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義兄の結婚編
4 結婚式
しおりを挟む「おめでとう!」
「お幸せに」
「ありがとうございます」
花嫁も花婿もキラキラしている。
幸せそうな二人を見ていたら、自分たちの式をうっすら思い出した。
うっすらというのには、理由があるんだ!
だって、あの日のアンジーが最高にかわいくて、女神様以上に美しくてきれいで、夢みたいで、僕の背中に羽根が生えていたら空を飛んだと思えるほど!
もしも魔法使いだったら、二人で手をつないでそのまま空のデートを楽しんだはず。
いや、式の最中にそれはダメか。
とにかく胸が震えるほど嬉しかったんだ。
ずっとずっと好きだった女の子が僕のお嫁さんになったんだよ!
これからは人前だからって遠慮しないでいいんだって、僕の妻だって周りに自慢しまくっていいんだって……とにかく幸せで舞い上がった。
夜の本で勉強したことをすべて実践してもいい許可が、多分おりるんだって、そんなことも考えていて。
アンジーがいいって言ってくれたら……そして、実際アンジーは僕になんでも許してくれたんだ。
アンジーは女神様以上に女神らしく、あらゆる天上人の中の一番かも?
いや、これは……!
もしかして、アンジーはこの世界の神の愛し子かもしれない⁉︎
そう考えたら、ぼくはもっともっと彼女を大切にしないといけないなぁ!
そんなことを考えながら、僕は結婚式をみていた。
あの時、記録石があったら、何度も何度も幸せな瞬間を繰り返し見ただろうけど。
いや、今が一番幸せなのだから、この瞬間こそ、アンジーを目に焼きつけなくては!
それからは、妻の素晴らしい采配で滞りなく進むお披露目パーティを彼女に寄り添って楽しんだ。
素晴らしい。
僕の妻、完璧すぎる!
今すぐ褒め称えたいけど、恥ずかしがるから夜まで我慢するんだ。
僕がみつめすぎたのか、アンジーと目が合うたびに恥ずかしそうに顔を赤らめる。
なぜだろう?
アンジーに夢中になりすぎて、ワインでもこぼしたかな?
いや大丈夫だ、パンくずは払った。
髪でも崩れているのか?
近くに控えていたアメリアにそっと尋ねる。
「僕、何かおかしいか?」
「……いえ。…………恐れながら申し上げますと、若旦那様が若奥様をとても大事にされている様子が、傍目にもわかり、微笑ましく思われているのでしょう。若奥様はそれが少々おはもじなのか、と」
僕がアンジーのこと、大好きだって周りに溢れちゃってるのかな?
おはもじ、って恥ずかしいってこと⁉︎
「……最愛の妻だからね」
今日の主役は義兄夫婦だから、目立つのもよくない。
あともう少しおとなしくしていよう。
「今日の結婚式、素敵だったわ」
「ウン、ソウダネ……。アンジーの采配、完っ璧だったよ!」
心の中で謝るよ、ごめん。
アンジーばかり見ていたから、あんまり記憶に残ってないなぁ!
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