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web会議は慎重に 北

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* 完結して早々の更新、何しているんだという話ですが……。
  うずうずして書いてしまいました。







******


「今日、うちの課は十一時から会議だから」
「じゃあ、その時間は寝室で仕事してます」

 自宅での仕事がメインとなっている今日この頃。
 森村の家はWi-Fi環境がないというから、平日は毎日うちで仕事して、土日はうちでゆっくりしている。

 当たり前のように一緒に過ごしていて、違和感もない。
 なんだろう、この感じ。

 つき合っていることを公にしてすぐに、部署にもよるけど出社は週に一日と変わったから噂になったり騒がれることもなくて助かったと思う。

「北さん、コーヒーどうぞ」
「ありがとう」

 仕事中に淹れたてのコーヒーが飲めるとか。
 うん、仕事がはかどる。
 嬉しくて全開の笑顔で森村を見上げた。

「……なんか、僕幸せなんですけど。……ずっとこの業務形態でいてほしいです……」

 いきなり後ろから抱きつかれて、コーヒーがこぼれそうになる。

「森村、危ない!」
「あ、すみません! 思わず、愛が溢れちゃって……」
「……いや、大丈夫、だから。……ほら、仕事戻って」

 この後会議があってよかった。
 この間も今みたいに同じようなことがあって、そのままなぜか休憩を取るハメになったから。

 ずっと一緒にいるんだから、もっと落ち着いてもいいと思うんだけど、彼の愛情の器は普通より大きくていっぱい愛を注いであげないとすぐ減ってなくなってしまうらしい。

 きっと、でかい穴が開いているんだ。
 その穴は埋まる日がくるのか、わからないけど。

「じゃあ、仕事頑張るんで、キスだけして下さい」

 ふぅ、っとため息をついてチュッと派手に音を立てて口づけた。

「……足りないです。それと……ため息つかれるとなんだか寂しいですね……」

 仕方ない。
 彼の後頭部を引き寄せて、舌を絡めるキスをする。
 
「き、たさんっ……!」

 ぎゅっと抱きしめられて、主導権を奪われるとこっちが食べられているようなそんな気分になる。

「ん……、待って。……この後、zoooomが……」
「……わかって、ます……!……キス、だけ……です、から……」

 完全に前戯のキスで。

「もり、むらぁ。……これ、だめっ……」

 森村の胸を押してなんとか、身を剥がそうとする。
 彼が荒い息を吐きながら、ようやく唇を剥がし、力いっぱい抱きしめた。

「はぁ、はぁ、はぁ……北さん、会議体調不良で……」
「休まないって。三十分程度だろ?……そのくらい我慢しろよ」
「……わかりました、昼ごはん簡単につまめるもの用意しておきます」
「…………」

 あれ、おかしいな。
 いつの間にか、会議の後のランチタイムにそういうことするみたいな流れになってるけど?
 それでいっか、って思っている自分もいたりしておかしい。
 会議で時間取られる分、やらなきゃいけないことが増えるのに。

「森村も、仕事早く終わらせなよ?」

 そんな風に声をかける自分がいて。
 森村のこと、呆れるくらい甘やかしてるなと思う。
 でも森村も負けないくらい私を甘やかすからお互い様なのかな。

「はい、もちろんです! サンドイッチにしちゃいますね」

 食欲なくなりますからね、なんておかしなことを呟くから、そこはツッコまずにお礼だけ言った。








「ーー以上で終わります。他に連絡事項等、ありますか?……なければ、このまま……」

 課長の顔を大画面で見ながら、今回も問題なく終わりそうだと思っていたら。

「北、うしろ……」
「はい?……どうしました?」

 振り向くが画面外に森村がいるだけで。

「……いや、なんでもない。ではこれで終わりましょう。みんな、協力ありがとう……退出してください」

 数秒あけてから、退出して後ろを振り返った。

「森村、ずっとそこにいた?」
「はい、いえ……うっかり、通りかかって引き返しました」
「あぁ、そう」

 じっとみつめる。
 課長の反応から考えて多分画面に映ったのかも?
 うっかり?
 わざと通った?
 背景、宇宙にでもしておけばよかったかな。
 
「森村?」
「……すみません!……僕、ちゃんと彼氏認定してほしいんです!」
「……会議中じゃなくてもいいんじゃない?」
「…………ごめんなさい。……北さん、愛してます」

 いや、そうじゃなくてね?
 許してしまいたくなるんだけど?

「次はないからね?」

 ぱあぁっと顔が明るくなって、私を抱きしめる。
 
 あぁ、ほんと駄犬だわ。かわいいけど。

 何度も唇をついばんで、大好きだと伝えてくる彼が愛おしくて。

「……ベッド、行く?」
「いいんですか‼︎ もちろん、今すぐ」

 抱き上げられてぽすんとベッドに落とされる。

「ね? 森村さぁ、この家に引っ越してくる?」
「…………はい」
「え?……なんで泣くの?」
「嬉しくて……北さんに一歩近づけたなって……」
「……これくらいで泣いてたら、この先どうなるんだよ」
「……先も考えてくれるんですね……もしかして僕、今、夢見てるんでしょうか?」

 まったく。
 
「森村、好きだよ。……なんで泣き顔もきれいなんだよ」

 ぺろりと涙を舐めとる。
 
「しょっぱい……もう……しかたないなぁ」

 森村のTシャツを脱がせて、スウェットを下着ごと下げる。
 こんな時でも元気なんだから、微笑ましい。
 ベッドサイドからゴムを取り、抱きついてくる彼を仰向けに倒して装着した。

「きた、さん……だいすき、です」
「わかってる」

 服を脱いで彼をまたぎ、剛直を握った。
 
「ほら。元気出して!」

 グッと体を落として一気に受け入れる。

「……っ、気持ち、いい、です……」
「……んっ、私も……」

 ゆっくり腰を上げて、また飲み込む。
 何度か繰り返しているうちに、自分の欲も上がっていく。

「もり、むら、いい、よぉ……すごく……」

 濡れた音が室内に響き、身体を倒して口づけする。  
 すると、腰をガッチリと掴み、下からがつがつと突き上げた。

「ぁあっ!……んっ、待って!……昼間だからぁぁっ……‼︎」
「わかり、ました!……大人しく、しますっ……!」

 尻を掴み、奥に押しつけるように動く。

「あっ、やっ……!」
「……こう言うのも、好きなんですね……わかりました」

 今までになく強弱をつけられて、声を抑えるのがつらい。
 涙目で森村を見下ろすと、赤い目に見つめられた。

「愛してます」

 あ、なんか……胸がいっぱいかも。

 口づけしながら突き上げられて、あっさり達した後、追いかけるように森村が果てた。
 それからお互いの息が落ち着くまで、抱きしめ合う。
 本当は抜いた方がいいのはわかっているけど、まだ硬い。

「次の土曜日、荷物まとめるの手伝うよ……その間に解約の手続きしてきたら?」

 再び感極まった森村に、しかたないなぁって笑ってキスを落とした。


 
 





******


 お読みいただきありがとうございます。

 北のリモート会議中に、森村が通りかかって、社内騒然みたいなのが書きたかったのです……半分書けてませんが笑。
 この二人は日常話が書きやすいです。
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