獅子の末裔

卯花月影

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6.傀儡(くぐつ)

6-3. 猩猩袴(しょうじょうじばかま)

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 その後、信長は二回に渡って兵を挙げ、浅井長政のいる江北・小谷城を攻めた。これにより援軍に来ていた朝倉家の重臣の多くが織田方に寝返った。

 そして迎えた元亀四年の正月。忠三郎は年始の挨拶のため、岐阜城へ出仕した。

「今年こそは浅井・朝倉、長島を制圧し、本願寺と決着をつける」
 信長はそう明言する。正月早々、緊張感の漂う中で恒例の三献の儀があり、宴席が設けられた。
 夜も遅くなり、城下の滝川屋敷に戻った忠三郎は、持参の書物を一益に見せた。
「義太夫に頼みましたが、どうもよう分からず、義兄上に読み解いていただくために持って参りました」
 一益は手に取り、指し示された場所を読む。
「天下有道、却走馬以糞…。ここを義太夫は何と?」
 義太夫は頭をかくと、
「天が下に道があるとき、雌馬は走って糞をする」
 解釈が違うだろうことは忠三郎でもわかる。一益はそれを聞き、ちらりと義太夫を見て
「これは糞ではない。田作りと読む」
 読み方ひとつで随分と話が変わってくる。忠三郎はようやく合点がいき、なるほどと頷き、義太夫は恥ずかしそうに顔を赤くする。
「天下に道あれば、足の早い馬はしりぞけられ、もったづくりし、天下に道なくば、戒馬じょうばこうに生ず。つまりは天下に道理がまかり通っておるときは、牛馬や食物などの必要なものは事足りている、そういうておる」
「その先は?」
「罪は欲すべきより大いなるはなく、咎は得るを欲するより大いなるはなく、うれいは足るを知らざるより大いなるはなし。帰するところ、戦さの罪は大なる欲にあり、咎は欲得にあり、憂うべきは不足のないことを認めぬことにある。それゆえ、足るを知るの余地が、足ることとなる、と説いておる」
「さすがは義兄上じゃ」
 一益が書物を返すと、忠三郎が同意を求めるように義太夫を見る。
「まことお恥ずかしき限りにて…」
「恥じる必要はない。老子はいにしえに書かれた大陸の書物。大名であっても読めぬものは多い。我らは何一つこの世に持って来なかった。また何一つ持って出ることもできぬ。それゆえ衣食足りれば十分と知ることが肝要である。悪の根となるは私腹を肥やすことばかりに時を費やす心。たよりにならぬ富に望みを置くことは愚かなることじゃ」
 忠三郎は頷き、
「長島に籠る坊主どもこそ私腹を肥やす悪しき奸物。今年こそは滅ぼすと、上様もそう仰せでござりました。義兄上のほうはすでに手筈を整えておいでで?」
 信長の発言を聞く限り、いつでも攻めかかる準備が整っているようだったが、予想に反して、一益は首を横に振った。
「大湊の船主どもの協力を得てはおらぬ。船がなければ長島攻めは難しい」
 一益は一貫して船にこだわる。船にこだわるのであれば、造船技術を持つ大湊衆の協力は不可欠だ。

 信長の次男・信雄を養子にした北畠家から大湊に船を提供するようにと再三に渡って命が下されているが、なかなか思うようにはいっていない。
(義兄上は最初から、大湊に船を出させるつもりがないのでは…)
 北畠家の重臣たちが動いているが大湊は従うそぶりを見せない。北畠家に大湊の船主を動かすほどの力が残されていないのか、はたまた、北畠家が本腰を入れていないのか。
 積極的に動いているよう見えないのは北畠ばかりではない。一益も同じと言える。
 船がないことを理由に戦さを先延ばしにし、ひたすら武器を揃えているのは、長島願証寺が和睦を持ち掛けてくるのを待っているからではないだろうか。

「それよりも助太郎からは、六角親子を探しておると聞き及んだが」
 江北に逃れたと思しき六角親子。しかしその後、姿を見た者はおらず、どこへともなく消えてしまった。
「それが江北でも手掛かりを得ることが出来ず…」
「探す場所が違うておる」
 一益は意外なことを言った。
「江北と決めつけておるから、見つからぬのではないか」
「それは如何なる…」
 未だ江南に留まっていると、そう言っているのだろうか。
(まるで義兄上は、六角親子の居場所を存じておられるかのような…)
 それを黙っているのは六角氏を滅ぼすつもりがないからだ。
「義兄上は六角を滅ぼすべきではないと、そうお考えで?」
「織田家には六角の旧臣が少なからずおる。闇雲に滅ぼしては、却って反発されるだけであろう」
 信長の考えとは真逆のようだ。
「されど野放しにしておけば、また叛旗を翻して…」
「真にそう思うか?今の六角が、織田家の脅威となると、まことにそう思うておるか?」
 言われてみると、どうだろう。すでに甲賀衆は織田家に恭順している。旧臣たちで従うものは一向門徒のみ。
(江南においてはもはや、六角は織田家の敵ではないのか)
 無用な戦さはするなと、そう言っているようだ。
「戦さは始めるよりも、終わりが難しい。であれば、戦さを始めることなく、事を終わらせることが望ましい。兵頓へいつかれずして利全うすべし。此れ謀攻の法なり。戦さに拠らず敵を従わせることを考えよ。鶴、無理をして上様の真似ばかりするな」
 無理をして真似た覚えはない。忠三郎にとっては、信長こそ人の手本になるような戦国の覇者であり、誰にもできない偉業を成し遂げる、諸大名がひれ伏して仰ぐにふさわしい君主だ。
(義兄上はなんとも嫌なことを仰せになる)
 では一体、どうしたら面目を保ち、兵を従えることができるのか。
 忠三郎が苦笑いしたまま黙り込むと、一益はちらりと一瞥し、息をつく。

「六角承禎は日野の傍におる」
 一益が忠三郎の心中を見通したかのように、話を戻した。
「それは…まことで?」
「日野の目と鼻の先に資金源がある」
「日野の目と鼻の先とは?」
「上様が祈願所にされた釈迦山百済寺、そして百済寺の傍にある鯰江城」
 近江の最古刹である百済寺は鈴鹿山脈の西山腹にある。城郭寺院であるため百済寺城とも呼ばれ、近江周辺では学問所としてもその名が知られている。湖東の小叡山と称され、飛鳥時代に聖徳太子により建立されたと伝わる歴史ある由緒正しき寺社だ。
 信長は一歩足を踏み入れたときからこの寺を気に入り、特別に優遇して寺領を安堵、税を免除し、他の寺院とは異なる扱いをした。そして訪れるたびに高台から雄大な景色を見下ろし、天下統一への志を新たにしていた。
 ところが、その一方で百済寺と六角氏は鎌倉時代から深い繋がりがあった。

「鯰江城の鯰江貞景が六角父子を迎え入れたのであろう」
 一益は冷静に状況を見ているようだが、それが本当であれば大変なことだ。
「そのようなことが明るみになれば…恩を仇で返したと、上様は烈火のごとく怒られるのでは…」
 百済寺は一向宗の寺社とは比べ物にはならない。近江の、いや日の本の宝ともいうべき寺だ。あの寺を焼き討ちしたとなれば、領国への影響は避けられない。
「百済寺が鯰江城に物資を渡しておる。このままでは焼き討ちは免れまい」
「では上様に気付かれる前に、六角への協力を止めさせねば…」
「無駄であろう」
 一益はどこまでも冷ややかにそう言う。
 六角と百済寺の繋がりは深く、百済寺の守りを固めるために六角氏が尽力し、今の百済寺城が完成している。寺にいる高僧の中には六角氏と血縁のある者もおり、今更六角への援助を止めろと言っても、素直に従うとは思えない。
「それよりも寺にいる者を立ち退かせた方がよい」
 寺にいるのは僧侶ばかりではない。付近の村落や、五畿内からも大勢の人が集まり、勉学に勤しんでいる。
「委細承知。まずは寺へ行き、様子を確かめて参りましょう」
 一益の言う、寺にいる者、とは誰のことだろうか。意味深な言い方だった。
(もしや重丸が…)
 六角親子が鯰江城にいるのであれば、重丸が百済寺にいたとしても可笑しくはない。甲賀にも戻れず、音羽城以外では行く宛もない筈なのに、日野から姿を消した重丸。祖父の伝手で隠れ潜むとしたら、比較的祖父の影響力の強い百済寺ではないだろうか。

 忠三郎が町野左近とともに百済寺につき、導師と話し終えると、見覚えのある顔が見えた。
「義太夫、伊勢に戻ったのではないのか」
「おぉ、鶴。奇遇じゃのう。おぬしもここの景色を愛でにきたか?」
 なんとも白々しい。一益の命を受けてきていることくらいは忠三郎にも分かる。
「呆れた奴。おぬしのことじゃ、ここに重丸がおると存じておるのであろう?」
「まぁ、そんなところかのう」 
 わざとらしく惚けている。
「何故、隠し立てした?」
「言うてどうなるものでもあるまい。重丸を討つ気はないじゃろう」
 そう言われると、何も言えなくなる。何度も考えたが、どうしても重丸を討つ気にはなれない。
「上様に鯰江城のことを話した。江北の浅井の動向を見て、近々兵をあげることになる」
 一益は六角親子をあえて見逃しているようだったが、忠三郎は織田家の臣として、六角親子が隠れ潜んでいることを黙っていることはできなかった。
「上様に言うてしもうたのか、致し方ない。殿にお伝えしよう」
「ここに三九郎もおるのではないか」
 一益の一子三九郎も甲賀攻め以来姿を消している。隠れるならば百済寺か鯰江城だろう。
 義太夫はそれには答えず、
「重丸に会うのか?」
「いや…会わせてくれと頼んだが、門前払いを食らった」
 会わせることはできないと言われた。その導師のことばで、重丸がここにいると確信した。
「かような場所で刃傷沙汰になると面倒じゃからのう」
 義太夫から見ても、重丸と会えば冷静な会話などは成り立たないと、そう思えるのだろうか。

 かつては、同じ草原で風を追いかけ、無邪気に笑いあっていた重丸が、今は刃を交える敵として対峙している。
(重丸は、あのころのことを忘れてしもうたのであろうか)
 幼い頃、重丸の背中を追いかけていた記憶が鮮明に蘇る。あの頃は、誰よりも強くて頼りになる存在だった兄・重丸。それが、母が死んだあの日、鎌掛谷で別れてから、二人の絆は知らず知らずのうちに引き裂かれていた。それでも、重丸があの頃を思い出してくれるのではないかという淡い希望を捨てきれなかった。
(されど…)
 重丸の目はかつての優しい眼差しとは違う。戦場で見た重丸の目は冷酷な光を宿していた。重丸の槍が忠三郎めがけて投げつけられたとき、幼い頃の記憶は薄れた。だが、まだ心の奥底で、重丸と刃を交えることに迷いがある。

 忠三郎はとぼとぼと元きた道を引き返していく。少し歩いて、木々の隙間が目に留まった。
「如何した?」
 まさか重丸を見つけたのかと義太夫が辺りを見回すが、目ぼしい人影はなかった。
「いや、猩猩袴しょうじょうじばかまが…」
「猩猩袴?」
 忠三郎が木々の隙間にしゃがみ、目の前に咲く可憐な花を見る。紫色の小さな花。大陸からもたらされたいにしえの書物によると、猩猩なる獣は人の言葉を話し、酒が好きで、赤い能装束を着て二足歩行する伝説の動物。猩猩袴しょうじょうじばかまとは冬の間、この花の葉が赤く紅葉する姿が、伝説の動物が袴を履いている姿に似ているところから付けられた名だ。
「酒好きとは他人とも思えぬ」
「さもありなん」
 忠三郎が笑って立ち上がった。
「この山全体を探すには広すぎる。されど…」
「されど?」
 忠三郎は義太夫をジッと見る。
「まさかわしに、重丸の元に案内せいと?」
「頼む、義太夫。重丸と話がしたい」
 義太夫はもごもごと口を動かし、何と返事をしようかと考えた末に
「戦場で会うたときに、何を言われた?」
「何を、とは?」
「おぬしの寝所に泊まったおりに、寝言を言うておった」
「寝言?まことに?何と言っておった?」
 気づかなかった。何を言ったというのか。
「なにやら聞きとれなかったが、ただ…」
「ただ?」
 夜中、忠三郎の声に驚いて飛び起きると、忠三郎が泣いていた。起きているのかと思ったほどだが、そっと顔を覗き込むと寝ていた。しかし覚えていないのであれば、流石にそれは言えない。
「よう分からんかったが重丸がどうのと、そう言うていたような…」
 義太夫が腰の刀を抜くと石段に腰掛け、遥か向こう側に見える琵琶湖を遠望すると、忠三郎もその隣に座る。
「わしを傀儡くぐつと呼んだ。所詮、上様や父上の傀儡であると」
 それは頷ける部分がある。幼い頃から神童だの鳳雛ほうすうだのと呼ばれ、過剰な期待をかけられてきた忠三郎には周りの期待に応えようとする気持ちが強い。
(そして突如、その立場が危うくなった)
 お家騒動で母親が離縁されたために、正室の子ではなくなった。騒動が沈静化し、後藤家の立場が落ち着くまでは不安定な時期であり、四年の間、放置されていたのも分かる。あのまま後藤家が滅ぼされていたら、廃嫡されていただろう。忠三郎は幼いながらもそれを悟り、騒動が落ち着いてからも、再び同じ窮地に立たされないよう必死だった。苦手な武芸に取り組んだのも、周りの期待に応えることで、自らの立場を守ろうとしたためだ。
「それに…重丸には勝てぬ。重丸は幼い頃より村の子らを取りまとめて遊んでいた。音羽城付近の百姓の家で、皆に愛されて育った。わしにはそのような経験がない。周りに愛され、大切にされて育った人間は強い。どう逆立ちしようとも、わしには叶わぬ」
 忠三郎がぽつりぽつりと話す。
 黙って聞いていた義太夫は、足元の小石を蹴飛ばし、小枝を拾う。
「分かりやすい奴じゃ。そのようなことは、我等も、そして三雲佐助も見抜いていたであろう」
「佐助が?」
「然様。それゆえ三雲はおぬしに望みをかけ、おぬしのために家を捨て、命を捨てた」
「…それは如何なることか」
「周りがいかに比べ評するとしても、二人は全く異なる人間。比べることなどはできぬということ。どちらが優れているとも言い難い。三雲が望みをかけたのは、鶴、おぬしにしか出来ぬことがあると、そう思うていたからではないか」
「わしにしか出来ぬこととは…」
「そこまではわしには分からぬ。わしが漢文も満足に読めぬ阿呆であることは、ようぞんじておるじゃろ。我が殿か、三雲に聞いてくれ。わしに分かることは…例えば、あれなる猩猩袴」
 義太夫が指したのは参道の木々の隙間にかすかに見える猩猩袴。湿った場所を好むため、木々の生い茂るこの山には無数に生えている。
「今日、ここに来た大半の者は、辺りを見回し、未だ桜の季節には早かったとつまらなく思うであろう。されど、おぬしはかように小さな花に目を止め、何かを感じ取る。余人が取るに足らぬと思うものに価値を見出す。三雲はそんなおぬしに、すべてを託したのではないか」
 そうなのだろうか。自分では自分のことはよくわからない。
(佐助、そうなのか)
 顔をあげると湖の向こうに比叡山が見える。いにしえのころから天下遠望の名園と詠われた釈迦山・百済寺。その更に向こう、海の果てにはかつて百済の国があった。
「百済も唐も滅びた。如何に栄華を誇ろうとも、世に永遠に続く国など、興り得ぬのかもしれぬな」
 では織田家はどうだろうか。この勢いのまま天下を取り、その後は何年続くのだろう。そのとき、蒲生家はどうなっているだろう。骨肉の争いを終わらせ、泰平の世に安んじることができているだろうか。そして、その時、忠三郎と重丸は…。

「重丸を討たねばならぬのであろうか」
 忠三郎は独り言のようにつぶやいた。この戦国の世において、一度敵味方に分かれてしまえば、個人の感情など意味を持たないことはよくわかっている。重丸を失いたくないという思いが、胸の奥に深く沈んでいく。運命に抗えないと理解しつつも、その心は重丸との思い出に縛られ、悲しみの淵で揺れ続けていた。
「戦さが全てを解決するわけではないと、殿はそう仰せであったろう?怒りはもってまた喜ぶべく、恨みはもってまた悦ぶべきものじゃ。時を待て。今は難しくとも、いずれ分かり合える日もくるじゃろう」
 義太夫が力強く忠三郎の背中を叩く。
「鶴。日野へ戻ろう。今宵こそは布団で寝かせてくれ」
 義太夫が拝むように言うと、忠三郎は笑いをこらえて頷いた。
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