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夫婦編
6 どこにでもある
しおりを挟む十五センチヒールを履いて臨んだ南の国のダンスパーティー。
本当におおらかな王族で、これなら私がダンス中靴を飛ばしても笑ってくれそう。
もちろんそんなつもりないけど。
豪勢な食事を満喫しながらみんなが踊るのを見ていたけれど、ジェリーに誘われて一曲だけ踊ろうと立ち上がった。
せっかくドレス着たし。
南の国仕様でコルセットとかないし、さらっとすとんとしたドレスだから簡単に着ることができた。
ジェリーが周りをうろちょろして補助してくれたけど。
肩を貸してもらうとか。
袖を通す時ドレスを持ってくれるとか。
満足そうにしてたから、まぁ、いいけど。
「ジェリー、よろしくね」
歩き出したところでとんでもない場面に出くわした。
「貴様とは婚約破棄だ!」
あー、はい。
また、アレね。
「俺の恋人をこそこそと裏でいじめるような女と結婚なんてできない! 国母になるのは恋人ただ一人だ!」
「……まさか⁉︎」
「ごめんなさい……わたくし、彼の子を身篭っています……」
南の国の言葉はジェリーもわかってる。
日本語の方言くらいの感じみたい。
「クミン、ここを抜けようか……」
小声で伝えてくるけれど。
もうちょっと観たいよ?
だって、大王が怖い顔しているから、何か起こる‼︎
「……息子よ……。お前の素行が改善するのを待っていたが、ここまでのようだな。婚約解消としよう」
大王はそういうと、王子の元婚約者をじっとみた。
「……そして、今まで愚息をなんとか正しい道へと導こうとよく耐えてくれた。すまない。……これからのことだが、できれば第二王子の婚約者に」
なんかイケメンの王子が颯爽とやって来た。
「父上、それは私から言わせてください。どうか、私の妻になっていただけませんか?……あなたのことがずっと前から好きです! 年下ですが、あなたのことはちゃんと守りますから!」
「あの……でも……」
戸惑う彼女の手をとって訴える王子。
勝率あるんじゃないの、これ?
「今はまだ弟としか見れないかもしれません。でも、あなたに認められたい。私はあなただけいればいい! どうか、私と結婚してください」
「……はい、私でよければ」
やった!
なんかいいもん見た気がする!
「ふむ、それでは二人の結婚を認めよう。……それと、第一王子には観光大使として北の国に向かってもらう。結婚してから向かうといいだろう」
「父上⁉︎ それは……」
「……しばらく頭を冷やし、北の国で我が国の魅力を伝えてみせよ。どのようなことができたか成果を見せることが戻ってくる条件だ」
「わかりました!」
何をするかもあいまいだし、妊婦さん連れての北の国での観光大使ってしばらく戻って来れないんじゃないかな?
やっぱり第一王子ってあほかも。
聞きたいことがいっぱいだから、ジェリーと静かにその場を離れることにした。
「ジェリー、さっきの第一王子って、戻って来れるの?」
「いや、多分、いない間に第二王子が王太子となってあの女人と結婚するのではないかな」
そうだよね、まぁ、そうかなって思った!
いわゆるざまぁかな。
「あの王子は知らぬようだが、北の国は閉鎖的な国だし、このような騒ぎを起こしたことは伝わるだろうから受け入れられるのは難しいだろうな」
「ジェリーも行ったことがあるの?」
「うむ。あまり居心地のいい国ではないな……しばらくは行かなくていいと思うぞ。……きな臭い匂いがする。内乱の噂があるのだ」
うわー。
そんなところに行くって悲惨。
「クミンは心配しなくてよい。……皇帝もそのような理由があってオレたちに南方面へ向かわせたのだろう」
そっか、少しは父としての愛情があるのかな。
そうであってほしい。
思わず、ジェリーに抱きついた。
「どうしたのだ? 怖がらせたのなら、すまない。クミンのことは命にかえても守るから心配しなくていいぞ」
「命は大事にして。ジェリーのこと、あ、愛してるんだから!」
「うむ、オレも好きだ、愛してる。クミンはいつだってかわいい。かわいいな」
本当に大好き。
ジェリーと結婚できて良かった!
「ジェリー、あっち、いこ?」
今さらだけど、自分から誘うのが恥ずかしい。
そりゃね、おちんちん様とか言ってるけども!
「うむ、クミンのことを感じたい」
「うん、私も♡」
ジェリーにたて抱っこで寝室に連れて行かれる。
「クミン、このドレス、脱がせるのを……ずっっと、楽しみにしていた」
「……ウン」
ジェリーの荒い息が首筋にかかってくすぐったい。
体をすくめる私の耳たぶをパクリと食んで、にゅるりと舌を差し込んだ。
「んん♡ ジェリー♡♡ 唇に、キスしたい♡」
「かわいいな……んっ、好きだ」
お互い向かい合って唇を合わせていると、なんでこんなに幸せなんだろうって思う!
「ジェリー♡♡♡ んっ♡ はやく♡ したい♡♡」
「くっ……しかし、まだ、オレの選んだドレスを、脱がせるという……夢がっ……」
葛藤するジェリーのおちんちん様を服の上からぎゅっと握る。
「んぐっ……! クミンっ……待っ……」
「ドレスはいつだって、何度だって、ジェリーのために着るから♡」
同じ理論で、私達は夫婦だしいつだって、何度だってできるんだけどね。
「また、このドレスを着てくれ! 今は、クミンを感じたい」
やった!
ノってくれた‼︎
ジェリー大好き!
「うん♡ ジェリーのおちんちん様を、私にちょうだい♡♡」
「……っ! クミンはっ、小悪魔だな……たまらないっ‼︎」
ドレスをまくり上げてスポンと脱がす。
どこにも引っかからず脱げちゃうのが悲しいけど、そんな私を見てジェリーが息を荒くしているから、まぁ、いいか。
「かわいいっ……きれいだ……。生まれたままの姿が、一番美しい」
全身に舌と手を這わせて私を煽る。
「ジェリー♡ もぉ♡ いいからぁ♡♡ お願いっ♡」
「もっと、たっぷり可愛がりたいのに……。クミンの、誘惑に勝てないっ……」
ぽろりと飛び出したおちんちん様が震えている。
ジェリーだってすごく我慢してる。
「ジェリーが♡ ナカに♡ 入るほうがいい♡♡」
「く、クミン……!」
「だって♡ 気持ちいいって♡ 教えてくれたの♡ ジェリーだから♡♡」
いきなり、じゅぷんと貫かれた。
「あぁっっ♡♡」
「クミン、煽りすぎだっ」
「だって♡ ジェリーが♡ 焦らすからぁ♡あっ♡ んんっ♡♡」
ジェリーが私の脚を抱えてじゅぷじゅぷと音を立てながら大きく腰を振る。
ぽたぽたと私の身体にジェリーの汗が落ちるのも、愛しくて。
「いい♡好き♡ジェリー♡♡あっ♡もっと♡あっ♡それ♡好き♡♡ジェリ♡ああーーっっ♡♡♡」
「……っ‼︎ く!」
私のナカで吐精してぎゅっと抱きしめてくれる。
「クミン……愛してる」
「うん、私も愛してる」
なめらかに言えるようになった!
これだけ大事にされたら応えたくなるよ?
私からもぎゅっと抱きついて、ジェリーの唇にちゅって軽いキスをした。
******
お読みくださりありがとうございます。
とりあえず、ここまでで一旦完結にしようと思います。
(気が向いたら違う国へ旅立つかもしれません)
おつきあいいただき本当にありがとうございました!
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