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おぼろげな記憶
家賃1万円のぼろアパートだっとけど人生でこの時が一番楽しかったな
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♪遠く、遠く、離れていても…
二つ折りのケータイがブーブーなりながらこんな歌詞を口ずさみたくなるようなメロディーが流れてくる。ファミコンみたいな安っちい音。それこそガラケーの音だよね。今考えると。
枕元にあるブラックライトで光る時計が不気味に11時を指す。4歳だった私は夜中に起きてしまった恐怖でなかなか寝られなくなってしまって母を起こした。
「まま…こわいよ、おばけ出たらどうしよう」
「なに、大丈夫、大丈夫よ恵梨花。逆に寝ないと、よふかしおばけが出るよ」
「やだ…」
寝なきゃダメだ寝なきゃダメだ寝なきゃダメだ
エヴァンゲ●オンの主人公並みに追い込まれた4歳児の私は寝付けるはずもなく、隣でいびきをかいてる母の代わりに父を起こした。
「ぱぱ…よふかしおばけ、こわいよ」
なかなか起きない。すごいいびきだ。怪獣みたい。頭をバシバシ叩きながら4歳児は言う。
「ぱぱ、ぱぱ、ぱぱぁ~」
「うぅーん…おぉ~なんだ…」
あ、やっと起きた、ぱぱ!
「どした、寝れないのか恵梨花」
「うん…寝ないとよふかしおばけでるってママが」
ハハ、と少しパパは笑った。
「恵梨花、いいか、シーーー」
パパは口の前に人差し指を立てて言った。
私も真似して指を立てる。
「しーーー…」
「シーーー…ずかちゃん」
「…んふふ」
私はちょっとだけ笑った。
「恵梨花恵梨花、シーーー」
パパはもう一度指を立てる。私もまた真似をする。
「しー…」
「シーーー…り」
「ぎゃはは」
私の頭の中には桃のようなお尻が浮かんでいた。静かにしなきゃいけない環境から唐突に出てきた「尻」という単語は4歳児の面白スイッチを入れた。
「んふふふ、ぎゃはは」
「おい恵梨花恵梨花!シーーー」
「あはは、ふふふふ」
「シーーー…り」
「ぎゃはは」
「おいそんな笑ったらママ起きちゃうだろ!シーーー」
「ぎゃはは」
そんな大爆笑をしてもママは起きない。一通り笑って気が済んだ私は、段々とまどろみの中へ。パパは寝付くまで頭を撫でててくれたっけ。そんな気がする。
ここは家賃1万円のぼろアパート。集合団地の中に建てられた、駅からも遠いアパート。もちろんエレベーターなんて無く。私と妹と両親は5階に住んでいた。夏は暑くて冬は寒い。そりゃそうだ。だって、一万円だもん。
最初はお風呂も付いていなかったらしい。すごく汚くて、ぼろかった。たぶんね。おぼろげな記憶の中で思い出せる。でもその頃が一番キラキラしてたのは、今住んでるシルバニ●ファミリーに出てきそうな綺麗な一軒家に住むよりも、パパとママと、私と妹が、家族が仲良しだったからなんだろう。
二つ折りのケータイがブーブーなりながらこんな歌詞を口ずさみたくなるようなメロディーが流れてくる。ファミコンみたいな安っちい音。それこそガラケーの音だよね。今考えると。
枕元にあるブラックライトで光る時計が不気味に11時を指す。4歳だった私は夜中に起きてしまった恐怖でなかなか寝られなくなってしまって母を起こした。
「まま…こわいよ、おばけ出たらどうしよう」
「なに、大丈夫、大丈夫よ恵梨花。逆に寝ないと、よふかしおばけが出るよ」
「やだ…」
寝なきゃダメだ寝なきゃダメだ寝なきゃダメだ
エヴァンゲ●オンの主人公並みに追い込まれた4歳児の私は寝付けるはずもなく、隣でいびきをかいてる母の代わりに父を起こした。
「ぱぱ…よふかしおばけ、こわいよ」
なかなか起きない。すごいいびきだ。怪獣みたい。頭をバシバシ叩きながら4歳児は言う。
「ぱぱ、ぱぱ、ぱぱぁ~」
「うぅーん…おぉ~なんだ…」
あ、やっと起きた、ぱぱ!
「どした、寝れないのか恵梨花」
「うん…寝ないとよふかしおばけでるってママが」
ハハ、と少しパパは笑った。
「恵梨花、いいか、シーーー」
パパは口の前に人差し指を立てて言った。
私も真似して指を立てる。
「しーーー…」
「シーーー…ずかちゃん」
「…んふふ」
私はちょっとだけ笑った。
「恵梨花恵梨花、シーーー」
パパはもう一度指を立てる。私もまた真似をする。
「しー…」
「シーーー…り」
「ぎゃはは」
私の頭の中には桃のようなお尻が浮かんでいた。静かにしなきゃいけない環境から唐突に出てきた「尻」という単語は4歳児の面白スイッチを入れた。
「んふふふ、ぎゃはは」
「おい恵梨花恵梨花!シーーー」
「あはは、ふふふふ」
「シーーー…り」
「ぎゃはは」
「おいそんな笑ったらママ起きちゃうだろ!シーーー」
「ぎゃはは」
そんな大爆笑をしてもママは起きない。一通り笑って気が済んだ私は、段々とまどろみの中へ。パパは寝付くまで頭を撫でててくれたっけ。そんな気がする。
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