだ。
アンジーにいつでもおいしい菓子を作ってくれたら嬉しいな。
飲み物は紅茶のほかはりんごのお酒も持たせてくれた。
アンジーは初めてだろうから舐める程度でもいいし、紅茶にちょっと入れてもいい。
人気のいない所まで運ぶのは重かったけど、ブランケットの上に並べるとキラキラした瞳で嬉しそうな顔をするから疲れも吹っ飛ぶ。
「こんなにたくさん‼︎ ヴァル、重かったでしょう? すごく、おいしそう!」
「重くなんてないよっ。アンジーが喜んでくれて僕は嬉しい。……いっぱいあるから、色々食べてみよう?」
膝の上にアンジーをのせて、一口ずつ食べさせ合う。
ずっと触れ合って、幸せ。
「おいしい! ヴァル、これ食べてみて?」
僕をのぞき込んで口に入れてくれる。
あー、かわいい。
僕、幸せ。
これ、これ!
僕、これを夢見ていたんだ。
領地で誰にも邪魔されることなく、甘い新婚生活。
「……おいしい。僕のアンジーと一緒で、かわいいアンジーが食べさせてくれて、好きなものばかり入った料理。おいしくないわけがないよ。……幸せ」
「うん……私も。ずっとここにいたくなるね。ヴァル、連れてきてくれてありがとう。……大好きなヴァルと一緒ですごく幸せよ」
「あ~も~、アンジーがかわいすぎてどうしよう‼︎」
思わずぎゅうぎゅう抱きしめて頬ずりすると、アンジーがくすぐったそうに笑う。
「大好き、ヴァル」
合わせるだけのキスをしてもう一度しっかり抱きしめる。
「はぁ……大好き。……僕のデザートはアンジーがいいけど、新しい菓子職人が作ったデザートに手をつけなかったら悲しむね。……りんごのジャムのクッキー、食べてみようか」
「うん!すごくおいしそう」
ためらいなく開けた口の中にクッキーを置く。
サクサクした音がして、キラキラした目で僕を見て笑った。
「すっごく、おいしいからヴァルも食べて! これまで食べたりんごのクッキーの中で一番おいしい‼︎ あとでお礼が言いたいわ」
「うん、そうだね。アンジーをこんなに喜ばせるなんて、いい職人が入ったね。よかった」
りんご酒を落とした紅茶を飲みながら、僕たちは甘~い時間を過ごした。
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