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別のお話
ずっと手をつないでいて sweet version ③ 終[R18改稿版]※
しおりを挟むオーウェンとの結婚生活の準備は大変だけど楽しくて。
毎日彼と顔を合わせておしゃべりして、本当に夢みたいに幸せ。
毎日があっという間に過ぎ去る。
私が十八歳になる日、秘めやかに式を挙げて小さな領地へと移り住んだ。
穏やかな気候で肥沃に富んだ領地の民は親しみやすく、私たちを温かく迎えてくれた。
そして、慌ただしく夜を迎え、二人きり。
私は準備を終えて、二人の寝室へ。
オーウェンは私を見るなり顔を背け、入れ替わるように足早に浴場へと向かった。
数年前までは、一緒に眠るのが嬉しくて幸せで。
でも、今はどきどきして恥ずかしい。
こんなに肌を露出した姿をじっくり見られるのが恥ずかしくて、布団に潜る。
オーウェン、ちょっと顔が赤かったみたい。
私がこんな姿だったから?
オーウェンも私と同じくらいどきどきしてくれたら嬉しい。
そんなことを考えているうちに、私は眠ってしまったらしい。
「ヘーゼル……」
私の髪を撫でる優しい手と、聞き慣れた声になぜか夢だと思った。
「オーウェン……ぎゅっとして」
彼もそっと布団の中に入ってくる。
抱きしめられると、髪が少し濡れていてほんのり石鹸の香りがした。
私の横に寄り添ってそっと抱きしめられる。
「……ヘーゼル」
彼の手が私の背中を撫でる。
耳元で低くささやかれて、私は目覚めて気づいた。
今夜が二人にとって初めての夜だということを。
「……ごめん……うとうとしたみたい」
ほんの少し、ほっとしたようなオーウェンのため息。
それに、どちらの心音かわからないけれどとくとくと早鐘を打つ。
お互いの音が混じり合っているのかもしれない。
「いや、しかたないよ。今日は忙しかったから」
一緒の寝台に横になるのはおよそ六年ぶりだから、薄い寝衣に包まれた身体から、お互いの体温を感じる。
眠っていた私の身体と、風呂上がりのオーウェンの身体、どちらも熱い。
そんなことを考えたら心臓が跳ねた。
「……オーウェン、私をあなたのものにして」
「……ヘーゼル、愛してる」
私に触れるオーウェンの指先が震えている。
私だって、初めてのことで少し怖い。
「優しくしたいのに、すぐにでも俺だけのものに、してしまいたい」
戸惑った様子をみせるから私は言った。
「オーウェン、愛してる。あなたにしか触れられたくない……だから、好きにしていいの」
オーウェンが息を呑んで、私をじっと見つめた。
「……ヘーゼル、これからも護るから……幸せになろう」
そっと重なった唇は、柔らかく、次第にお互いの熱を高めてどこまでが自分なのかわからなくなる。
「オーウェン……っ」
苦しくて、でも甘くて彼にしがみついた。
私の両頬をそっと包み、優しく拘束されているみたい。
口内に忍び込んだオーウェンの舌が、探りながら私の官能を引き出した。
「かわいい、愛してる」
見たことのない、欲を浮かべた表情に目を見開いた。
私の心臓は止まってしまうかもしれない。
こんな、オーウェンの様子は見たことがなくて、どうしたらいいかわからなくてまごついてしまう。
「怖がらないで」
「……怖くはないの。でも、オーウェンが、いつもと違うから……」
泣きたいわけじゃないのに、ほろりと涙が流れた。
私の頬を撫でて涙を拭き取る。
それから目元に寄せられた唇は温かく、柔らかい吐息がかかった。
「ごめん、好きな子に触れることができて嬉しいし、ヘーゼルが可愛くてたまらなくて……止まれないんだ」
私のまぶたに口づけを落とし、涙の跡を追うように舌を這わせる。
やっぱりいつもと違うと感じてしまう。
でも、どきどきするけど嫌じゃない。
私の心臓がぎゅっとつかまれたみたいに感じるけれど。
「いいよ……オーウェンにされることは、全部、嬉しい。……オーウェンになら、どんなことをされてもいい」
彼は一瞬目を閉じた後、私をきつく抱きしめた。
「……ヘーゼル、煽らないで、ほしい」
そんなつもりは全くなかったけれど、私の耳元で苦しげに息を吐く。
「オーウェン、ごめんね?」
「……うん。そんな、ところも愛しているから」
それから、顔を上げて何度か唇を啄み、私の寝衣に手をかけた。
暗闇の中だから、それほど見えないけれど私達は照れながら素肌を重ねると心音も重なって。
幸せで気持ちも満たされて小さく息を吐いた。
こうすることがとても自然なことに感じてほんの少しだけ余裕が生まれた。
「オーウェン、大好き」
恥ずかしいけど近づきたくて、隙間がないくらいきつく抱きつく。
すると、吐息も全て飲み込まれるような口づけを受けた。
お互い探りながらのぎこちない行為に、身体がどんどん熱くなる。
好きな人に触れるのも、触れられるのもとっても幸せで、何も考えられなくなっていく。
ふくらみを撫で、先端を吸われると、お腹の中がむずむずした。
脚も閉じたいのに、オーウェンの身体に阻まれてどうすることもできない。
そして、彼の手が私の脚のつけ根に伸びた。
「ん……っ」
誰にも見せたことがないのに、恥ずかしいのにオーウェンが私の身体を暴いていく。
「オー、ウェン……ん、あ……っ」
口から飛び出すのは、オーウェンの名前と、意味のない声で、恥ずかしいのに抑えることができない。
目の前が白み、私の身体ががくがくと震えた。
ぼんやりした頭のまま、彼を見上げると、嬉しそうに笑みを浮かべている。
それがどういうことか、よくわからなかったけれど力の抜けた私はぼんやり彼を見つめた。
「ヘーゼル、愛している」
私の膝の裏に手をかけ、彼が私の中に慎重に押し入る。
あまりの衝撃に声が出ない。
ぎゅっと彼に掴まった。
オーウェンが私の手に指を絡めて握る。
痛みはある。苦しい。
けれど、ひとつになるということはこんなにも満たされることだと、それを教えてくれたのは、彼なのだと思うと胸がいっぱいになる。
つないだ手に、ぎゅっと力がこめられる。
「好きだ」
オーウェンの気持ちのこもった口づけが、何度も与えられた。
言葉でも態度でも、彼はまっすぐ好きだと伝えてくれるから、私も同じように応える。
「好き」
彼が愛しくてたまらない。
私だけの愛しい人。
生きてきて今が一番幸せなのかもしれない。
オーウェンにこちらからも口づけて愛を伝える。
「ヘーゼル、愛してる……絶対に離さない」
「……私もあなただけを、愛してる」
再び唇が重なり、お互いの熱を分け合うことに夢中になった。
「動いて、いい?」
痛みがなくなったわけではないけれど、労りのこもった眼差しに私は頷いた。
彼が私の中にいる、そのことが私の胸をときめかせてわずかに身体も緩ませる。
穏やかな律動は次第に激しくなって、私は翻弄されていって。
「あっ……、オーウェンっ……!」
「ヘーゼルっ……」
オーウェンが私を抱きしめ、奥深くに子種を与えてくれた。
じんわりと温かさを感じて、彼の子が欲しいと願う。
互いの息が整うまで、そのままでいたけれど、オーウェンがゆっくり身体を引いた。
「ん……っ」
「ヘーゼル?」
むくむくと大きくなった彼自身が再度私を穿つ。
「……っ、オーウェン……っ」
「ごめん。……もう一度だけ」
二人で迎えた朝は幸せなのに気恥ずかしい。
「おはよう……夢じゃないんだね」
私の言葉に頷いてそっと抱きしめてくれる。
ほっと息をつくと、
「夢じゃないよ。愛してる……」
「私だって……愛してる」
しばらく二人で抱き合って、時折唇を合わせたけれどオーウェンが侍女を呼んで湯浴みの準備を頼んだ。
二人で湯に浸かるのも、なぜか自然に思えて私は向かい合った彼に身を預けた。
「……身体、大丈夫?」
「うん……平気だよ」
そんなことを訊かれて顔を赤くなり、彼の肩に頭を乗せた。
「ヘーゼル、可愛い……」
オーウェンの吐息が耳にかかってくすぐったい。
「オーウェン、のぼせそう……」
そのまま彼が私を抱き上げて、大きな布に包む。
部屋に戻ると、侍女が朝食の準備をして退出した後だった。
寝台も綺麗に整っている。
私は彼と顔を見合わせた。
「恥ずかしいわ……」
「また、乱してしまうのにね」
「オーウェン!」
赤くなる私に声をあげて笑い、口づけを落とす。
「何か着て、食事にしよう」
オーウェンが丁寧に私の髪の水分を拭き取ってくれて、素肌にガウンを羽織る。
心許ないけれど、二人きりだから今日くらい行儀を気にせずに寛ぐことにした。
今は隣にぴったり寄り添って、お互いの体温を感じながら食事をとる。
誰も見てないから、とオーウェンが私に食べさせようとするから。
「私、子どもじゃないのよ?」
「そんなの、わかってる。……甘やかしたいんだ」
「……オーウェン、恥ずかしい」
「これくらいで?」
昨夜は寝台の上で長くオーウェンと触れ合ったことを仄めかされて、顔が熱くなる。
「本当は膝の上に乗せたかったけど、食事ができなくなると思ってやめたんだ」
それはさすがに恥ずかしくて食べ物が喉を通らないと思う。
「……きっと、すぐ寝台に戻りたくなりそうで」
オーウェンの言葉にますます熱くなって、顔を上げることができない。
「オーウェンって……オーウェンって……」
彼が私の顎に指をかける。
「可愛くて大好きな妻と触れ合っていたいんだ……男って、みんなそうだと思う」
そう言って唇を重ねた。
恥ずかしいけど、胸がいっぱいになる。
「……私、本当に幸せ」
「俺も幸せだよ」
彼の首に腕を回すと、彼も私を包み込むように抱きしめたかと思うと、軽々と膝に乗せた。
「オーウェン……っ!」
「今だけ、こうさせて」
笑みを含んだ声が耳元に届く。
私は力を抜いて彼に身を預けた。
彼は約束どおりいつまでも私を守ってくれ、私も彼を愛する気持ちが変わることはなかった。
私達はそうして年を重ね、新しい家族と共に幸せに暮らした。
終
******
お読みいただきありがとうございました。
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