3 / 5
魔女は酷く甘い果実を欲する。
2
しおりを挟む
ー私と彼の関係に名前はない。
だって、私は魔女なのだから。
*******
ヴィオライドが家に来てから数時間。
「・・・っ、」
仕事を早く進めないといけない私はせっせと手をうごかす。
ービクッ
「んっ」
薬草を潰して、混ぜて。
これまで失敗は1度もない。でも、これから失敗しそうで仕方ない気持ちで作業をする。
真剣にしないといけないのに、拒めないせいで今も体をくすぐるそれに翻弄される。
声が出てしまって仕方が無い。
「あっ、、」
・・っ、、
「ヴィオっ!仕事の邪魔をしないでっ、、」
私がこらえきれず、そう言うと
「邪魔にはなってないでしょ?それに、」
「・・、、!」
(耳っ舐められてる!!)
多分、私の顔はもう真っ赤に染まってるのだろう。
「フッ、、可愛い。。」
性懲りもなく耳元でそう囁く彼の顔は背中側にあるせいで私からは見えない。
でも、おそらく彼は今
「ねぇ、早く終わらせてよ。」
そうしないと
ーいたずら、ひどくなっちゃうかも、、
「・・なぁ?」
フッと風が首元にかかる。
ー絶対、楽しそうに微笑んでいるのだろう。
あの綺麗な顔で、妖艶に、美麗に。
けして今その顔を見てはいけない。
そのことをわかっているの。
なのに、、
「まだ、終わってないのに、、」
かまってほしそうな彼。
子犬というような感じではないし、ただただ甘すぎるだけの彼。
(あぁ、、今日は徹夜かなぁ)
「ーソニア...?」
「ー少しだけ、、だからね?」
「っ、ーあぁ。わかった。」
本当に嬉しそうな笑顔を浮かべる彼。
まったく、、
ー彼が来る時間は仕事ができない。
今に始まったことではないから、もう諦めることにしよう。
彼の相手ができないと思ったことが間違いだったのだ。
「ソニア。今日はのんびりしよう。」
(いつもしてるじゃない、、)
「じゃあ、失礼してっと」
彼は抱きついていた私をはなし、私を近くのソファに座らせる。
この時、お姫様抱っこで運ばれるのは諦めた。
「はいはい。」
私の膝の上に頭をのせ、ソファに寝転がるヴィオライド。
その長い足がソファからはみ出ているが仕方の無いことだと諦める。
「ソニア。」
突然名前を呼んだかと思えば、彼は私の頭を引き寄せて、
「・・っん、。」
ー一瞬、息が止まったように感じた。
いつもしてるのに、いつまでもそれになれない私。
私と彼のこの行為は、なんの意味もないただの挨拶。
そうわかっているけれど、それでも無理なのだ。
「・・ソニア。おやすみ。」
彼は私の髪をサラリと撫でると瞼を閉じる。
サラサラとした彼の髪を撫でながら寝ている彼の寝息をききながら時間が立つうちに私も寝ている。
それが、いつもの私たちの日常。
彼は甘えん坊だ。
昔からうちに来ては私のそばにくっつきたがる。
彼に会いに行く事はできない私に彼はいつも会いにきてくれる。
ーいつまでもこの生活が続くことを願いたいと思う反面、そんなのできるわけないとわかる頭と心の差が私を苦しめる。
だから、私は彼を拒めない。
ー彼と私は恋人ではない。
しかし、友達ともいう事もできない。
それは、彼が彼で、彼であるからだ。
昔から、私達はよく一緒にいた。
彼が毎日のように私に会いに来ていたからだ。
今こそ昔のようには行かないけれど、週に3回は必ず会いに来てくれる。
私は彼に会いに行く事はできないから。
この生活がいつまで続くかは、神しか知らない。
いつか終わることをわかっている。
長く続いて欲しいと思う。
だからこそ、この離れるかもしれない苦しみから早く開放されたくて、その日がすぐに来て欲しいとすら思ってしまうほどに。
私は彼のそばにいたい。
まぁ、彼の行動は甘すぎて、恥ずかしいからいつもつい言葉では反発しちゃうんだけど。
私はいつも思うのだ。
「ねぇ、ヴィオ。私たち、いつまで一緒にいれるんだろうね?」
聞こえるのは、彼の気持ちよさそうな寝息。
この家は森のなかにひっそりと隠れてある屋敷だ。
私は魔女。薬や毒の扱いに長けたもの。
時々くる街からの依頼を受けて、こなして、生活している。
貧乏ではないが、裕福でもなく。
彼が本当ならいていい空間でなんて、けしてないのだ。
「、、」
部屋には彼が土産に持ってきてくれた香炉の香りが漂っている。
(あぁ、、なんだろう。)
すごく、眠い。寝てないからだろうか。
ーどうせだ。少し、眠ることにしようかな。
どうせ彼が起きるまでは仕事もできないのだし。
そうして瞼を閉じる。
彼の顔を見ながら目を閉じる。
こうすれば最後に目に写るのは彼の顔。
(今日は、いい夢、見れそう、、か、な、、)
つい、笑みがもれる。
そして私は、次第に眠りの世界へと落ちていった。
ー私と彼の関係に名前はない。
だって。
彼は、王子様なのだから。
*******
魔女は欲した。
すぐ近くにあるように見えるそれを本気で欲しいと願った。
それが、決して手に入る事はないとわかっていながら。
だって、私は魔女なのだから。
*******
ヴィオライドが家に来てから数時間。
「・・・っ、」
仕事を早く進めないといけない私はせっせと手をうごかす。
ービクッ
「んっ」
薬草を潰して、混ぜて。
これまで失敗は1度もない。でも、これから失敗しそうで仕方ない気持ちで作業をする。
真剣にしないといけないのに、拒めないせいで今も体をくすぐるそれに翻弄される。
声が出てしまって仕方が無い。
「あっ、、」
・・っ、、
「ヴィオっ!仕事の邪魔をしないでっ、、」
私がこらえきれず、そう言うと
「邪魔にはなってないでしょ?それに、」
「・・、、!」
(耳っ舐められてる!!)
多分、私の顔はもう真っ赤に染まってるのだろう。
「フッ、、可愛い。。」
性懲りもなく耳元でそう囁く彼の顔は背中側にあるせいで私からは見えない。
でも、おそらく彼は今
「ねぇ、早く終わらせてよ。」
そうしないと
ーいたずら、ひどくなっちゃうかも、、
「・・なぁ?」
フッと風が首元にかかる。
ー絶対、楽しそうに微笑んでいるのだろう。
あの綺麗な顔で、妖艶に、美麗に。
けして今その顔を見てはいけない。
そのことをわかっているの。
なのに、、
「まだ、終わってないのに、、」
かまってほしそうな彼。
子犬というような感じではないし、ただただ甘すぎるだけの彼。
(あぁ、、今日は徹夜かなぁ)
「ーソニア...?」
「ー少しだけ、、だからね?」
「っ、ーあぁ。わかった。」
本当に嬉しそうな笑顔を浮かべる彼。
まったく、、
ー彼が来る時間は仕事ができない。
今に始まったことではないから、もう諦めることにしよう。
彼の相手ができないと思ったことが間違いだったのだ。
「ソニア。今日はのんびりしよう。」
(いつもしてるじゃない、、)
「じゃあ、失礼してっと」
彼は抱きついていた私をはなし、私を近くのソファに座らせる。
この時、お姫様抱っこで運ばれるのは諦めた。
「はいはい。」
私の膝の上に頭をのせ、ソファに寝転がるヴィオライド。
その長い足がソファからはみ出ているが仕方の無いことだと諦める。
「ソニア。」
突然名前を呼んだかと思えば、彼は私の頭を引き寄せて、
「・・っん、。」
ー一瞬、息が止まったように感じた。
いつもしてるのに、いつまでもそれになれない私。
私と彼のこの行為は、なんの意味もないただの挨拶。
そうわかっているけれど、それでも無理なのだ。
「・・ソニア。おやすみ。」
彼は私の髪をサラリと撫でると瞼を閉じる。
サラサラとした彼の髪を撫でながら寝ている彼の寝息をききながら時間が立つうちに私も寝ている。
それが、いつもの私たちの日常。
彼は甘えん坊だ。
昔からうちに来ては私のそばにくっつきたがる。
彼に会いに行く事はできない私に彼はいつも会いにきてくれる。
ーいつまでもこの生活が続くことを願いたいと思う反面、そんなのできるわけないとわかる頭と心の差が私を苦しめる。
だから、私は彼を拒めない。
ー彼と私は恋人ではない。
しかし、友達ともいう事もできない。
それは、彼が彼で、彼であるからだ。
昔から、私達はよく一緒にいた。
彼が毎日のように私に会いに来ていたからだ。
今こそ昔のようには行かないけれど、週に3回は必ず会いに来てくれる。
私は彼に会いに行く事はできないから。
この生活がいつまで続くかは、神しか知らない。
いつか終わることをわかっている。
長く続いて欲しいと思う。
だからこそ、この離れるかもしれない苦しみから早く開放されたくて、その日がすぐに来て欲しいとすら思ってしまうほどに。
私は彼のそばにいたい。
まぁ、彼の行動は甘すぎて、恥ずかしいからいつもつい言葉では反発しちゃうんだけど。
私はいつも思うのだ。
「ねぇ、ヴィオ。私たち、いつまで一緒にいれるんだろうね?」
聞こえるのは、彼の気持ちよさそうな寝息。
この家は森のなかにひっそりと隠れてある屋敷だ。
私は魔女。薬や毒の扱いに長けたもの。
時々くる街からの依頼を受けて、こなして、生活している。
貧乏ではないが、裕福でもなく。
彼が本当ならいていい空間でなんて、けしてないのだ。
「、、」
部屋には彼が土産に持ってきてくれた香炉の香りが漂っている。
(あぁ、、なんだろう。)
すごく、眠い。寝てないからだろうか。
ーどうせだ。少し、眠ることにしようかな。
どうせ彼が起きるまでは仕事もできないのだし。
そうして瞼を閉じる。
彼の顔を見ながら目を閉じる。
こうすれば最後に目に写るのは彼の顔。
(今日は、いい夢、見れそう、、か、な、、)
つい、笑みがもれる。
そして私は、次第に眠りの世界へと落ちていった。
ー私と彼の関係に名前はない。
だって。
彼は、王子様なのだから。
*******
魔女は欲した。
すぐ近くにあるように見えるそれを本気で欲しいと願った。
それが、決して手に入る事はないとわかっていながら。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
拾った指輪で公爵様の妻になりました
奏多
恋愛
結婚の宣誓を行う直前、落ちていた指輪を拾ったエミリア。
とっさに取り替えたのは、家族ごと自分をも売り飛ばそうと計画している高利貸しとの結婚を回避できるからだ。
この指輪の本当の持ち主との結婚相手は怒るのではと思ったが、最悪殺されてもいいと思ったのに、予想外に受け入れてくれたけれど……?
「この試験を通過できれば、君との結婚を継続する。そうでなければ、死んだものとして他国へ行ってもらおうか」
公爵閣下の19回目の結婚相手になったエミリアのお話です。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
婚約破棄 ~家名を名乗らなかっただけ
青の雀
恋愛
シルヴィアは、隣国での留学を終え5年ぶりに生まれ故郷の祖国へ帰ってきた。
今夜、王宮で開かれる自身の婚約披露パーティに出席するためである。
婚約者とは、一度も会っていない親同士が決めた婚約である。
その婚約者と会うなり「家名を名乗らない平民女とは、婚約破棄だ。」と言い渡されてしまう。
実は、シルヴィアは王女殿下であったのだ。
えっ私人間だったんです?
ハートリオ
恋愛
生まれた時から王女アルデアの【魔力】として生き、16年。
魔力持ちとして帝国から呼ばれたアルデアと共に帝国を訪れ、気が進まないまま歓迎パーティーへ付いて行く【魔力】。
頭からスッポリと灰色ベールを被っている【魔力】は皇太子ファルコに疑惑の目を向けられて…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる