ヒロインの要請で悪役令嬢を演じます?

能登原あめ

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「愛してます。これからもずっと、生まれ変わっても」

 キスの合間にグレイソンがささやく。

「生まれ変わってまた出会えたらね」
「必ずあなたを見つけますから」
「うん……見つけてね」
「……そろそろ、いいでしょうか」

 私の痛みが落ち着くまで動かずに待ってくれたグレイソンに、愛しさが増す。

「ありがとう。好きよ、グレイ。……いいよ」

 グレイソンがゆるゆると腰を押しつけるように動くと、ぬちゃぬちゃと水音が上がる。
 まだ、痛いけれど、グレイソンの顔を見ていればどきどきして気が紛れる。

「ああっ……!」
「……ここ、ですか? 気持ちいい?」
「んっ、……あぁっ……」

 同じところばかりずりゅずりゅとこすり続ける。
 痛みが消えたわけじゃないけど、気持ちよさが高まって、身体が震えた。
 これは知ってる。
 私の身体が素直に快感を追う。

「グレイっ……あっ……、ああぁぁーーっ……」

 中がヒクヒクしてグレイソンのアレをぎゅうぎゅう締めつける。
 
「……っ! ふぅ、……動きますよ」

 絶頂の余韻に浸る私をゆっくり揺さぶり始めた。

「グレイっ、待って……、またっ……」

 彼の大きなもので内側全部をこすられるから、すぐ熱が溜まっていく。
 じゅぷじゅぷと卑猥な音が響くくらい、私の身体はとろけている。

「あっ、……もぉ、おかしく、なっちゃう……あっ、あっ、……グレイっ!」
「あなたを、全部、みせてください! そのかわいい顔も、声も、姿も……すべてこの目に焼きつけて、私のものにしたい……」
「グレイっ……」

 何度も何度も腰を打ちつけて、私を絶頂に追いやる。
 数えられないくらい達して、力の抜けた私の腹の上に、ようやく子種を吐き出した。
 しばらく息が整うまで抱きしめた後、

「一緒に風呂に入りましょう、きれいにしますから」

 予想はしたけど、風呂場で一度抱かれ、いつの間にかきれいに整えられたシーツで私たちは眠った。
 いろいろ筒抜けで恥ずかしい……。

 グレイソンは夜が明ける前に、口づけを落として名残惜しげに帰った。

「また夜に顔を出しますね」

 今夜も?
 グレイソンのたがをはずしてしまったかもと思いながら、私は昼まで眠った。
 彼の言う通り忘れられない長い、長い夜となった。
 










「会えるとは思わなかったのですが……フレイア様がお疲れと思ってコーラとジンジャーエールの素を作ってまいりました……ぜひお納めください……」

 グレイソンが帰って目覚めた後、リリアンから差し入れが届いた。
 本人がまだそこにいると言うから会うことにしたのだけど、そわそわしているみたい。

「…………グレイソンは攻略対象者なの?」
「気づいちゃいました? 私がヒロインのゲームでは、グレイソン様はワイアット様のサポートキャラなんです。そこで人気があったので第二弾の乙女ゲームでは新しいヒロインの攻略対象なんですよね。……でもまぁ、ゲームの世界ともズレがありましたし、フレイア様は愛されてるので大丈夫かと思って…………すみません! 元気な姿で安心しました!」

 先に聞いて心の準備がしたかったよ。

「……催淫効果のあるチョコレートを食べさせられた」
「すいませんっ! ごめんなさいっ! 土下座しますっ!」
「薬が効きづらいらしくて、私はあまり効果が出なかったから、もういいけど」
「……あぁ、スイートな、甘い夜を過ごしたんですね、ごちそうさまです」

 どんなふうに過ごしたか知られているとは恥ずかしすぎる。

「好感度低いと媚薬漬けで調教エンド突入ですからよかったんですよ! お二人の結婚式、楽しみにしてます」
「…………リリアンは? 今どうなってるの?」

 満面の笑みをみせるから、二人の心配はしなくてよさそう。

「結婚を前提にお付き合いしてます! 私の身分が低いので釣り合いのとれる家柄の養女になる必要がありますが。ともかく、今までご協力ありがとうございました!」
「よかった。お幸せに」

 第二弾のヒロインがグレイソン狙いだったらどうしようと思うけれど、絶対に邪魔なんてさせない。

「次のヒロインは誰なの?」
「ある高貴なお方の……いわゆるご落胤で、幼い頃から修道院で暮らしてきた薄幸の美少女です」
「それはまた……」

 ドラマティックな展開になりそう。

「気になって修道院を調べたんですが、そんな子いなかったんですよね。なので心配しなくて大丈夫ですよ! グレイソン様にはフレイア様しか見えてませんから!」

 今から先のことを心配してもしかたないかな。
 もし現れても問題ないくらい二人の絆を強くすればいいんだもの。
 それより。

「……リリアン、これからも友達でいてね」
「フレイア様こそずっと仲良くしてくださいね!」

 お互い見つめ合ってくすくす笑う。

「この後どうするの?」
「ワイアット様と夜会へ行きます。……フレイア様、は……無理ですよね?」

 足腰が立たないのがバレてた。
 がんばれば行けなくはないけど、行かない。

「グレイソンが夜にまた来るって……」
「…………また何か差し入れします、乳酸菌飲料開発中なので! 頑張ってフレイア様!」

 悪役令嬢というほどのことはしてないけれど、ささやかな企みは二つの恋を育てた。
 だから私たちが仲良くなるきっかけとなったコーラで乾杯した。

「炭酸水の開発もお願い」

 コーラの炭酸が喉に心地よく落ちた。








               終
 









******


 最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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