ヒロインの要請で悪役令嬢を演じます?

能登原あめ

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8 ※微

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 グレイソンの唇に覆われて、皮の上からしごくように吸ったり舌で突いたりするから、身体がどんどん熱くなって汗ばむ。

 声なんて出したくないのに、意味のない言葉が口から飛び出る。

「……あっ、……っぁ……は、……ん……」
「そのまま、感じていて」

 腰が跳ねて、身体が震える。
 彼がしつこいのはキスだけじゃなかった。
 わざと音を立てながら刺激し続ける。

 イきそう。
 目の前が白み、びくびくと身体が大きく震えて私は達した。

 けれど。
 グレイソンは私の身体を押さえてしぶとく陰核を舌で嬲り続ける。
 皮を押し上げ軽く歯を立てられてびくんと腰が跳ねた。
 息を漏らすように笑ったグレイソンにさっきよりも強く舌で舐め回される。

「あっ、やっ、グレイ、ソンっ……また、だめっ……あああぁっ……」

 どうして。
 もう一度、絶頂に追いやられた。
 催淫効果とグレイソンのせい。

「グレイソン……」

 喘ぎながら思わず彼を睨む。

「そんな顔したって、かわいいだけです。……次は私も気持ちよくなりたいので」

 そう言われたから、私はゆっくり起き上がり、彼のズボンに手を伸ばした。

「…………何を?」
「次はグレイソンの番でしょ?だから、私が……その」

 口で。
 
「フレイアは誰かと経験が?」
「ないです。……閨の、教育で。…………グレイソン、失礼よ。私はあなたを裏切らない」

 もし慣れて見えるなら、前世の経験があるからだけど、説明するつもりもない。
 閨の教育も夫に任せろといったあっさりしたものだったけど、それも言うつもりはない。

「あまりにあなたが落ち着いていて、あっさり達したので…………もしかしてご自分で身体に触れることが?」
「ないわよ」

 あらぬ疑いをかけられてさっきまでの熱が覚める。
 だんだんイライラしてきた。

「どきどきしてるし、恥ずかしいのも我慢してるだけなのに」
「…………」
「グレイソンがいやらしいから……あんなにされたらおかしくなっちゃう……」
「…………」
「それに、グレイソンの前だといつもの自分でいられるから、思ったままを口に出しちゃうの」
「…………」
「そんなに疑うなら、抱いてみればわかるわよ、
「…………」
「…………」

 ……しまった。
 うっかりにもほどがある。

 こんなところで、こんなタイミングで愛称で呼んじゃうなんて。
 黙ったままの彼の顔を恐る恐る見て、息を呑む。
 満面の笑みを浮かべているけど、獰猛な肉食獣に追い込まれた気分になる。

「……ぜひ、確かめさせてください」

 聞かなかったことにして、と言いたい。
 でも言える雰囲気じゃない。
 もう、引き返せない?
 リリアンは緊急事態の時に名前を呼べと言ってたけど、回避どころが自分で飛び込んでしまった。
 
「……あの、…………優しく、してね?」
「…………はい。移動、しましょう」

 さすがにソファで最後までことにおよぶのは嫌だ。
 大人しくグレイソンに抱っこされてぎゅっとしがみつく。
 全部見られているけど、くっついたほうが見えないから。

「思ったとおり、かわいい人ですね……。忘れられない夜にしましょう」
「いいけど……赤ちゃんは、まだだめ……しばらくは二人の時間を楽しみましょ?」

 こう言えば避妊に気をつけてくれそうと思ったけれど。
 変なスイッチを入れてしまったようで勢いよく一緒にベッドに倒れ込んだ。
 一瞬息が詰まる。

「結婚したらしばらくの間二人で部屋に篭りましょう。誰にも邪魔されず、あなたを堪能したい。同じ気持ちでいてくれるなんて嬉しいです」

 そういう二人の時間じゃなく。
 ……うん、もう、しかたないか。
 身がもつといいけど。

「グレイソン……、痛いのいやだからね?」
「わかりました。……さっきみたいに、グレイと、呼んで欲しいです」
「わかった。優しくしてね……グレイ」

 私の言葉に触れるだけのキスを落とす。

「……いざとなると、ものすごく緊張します。…………失敗してしまいそうで」
「それも、いいんじゃないかな」

 忘れられない夜になるだろうし。

「フレイア……一生大切にします」
「グレイのこと、どんどん好きになるみたい。……こんな単純な女でいいの?」
「あなたのすべてが愛おしいです。全部、丸ごと、どんなあなたも愛しています」

 どうしてこんなに好かれるのかよくわからないけれど、愛されていると思うと私からも愛を返したくなる。
 
「私の全部、あげるわ」

 返事の代わりに何度も唇を啄まれて舌を絡めてくる。
 普段とは違って気が急いているグレイソンが可愛く見えるから不思議だ。
 
「先へ進みます。もっと……あなたから望んでもらえるように」

 太ももを撫でていた手が、脚の間にのびて蜜口の周りをそっと撫でた。
 濡れているからグレイソンの柔らかく触れる指がつるりとすべる。
 少しくすぐったくて身体を震わせた。

「フレイア」

 私の名前を呼びながらゆっくりと指を中へ埋めた。
 ほんの少し、異物感はある。

「痛い、ですか?」
「……痛くない、けど変、かな……」
「……ゆっくりほぐしますね」

 ゆっくり?
 何だか怖い。

「大丈夫です。気持ちよくなるまでていねいに探りますから。力を抜いてください……怖がらないで」

 うっかり声に出してしまったみたい。
 埋められた指はそのままに、陰核を親指で優しく触れてきた。

「んっ……、それ、……」
「ああ……、ここに触れながら拡げていきましょう」

 軽く私の唇にキスしてから、脚の間に移動した。

 
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