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別のお話
ずっと手をつないでいて sweet version ④ おまけ[R18改稿版]
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* ちょっと蛇足かなと思いつつあげました。短いです。
******
side オーウェン
小さくてかわいい俺のお姫様ヘーゼル。
一度も切ったことのない髪は柔らかくて、お日様の匂いがするのはきっと庭に出ることが多いからだろう。
最低限の侍女しか周りに置きたがらない側妃様……ヘーゼルの母上の方針で通いの侍女が一通りの仕事をしたらさっと戻ってしまう。
そういうわけで日焼けをするから部屋に入るよう注意するものは、あまりいない。
もしかしたら、そういったことも俺の役目なのかもしれないけれど。
離宮での二人の暮らしは、王宮でキラキラした姿の王女様たちとは全然違ってひっそりとしている。
けれど、つんのすました王女様たちの気取った微笑みより、ヘーゼルはたくさん笑顔を見せてくれるし、のびのびと過ごしているからこの生活のほうが合っているのだと思う。
「オーウェン、大好き」
真っ直ぐに向けられる愛情に俺の心はいつも暖かく、それから熱くなる。
自分だけのお姫様にしたいと、ずっとずっと思っていたけれど、父親からは護衛騎士になるのだから立場を絶対に忘れるなと何度も何度も言われた。
大好きな人が誰かと結婚して、それを見守ることになるのは胸が痛くてつらい、と思う。
もしも侯爵家の長男だったら、遠慮なく結婚を申し込めたんだろうな。
それでも諦めきれなくて、俺には騎士として身を立てるしかないと空き時間は練習に励んだ。
「オーウェン、お前が守っているヘーゼル様との縁組の話があるが受けるだろう?」
俺が十四歳になる前に父上に呼び出された。
「……はい、お受けします。……ですが、どうして……?」
願っていたことではあるし、父上に何か方法はないかと相談したこともあったけどいい返事はもらえなかったから、思いがけずすんなりと進んで驚く。
「ヘーゼル様からの願いと、陛下が生前に側妃様と約束されたからだよ。……これから話すことはこの部屋を出たら心の中にしまっておくように。いいか?」
父上が話されたことは、ヘーゼルの母君は行儀見習いとして王宮に上がっていたのだけど、あまりの美しさに陛下が手をつけてしまったこと。
ここまでは有名な話だから俺でも知っていた。
そのまま身籠られたため、側妃になられたけれど本当は幼い頃から婚約者もいたそうだ。
だから、娘には本当に好きな人と結婚させてほしいと、最期の約束をしたという。
「……よかったな。姫様を貰い受けるのだから、これからも精進しなさい」
幼い頃から一緒にいた俺のお姫様は俺の最愛の妻になる。
これからもずっと隣で笑ってもらえるよう、彼女を護り愛していくと強く心に誓った。
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side オーウェン
小さくてかわいい俺のお姫様ヘーゼル。
一度も切ったことのない髪は柔らかくて、お日様の匂いがするのはきっと庭に出ることが多いからだろう。
最低限の侍女しか周りに置きたがらない側妃様……ヘーゼルの母上の方針で通いの侍女が一通りの仕事をしたらさっと戻ってしまう。
そういうわけで日焼けをするから部屋に入るよう注意するものは、あまりいない。
もしかしたら、そういったことも俺の役目なのかもしれないけれど。
離宮での二人の暮らしは、王宮でキラキラした姿の王女様たちとは全然違ってひっそりとしている。
けれど、つんのすました王女様たちの気取った微笑みより、ヘーゼルはたくさん笑顔を見せてくれるし、のびのびと過ごしているからこの生活のほうが合っているのだと思う。
「オーウェン、大好き」
真っ直ぐに向けられる愛情に俺の心はいつも暖かく、それから熱くなる。
自分だけのお姫様にしたいと、ずっとずっと思っていたけれど、父親からは護衛騎士になるのだから立場を絶対に忘れるなと何度も何度も言われた。
大好きな人が誰かと結婚して、それを見守ることになるのは胸が痛くてつらい、と思う。
もしも侯爵家の長男だったら、遠慮なく結婚を申し込めたんだろうな。
それでも諦めきれなくて、俺には騎士として身を立てるしかないと空き時間は練習に励んだ。
「オーウェン、お前が守っているヘーゼル様との縁組の話があるが受けるだろう?」
俺が十四歳になる前に父上に呼び出された。
「……はい、お受けします。……ですが、どうして……?」
願っていたことではあるし、父上に何か方法はないかと相談したこともあったけどいい返事はもらえなかったから、思いがけずすんなりと進んで驚く。
「ヘーゼル様からの願いと、陛下が生前に側妃様と約束されたからだよ。……これから話すことはこの部屋を出たら心の中にしまっておくように。いいか?」
父上が話されたことは、ヘーゼルの母君は行儀見習いとして王宮に上がっていたのだけど、あまりの美しさに陛下が手をつけてしまったこと。
ここまでは有名な話だから俺でも知っていた。
そのまま身籠られたため、側妃になられたけれど本当は幼い頃から婚約者もいたそうだ。
だから、娘には本当に好きな人と結婚させてほしいと、最期の約束をしたという。
「……よかったな。姫様を貰い受けるのだから、これからも精進しなさい」
幼い頃から一緒にいた俺のお姫様は俺の最愛の妻になる。
これからもずっと隣で笑ってもらえるよう、彼女を護り愛していくと強く心に誓った。
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本日より、こちらの世界も、楽しませていただきます。
本日は、3まで拝読しました。
ラスト……。確かに、まずい、ですよね……。
このような状況になって、これからどうなさるのか(何が起きるのか)。そちらは明日、確認をさせていただきます……!
ゆずさま、お忙しい中お越し下さって嬉しいです!
╰(*´︶`*)╯♡
このヒーローはヤンデレさんだったような……私も読み返すことにしまーす♫
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柚木ゆずさま、コメントありがとうございました🤗
甘くて可愛くて最高です💖
きゅうんとしました🌸✨🌸
ただ甘いお話って難しい💦
週末に読めて幸せでした(///ω///)♪
甘いと感じてもらえて嬉しいです〜💖
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