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22 死児の齢を数う
22-3 八風の庵
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京で忠三郎からことの次第を聞いたのは、数日前のことだった。
一益はその足で義太夫たちを信包のもとへ遣わし、自らは八風山の麓へと下った。
風を読むには、人の声よりも、山の息に耳を澄ますほかない。
山は沈み、風ばかりが生きている。
昼は鳥の声さえ絶え、夜は杉の梢が鳴るたびに、火鉢の炭が細かく音を立てた。
硯の水が冷え、筆の先が乾く。都のざわめきが遠のくほど、世の動きが肌に滲む。
(この流れは、理では防げぬか――)
一益は筆を握ったまま、次の一手を思案していた。
義太夫からの使いも、まだ戻らない。
ただ、風のうねりがひときわ強くなった――と思うと、外で足音がした。
――木造《こづくり》の里で拾った男、滝川三郎兵衛雄利。
北畠の旧臣筋にあたり、もと僧にして耳の利く男。
伊賀攻めののち、丸山城を預かり、いまは織田信雄の家老として伊賀・伊勢の境をおさめている。
その才を見込み、一益自らが『滝川』の姓を与えた稀有な者のひとりであった。
尾張の血を引かぬゆえ、かえって伊勢の風を読むには適う者とされた。
草履の砂を踏む音。ひとりぶん。
戸口の前で影がとどまり、低い声がした。
「左近様。三郎兵衛にござります」
一益は筆を置き、火鉢の炭を突いた。赤い火が一瞬、雄利の頬を照らす。
「伊勢の風はどうじゃ」
「もはや荒れ模様にございます。中将様は徳川殿と手を結ばれ、兵を挙げるご意向にて。尾張・伊勢の衆は、すでに兵を整えはじめております」
一益は小さくうなずく。
「……早すぎる。まだ和す道はあるはず」
「もう和など通じませぬ。中将様は、誓紙を出した三家老に大変ご立腹。故右府様の御遺志を継ぐのは己のみ、と。伊勢は再び戦に巻き込まれましょう」
一益は黙して灰を崩した。
信雄の怒りには一理ある。信雄は本来、秀吉の主筋にあたり、四人を名代として差し向けたのも筋にかなっていた。その四人に対して誓紙や人質を求めるのは無礼といわれても致し方ない。
筋を通した滝川三郎兵衛に理があり、秀吉の手の内に乗せられた三人は、その意図を見誤っている。
(この家を……内から崩壊させようとしておる)
三郎兵衛では信雄を抑えることができない。
「左近様。中将様は左近様を頼みに思うておられます。左近様さえ伊勢方につかれれば、民も兵も心をひとつに――」
三郎兵衛の声は切実だった。
(されど…)
老獪な両雄の間で、信雄は翻弄されている。秀吉は織田勢力を削ぎ天下を固めんとし、家康は対秀吉の駒として信雄をそそのかす。どちらから見ても、信雄は操られているに等しい。
その歩みの果てに、荒れるのは己の領国ばかり。
そして身内を敵に回し、主の命に従うしかない者たち。
理も情も捨て、ただ命を受けて戦う――それが家臣の定めというのか。
それを思うたび、止めることのできぬ己の無力さが胸を刺した。
(このまま黙っているわけにもいくまい)
せめて身近な者たちのささやかな暮らしだけでも守らなければ命を捨てて戦う意義がなくなる。
「ここで兵を挙げれば、羽柴筑前の思う壺。それはそなたもよう心得ておろう?」
「無論……されど、もはや矢は弦を離れたのかと」
一益は短く息を吸って言った。
「避けらぬのであれば、どこで幕引きとするか、落ちどころを練らねばならぬ」
(兵を集めねば……)
日永に行き、兵を整えねばならない。
一益は義太夫・彦八郎の二人に使いを送り、日永興正寺で待つと伝えた。
義太夫と彦八郎の二人が日永興正寺に姿を現すと、すでに多くの兵が集められていた。
帷幕の向こうから、甲冑の擦れる音と低い声が絶えず漏れている。
炊事場の方からは、藁炭の匂いが漂っていた。
「ここに集まりし者共は皆、殿が北伊勢に戻られることを心待ちにしていた者ばかりでござります」
早くも甲冑を身に着けた助九郎が兵を大勢引き連れてきている。
甲賀に戻り、帰農していた日本右衛門の姿もある。そこへ義太夫と彦八郎が戻って来た。
「これはこれは随分と集めたのう、助九郎」
義太夫が素知らぬ顔で帷幕の中に姿を現した。一益は床几に座ったまま、義太夫を見て
「遅参の理由は?」
分かり切ったことではあったが、一応、問いただした。義太夫と彦八郎は観念したように、楠城での出来事を掻い摘んで話す。
「於籍だけでも助け出そうと思うておりましたが、十郎が戻らぬことには離れるわけにはいかぬと申します」
当の本人が城を落ちぬと言っている以上、開城までは難しいかもしれない。
身内を敵に回しているのは義太夫、彦八郎ばかりではない。
千種三郎左衛門が峯城にいると知れば、忠三郎は二の足を踏むだろう。
それでも動かねばならぬとき、忠三郎はどんな顔をするのか――一益はふと胸を疼かせた。
「殿…あの…」
一益が押し黙ったまま何も言わないので、義太夫が案じて声をかける。勝手な行動を取ったことで一益が怒っていると思ったようだ。
一益は苦笑し、
「主のいない城であれば恐るるに足らず。於籍は女子らしゅうなったか?」
その一言に、義太夫も彦八郎も顔を見合わせた。
一益が楠城を攻める気はないと悟り、義太夫は胸をなでおろす。
「それはもう、我が子ながら三国一の姫でございます」
嬉しそうにそう言う義太夫に、一益は笑って頷いた。
「まずは峯城の動向を伺うことが先決である。日野にいる鶴に知らせを送り、挙兵を促せ」
「ハハッ」
二人が帷幕を去る。外では夜風が海の方から吹き込み、燭の火がわずかに揺れた。
その風に乗るように、報せは日野へ走るだろう。
春を迎えた日野中野城では忠三郎が何人かの家臣たちを集めて、南蛮寺で渡された馬太伝(マタイ伝)を読んでいた。
「殿。ここにある己の十字架を負うとは如何なることで?」
質問したのは若狭から来た家臣の岡左内。元服したばかりの左内は忠三郎を慕い、どこへ行くにもついて歩いている。
「難しいことを聞くのう。わしもまだ教えを受けている最中。ようわからんが、己の責務を果たせと言うことではないか」
口にしてから、自らの声がどこか遠く聞こえた。
その『責務』が、やがて血を呼ぶものであると、胸の奥で薄く知っていた。
左内の真剣なまなざしを見ていると、迂闊な返事をすることもはばかられる。 これは左内を連れて南蛮寺に行き、きちんと教えを乞うたほうがいいのかもしれない。そんなことを考えていると町野長門守が姿を現した。
「殿。将監様の元から知らせが届いておりまする」
「義兄上の元から?」
伊勢で何かしらの動きがあったのだろう。
「すぐにこれへ」
秀吉の元からも何度か使者が訪れている。どうやら美濃の森長可とその舅である池田恒興の二人を味方に引き入れたらしい。兵力だけで言えば、もう秀吉を留めるものはない筈であるが、いかんせん皆が皆、織田家の旧臣であり、秀吉への忠誠心などは微塵もない上、主筋に弓引く後ろめたさは拭えない。
一益からの書状を持ってきたのは素破の滝川藤十郎。開いてみると、峯城に兵が集められ、佐久間駿河守、神戸与五郎、楠木十郎、そして……
(千種三郎左衛門が入城……?)
手の中の紙が、わずかに音を立てた。
叔父が敵にまわることは不思議ではない。すでに信雄の与力に組み入れられている。
だが、まだ旗色も定めぬこの身に、なぜ矢を向ける。
その理が、どうしても掴めなかった。
「これは拙い。北勢四十八家が敵に回り、亀山城に狙いを定めているようじゃ。長門、羽柴筑前に知らせを送り、兵を集めよ」
亀山城は昨年の合戦の褒美として、忠三郎に与えられた。しかし元々亀山城は叔父の関盛信が代々居城としていた城だ。忠三郎は受け取りを辞退し、関盛信に返したいと願い出た。
『まことに無欲なご仁よ』
秀吉も、周りの者も皆、そう言って忠三郎を賞賛した。
しかしその言葉が胸に響くほど、己の中に『無欲』とは遠い影があるのを知った。
守りたいのは城ではなく、名でもなく、ただ人の心であった。
亀山を領することには正直、不安があった。一帯を火の海にしたことで、領民から敵視されているのは分かっている。どこの土地であっても民に背を向けられると領国統治は難しい。そうでなくとも見知らぬ土地であり、亀山城以外がすべて織田信雄に与えられたことも大きい。
秀吉と信雄、両者の間を仲介していたからこそ、なおさら、いずれは争いになると、心のどこかでそう思っていた。
(その時は主筋に弓引くことになる)
かつて祖父快幹がしてきたように、家を守るために義も恩も捨てる。
世の誹りは免れない。
それでも、夜更けに風の音を聞くたび、祖父の声が胸の底にかすかに残っている気がした。
(わしも、あの声と同じ道を歩むのか――)
「我等も準備万端整えておこう。義兄上にそう伝えてくれ」
再び伊勢に攻め入る。
母の血を分けた叔父、そして亡き岳父の息。
戦の名のもとに、縁の糸がひとつずつ断たれてゆく。
春の光の下でさえ、胸の奥には冷たい影が残った。
三月六日。事件は起きた。
清須から伊勢長島城へ移り、長島を居城としていた織田信雄が三人の家老を城へ呼び出し、内応の咎によりその場で討ち果たした。
問答無用――。
その報せを受けた忠三郎は、しばし言葉を失った。
手にした筆の先が震え、墨が硯の水に滲んでいく。
(また、同じことを)
脳裏に甦るのは、遠い日の観音寺城。
六角義治の前で、叔父・後藤賢豊とその子の後藤壱岐守が「謀反の疑いあり」と呼び出され、弁明の暇もなく斬られたあの日。
母・お桐は離縁され、重丸を抱えて逃げる途中で命を落とした。
以後、一度として「問答無用」という言葉が消えたことがない。
それは正しさの名を借りた恐れの刃。
正義を装って人が人を裁く、その醜さを幼心に刻みつけていた。
(中将殿もまた……同じか)
忠三郎は静かに筆を置いた。
信雄が問答無用で三家老を斬ったと聞いた瞬間、忠三郎の中の何かが音を立てて崩れた。
母の死と、家の崩壊と、すべてが重なって見えた。
「……もう、見限るほかあるまい」
呟きは誰に届くでもなく、冷えた硯の水に吸い込まれていった。
その三日後。
峯城を固めていた信雄の家臣たちが一斉に挙兵し、亀山城へ襲いかかった。
亀山城からの援軍要請を受け、忠三郎は秀吉のもとへ使者を送り、自らも峠を越えて再び伊勢へ向かった。
胸中には、あの決別の言葉が静かに居座っている。
一方、峯城の動きを察していた一益は馬印を掲げ、日永から亀山へと向かった。
八か月ぶりに、滝川の旗が風を孕んだ。
白地に黒の三つ巴――その紋が翻るのを見た村々から、鍬や鎌を手にした男たちが次々と駆け出してきた。
田を棄て、家を棄て、それでも駆ける足は迷わない。
「滝川の殿が戻られた」と声が広がり、夜明けとともに軍勢は見る間に膨れ上がった。
山道を抜けるたびに旗の影が増え、かつて静まり返っていた伊勢の野に、ふたたび戦の息が満ちていった。
一益は亀山城まであと二里のところで兵を二つに分けた。半数を谷崎忠右衛門に任せ、搦め手に回らせ、残る半数を率いて敵の側面へと回り込み、草むらに鉄砲隊を潜ませる。
「よいか。先陣が敵をおびき寄せる。合図の後、一斉に撃て」
寄せ手が大手門に押し寄せ、矢を射かければ敵が反応して追ってきた。滝川勢は逃げるそぶりを見せ、敵を草むらまで誘い込む。敵が追いすがったその瞬間、隠れた鉄砲隊が火を噴いた。
「今じゃ!撃て!」
義太夫の号令に山々が応え、銃声がこだまし、追ってきた敵兵が次々と倒れていく。
「敵がひるんだ。追い打ちを!」
滝川勢が踵を返すと、兵たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ惑った。
「搦め手まで追い込め!」
後方と側面から追い打ちをかけると、敵は狙いどおり搦め手へと逃げ込む。 そこを待ち構えていた谷崎忠右衛門の隊が襲い掛かり、思わぬ手に敵は雪崩を打って城山から駆け下り、峯城の方へと退いていった。
一益は馬上からしばらくその背を見つめていたが、やがて手を上げ、追撃を制した。
「深追いするな。ここで止めよ」
声は低く、風の音に紛れて消えた。
誰も返事をしなかった。返すまでもないと皆が察した。峯城目指して敗走していく敵の中に、義太夫の娘婿・楠十郎と、忠三郎の叔父・千種三郎左衛門がいる。
鉄砲の煙が風に流れ、戦場に残るのは泥と血の匂いだけだった。
義太夫は馬を進め、一益の横顔をうかがう。
眉間には怒りもなければ、勝ちどきの笑みもない。
ただ、風を見ている。
(……討つ気など、初めからない)
義太夫は気恥ずかしくなり、手綱を引き、ぼそりと呟いた。
「他愛もない。我らにとっては遠乗りに出たようなものじゃな」
一益は勝つために戦っているのではない。
この地を守り、誰かの命をこれ以上奪わぬために刀を抜いている。
それがどれほど報われぬ戦であっても、一益の刃は決して血を求めない。
風が旗を鳴らした。
義太夫はその音を聞きながら、ふと口の端をゆるめた。
「まっこと……殿らしきことよ」
呟きは誰に届くでもなく、銃声の余韻に溶けていった。
同じころ、秀吉の命で峠を越え、伊勢入りした忠三郎は堀久太郎、長谷川藤五郎らとともに亀山城に到着。すでに敵兵が退いたことを知り、慌てて滝川勢の後を追ってきた。
忠三郎が追いついたときには一益はもう峯城のある城山のふもと、安楽川の手前に陣を構えていた。
「ようやく追いつきました。まさか義兄上おひとりで敵を追い払うとは思うてもおりませなんだ。まこと、あざやかなお手並みで」
これまで信長に付き従ってきた忠三郎は、大軍を頼みにする戦さばかり目にしている。今回もそのつもりで、一益が近江からの兵を待って攻めかかると思っており、亀山城から敵の姿が消えているのは想定外だった。
尾張、美濃の兵が弱いことを知らぬものはいない。敵と同数では勝つことはできない。信長はそれを知っていたがために鉄砲を取り入れ、大軍を集めて戦さをしてきた。寡兵で戦う術を知らないのは供に来ている堀久太郎、長谷川藤五郎も同じだ。
「鶴はいつまでも殿には勝てぬな」
義太夫が笑いながら帷幕の中へ入って来た。
確かに義太夫の言う通りではあるが、忠三郎を始めとする信長の近臣たちは同じ戦国武将といっても群雄割拠時代の武将とは大きく異なる。
天下の行方を読む『官僚の目』を持っている。彼らにとって戦は己の生死ではなく、次の天下人の傘下にどう立つかの『局地戦』にすぎない。
「鶴。皆を集めて軍議じゃ」
「あ、その前に…」
忠三郎が何か言いたげな顔をした。義太夫は腕をつかんで外へ連れ出し、辺りを見回してから声を落とした。
「千種三郎左のことであろう。案ずるな。わしもあの中に身内がおる」
義太夫が苦笑すると忠三郎は不思議そうな顔をする。
「身内?」
「楠十郎の女房はわしの娘じゃ」
「義太夫の娘?おぬし、娘がいたのか?」
前田慶次郎の時と言い、義太夫の子というのは本当は何人いるのだろうか。
「故あって道家彦八の元で育ったが、わしによーく似ておる。才色兼備とはまさにこのこと。しっかりしたよき姫じゃ」
そう言われると、義太夫の娘という姫に興味がわく。
「それは是非とも顔を拝ませてもらいたいのう」
「ならぬ、ならぬ。おぬしの毒牙にかけるわけにはいかぬ。たとえ城を落ち延びてきたとしても、鶴にだけは絶対会うなと言い含めておく」
真顔でそう言われ、忠三郎は声をあげて笑いながら、
「されど、峯城にいるのでは戦わざるを得まい。よいのか?」
「いや、逆に他の者でなく、我らが対峙することになり安堵しておる。殿なら無闇に将兵の命を取ることはない。此度も殿は峯城に攻め込むおつもりはないのじゃ」
「何?では…」
「開城を促し、退去を許すと仰せじゃ。何も言わずとも、殿は鶴が叔父のことで思いあぐねていることを心得ておられる」
義太夫が背を叩くと、忠三郎は苦笑した。
亀山城に籠るのが父方の叔父・関盛信。攻めているのが母方の叔父・千種三郎左。
どちらにも刃を向けられぬ己を、一益はすでに見透かしていたのだ。
川向こうでは木全彦次郎が大筒の用意をしている。
撃ち込んで士気を挫き、開城を促す腹づもりだろう。
「義兄上は甘いな」
忠三郎がポツリとそう言う。
「如何した、藪から棒に」
「あの甘さがあるから羽柴筑前には勝てなかった。義兄上であれば、三七殿の命を奪うこともなかったのであろうが…。それでは天下は取れぬ」
忠三郎の言葉に、義太夫は小さく笑って首を振った。
「殿は天下など、欲しいと思うてはおられぬ。此度も皆のために旗揚げされたまで。欲の深い者は争いを引き起こすというではないか。貧しくても、誠実に歩む者は、富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる」
少し間を置いて、にやりと付け加える。
「まぁ、きれいごとにしか聞こえぬであろうが、もう右府様がいのうなって二年。おぬしもそろそろ右府様の背中を追うのではなく、己の道を見極めたほうがよい」
「己の道を見極める?」
「然様。茶室で茶杓でも削りながらゆっくり考えよ」
義太夫の声に、忠三郎は黙って目を伏せた。
二年が過ぎ、滝川家の人々は浪人となり、忠三郎は家督を継いだ。
一益も義太夫も、過酷な現実を嘆かず、ただ静かに『いま』を受け入れている。
(されど、わしは…)
天下に名を馳せたい。
信長がいなくとも、このまま六万石で終わるつもりはない。
風が帷幕を打ち、火桶の灰がふわりと舞い上がった。
その灰が膝に落ちても、忠三郎は払わなかった。
拳をゆっくりと握りしめ、前を見た。
風はすでに、次の主を探している。
一益はその足で義太夫たちを信包のもとへ遣わし、自らは八風山の麓へと下った。
風を読むには、人の声よりも、山の息に耳を澄ますほかない。
山は沈み、風ばかりが生きている。
昼は鳥の声さえ絶え、夜は杉の梢が鳴るたびに、火鉢の炭が細かく音を立てた。
硯の水が冷え、筆の先が乾く。都のざわめきが遠のくほど、世の動きが肌に滲む。
(この流れは、理では防げぬか――)
一益は筆を握ったまま、次の一手を思案していた。
義太夫からの使いも、まだ戻らない。
ただ、風のうねりがひときわ強くなった――と思うと、外で足音がした。
――木造《こづくり》の里で拾った男、滝川三郎兵衛雄利。
北畠の旧臣筋にあたり、もと僧にして耳の利く男。
伊賀攻めののち、丸山城を預かり、いまは織田信雄の家老として伊賀・伊勢の境をおさめている。
その才を見込み、一益自らが『滝川』の姓を与えた稀有な者のひとりであった。
尾張の血を引かぬゆえ、かえって伊勢の風を読むには適う者とされた。
草履の砂を踏む音。ひとりぶん。
戸口の前で影がとどまり、低い声がした。
「左近様。三郎兵衛にござります」
一益は筆を置き、火鉢の炭を突いた。赤い火が一瞬、雄利の頬を照らす。
「伊勢の風はどうじゃ」
「もはや荒れ模様にございます。中将様は徳川殿と手を結ばれ、兵を挙げるご意向にて。尾張・伊勢の衆は、すでに兵を整えはじめております」
一益は小さくうなずく。
「……早すぎる。まだ和す道はあるはず」
「もう和など通じませぬ。中将様は、誓紙を出した三家老に大変ご立腹。故右府様の御遺志を継ぐのは己のみ、と。伊勢は再び戦に巻き込まれましょう」
一益は黙して灰を崩した。
信雄の怒りには一理ある。信雄は本来、秀吉の主筋にあたり、四人を名代として差し向けたのも筋にかなっていた。その四人に対して誓紙や人質を求めるのは無礼といわれても致し方ない。
筋を通した滝川三郎兵衛に理があり、秀吉の手の内に乗せられた三人は、その意図を見誤っている。
(この家を……内から崩壊させようとしておる)
三郎兵衛では信雄を抑えることができない。
「左近様。中将様は左近様を頼みに思うておられます。左近様さえ伊勢方につかれれば、民も兵も心をひとつに――」
三郎兵衛の声は切実だった。
(されど…)
老獪な両雄の間で、信雄は翻弄されている。秀吉は織田勢力を削ぎ天下を固めんとし、家康は対秀吉の駒として信雄をそそのかす。どちらから見ても、信雄は操られているに等しい。
その歩みの果てに、荒れるのは己の領国ばかり。
そして身内を敵に回し、主の命に従うしかない者たち。
理も情も捨て、ただ命を受けて戦う――それが家臣の定めというのか。
それを思うたび、止めることのできぬ己の無力さが胸を刺した。
(このまま黙っているわけにもいくまい)
せめて身近な者たちのささやかな暮らしだけでも守らなければ命を捨てて戦う意義がなくなる。
「ここで兵を挙げれば、羽柴筑前の思う壺。それはそなたもよう心得ておろう?」
「無論……されど、もはや矢は弦を離れたのかと」
一益は短く息を吸って言った。
「避けらぬのであれば、どこで幕引きとするか、落ちどころを練らねばならぬ」
(兵を集めねば……)
日永に行き、兵を整えねばならない。
一益は義太夫・彦八郎の二人に使いを送り、日永興正寺で待つと伝えた。
義太夫と彦八郎の二人が日永興正寺に姿を現すと、すでに多くの兵が集められていた。
帷幕の向こうから、甲冑の擦れる音と低い声が絶えず漏れている。
炊事場の方からは、藁炭の匂いが漂っていた。
「ここに集まりし者共は皆、殿が北伊勢に戻られることを心待ちにしていた者ばかりでござります」
早くも甲冑を身に着けた助九郎が兵を大勢引き連れてきている。
甲賀に戻り、帰農していた日本右衛門の姿もある。そこへ義太夫と彦八郎が戻って来た。
「これはこれは随分と集めたのう、助九郎」
義太夫が素知らぬ顔で帷幕の中に姿を現した。一益は床几に座ったまま、義太夫を見て
「遅参の理由は?」
分かり切ったことではあったが、一応、問いただした。義太夫と彦八郎は観念したように、楠城での出来事を掻い摘んで話す。
「於籍だけでも助け出そうと思うておりましたが、十郎が戻らぬことには離れるわけにはいかぬと申します」
当の本人が城を落ちぬと言っている以上、開城までは難しいかもしれない。
身内を敵に回しているのは義太夫、彦八郎ばかりではない。
千種三郎左衛門が峯城にいると知れば、忠三郎は二の足を踏むだろう。
それでも動かねばならぬとき、忠三郎はどんな顔をするのか――一益はふと胸を疼かせた。
「殿…あの…」
一益が押し黙ったまま何も言わないので、義太夫が案じて声をかける。勝手な行動を取ったことで一益が怒っていると思ったようだ。
一益は苦笑し、
「主のいない城であれば恐るるに足らず。於籍は女子らしゅうなったか?」
その一言に、義太夫も彦八郎も顔を見合わせた。
一益が楠城を攻める気はないと悟り、義太夫は胸をなでおろす。
「それはもう、我が子ながら三国一の姫でございます」
嬉しそうにそう言う義太夫に、一益は笑って頷いた。
「まずは峯城の動向を伺うことが先決である。日野にいる鶴に知らせを送り、挙兵を促せ」
「ハハッ」
二人が帷幕を去る。外では夜風が海の方から吹き込み、燭の火がわずかに揺れた。
その風に乗るように、報せは日野へ走るだろう。
春を迎えた日野中野城では忠三郎が何人かの家臣たちを集めて、南蛮寺で渡された馬太伝(マタイ伝)を読んでいた。
「殿。ここにある己の十字架を負うとは如何なることで?」
質問したのは若狭から来た家臣の岡左内。元服したばかりの左内は忠三郎を慕い、どこへ行くにもついて歩いている。
「難しいことを聞くのう。わしもまだ教えを受けている最中。ようわからんが、己の責務を果たせと言うことではないか」
口にしてから、自らの声がどこか遠く聞こえた。
その『責務』が、やがて血を呼ぶものであると、胸の奥で薄く知っていた。
左内の真剣なまなざしを見ていると、迂闊な返事をすることもはばかられる。 これは左内を連れて南蛮寺に行き、きちんと教えを乞うたほうがいいのかもしれない。そんなことを考えていると町野長門守が姿を現した。
「殿。将監様の元から知らせが届いておりまする」
「義兄上の元から?」
伊勢で何かしらの動きがあったのだろう。
「すぐにこれへ」
秀吉の元からも何度か使者が訪れている。どうやら美濃の森長可とその舅である池田恒興の二人を味方に引き入れたらしい。兵力だけで言えば、もう秀吉を留めるものはない筈であるが、いかんせん皆が皆、織田家の旧臣であり、秀吉への忠誠心などは微塵もない上、主筋に弓引く後ろめたさは拭えない。
一益からの書状を持ってきたのは素破の滝川藤十郎。開いてみると、峯城に兵が集められ、佐久間駿河守、神戸与五郎、楠木十郎、そして……
(千種三郎左衛門が入城……?)
手の中の紙が、わずかに音を立てた。
叔父が敵にまわることは不思議ではない。すでに信雄の与力に組み入れられている。
だが、まだ旗色も定めぬこの身に、なぜ矢を向ける。
その理が、どうしても掴めなかった。
「これは拙い。北勢四十八家が敵に回り、亀山城に狙いを定めているようじゃ。長門、羽柴筑前に知らせを送り、兵を集めよ」
亀山城は昨年の合戦の褒美として、忠三郎に与えられた。しかし元々亀山城は叔父の関盛信が代々居城としていた城だ。忠三郎は受け取りを辞退し、関盛信に返したいと願い出た。
『まことに無欲なご仁よ』
秀吉も、周りの者も皆、そう言って忠三郎を賞賛した。
しかしその言葉が胸に響くほど、己の中に『無欲』とは遠い影があるのを知った。
守りたいのは城ではなく、名でもなく、ただ人の心であった。
亀山を領することには正直、不安があった。一帯を火の海にしたことで、領民から敵視されているのは分かっている。どこの土地であっても民に背を向けられると領国統治は難しい。そうでなくとも見知らぬ土地であり、亀山城以外がすべて織田信雄に与えられたことも大きい。
秀吉と信雄、両者の間を仲介していたからこそ、なおさら、いずれは争いになると、心のどこかでそう思っていた。
(その時は主筋に弓引くことになる)
かつて祖父快幹がしてきたように、家を守るために義も恩も捨てる。
世の誹りは免れない。
それでも、夜更けに風の音を聞くたび、祖父の声が胸の底にかすかに残っている気がした。
(わしも、あの声と同じ道を歩むのか――)
「我等も準備万端整えておこう。義兄上にそう伝えてくれ」
再び伊勢に攻め入る。
母の血を分けた叔父、そして亡き岳父の息。
戦の名のもとに、縁の糸がひとつずつ断たれてゆく。
春の光の下でさえ、胸の奥には冷たい影が残った。
三月六日。事件は起きた。
清須から伊勢長島城へ移り、長島を居城としていた織田信雄が三人の家老を城へ呼び出し、内応の咎によりその場で討ち果たした。
問答無用――。
その報せを受けた忠三郎は、しばし言葉を失った。
手にした筆の先が震え、墨が硯の水に滲んでいく。
(また、同じことを)
脳裏に甦るのは、遠い日の観音寺城。
六角義治の前で、叔父・後藤賢豊とその子の後藤壱岐守が「謀反の疑いあり」と呼び出され、弁明の暇もなく斬られたあの日。
母・お桐は離縁され、重丸を抱えて逃げる途中で命を落とした。
以後、一度として「問答無用」という言葉が消えたことがない。
それは正しさの名を借りた恐れの刃。
正義を装って人が人を裁く、その醜さを幼心に刻みつけていた。
(中将殿もまた……同じか)
忠三郎は静かに筆を置いた。
信雄が問答無用で三家老を斬ったと聞いた瞬間、忠三郎の中の何かが音を立てて崩れた。
母の死と、家の崩壊と、すべてが重なって見えた。
「……もう、見限るほかあるまい」
呟きは誰に届くでもなく、冷えた硯の水に吸い込まれていった。
その三日後。
峯城を固めていた信雄の家臣たちが一斉に挙兵し、亀山城へ襲いかかった。
亀山城からの援軍要請を受け、忠三郎は秀吉のもとへ使者を送り、自らも峠を越えて再び伊勢へ向かった。
胸中には、あの決別の言葉が静かに居座っている。
一方、峯城の動きを察していた一益は馬印を掲げ、日永から亀山へと向かった。
八か月ぶりに、滝川の旗が風を孕んだ。
白地に黒の三つ巴――その紋が翻るのを見た村々から、鍬や鎌を手にした男たちが次々と駆け出してきた。
田を棄て、家を棄て、それでも駆ける足は迷わない。
「滝川の殿が戻られた」と声が広がり、夜明けとともに軍勢は見る間に膨れ上がった。
山道を抜けるたびに旗の影が増え、かつて静まり返っていた伊勢の野に、ふたたび戦の息が満ちていった。
一益は亀山城まであと二里のところで兵を二つに分けた。半数を谷崎忠右衛門に任せ、搦め手に回らせ、残る半数を率いて敵の側面へと回り込み、草むらに鉄砲隊を潜ませる。
「よいか。先陣が敵をおびき寄せる。合図の後、一斉に撃て」
寄せ手が大手門に押し寄せ、矢を射かければ敵が反応して追ってきた。滝川勢は逃げるそぶりを見せ、敵を草むらまで誘い込む。敵が追いすがったその瞬間、隠れた鉄砲隊が火を噴いた。
「今じゃ!撃て!」
義太夫の号令に山々が応え、銃声がこだまし、追ってきた敵兵が次々と倒れていく。
「敵がひるんだ。追い打ちを!」
滝川勢が踵を返すと、兵たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ惑った。
「搦め手まで追い込め!」
後方と側面から追い打ちをかけると、敵は狙いどおり搦め手へと逃げ込む。 そこを待ち構えていた谷崎忠右衛門の隊が襲い掛かり、思わぬ手に敵は雪崩を打って城山から駆け下り、峯城の方へと退いていった。
一益は馬上からしばらくその背を見つめていたが、やがて手を上げ、追撃を制した。
「深追いするな。ここで止めよ」
声は低く、風の音に紛れて消えた。
誰も返事をしなかった。返すまでもないと皆が察した。峯城目指して敗走していく敵の中に、義太夫の娘婿・楠十郎と、忠三郎の叔父・千種三郎左衛門がいる。
鉄砲の煙が風に流れ、戦場に残るのは泥と血の匂いだけだった。
義太夫は馬を進め、一益の横顔をうかがう。
眉間には怒りもなければ、勝ちどきの笑みもない。
ただ、風を見ている。
(……討つ気など、初めからない)
義太夫は気恥ずかしくなり、手綱を引き、ぼそりと呟いた。
「他愛もない。我らにとっては遠乗りに出たようなものじゃな」
一益は勝つために戦っているのではない。
この地を守り、誰かの命をこれ以上奪わぬために刀を抜いている。
それがどれほど報われぬ戦であっても、一益の刃は決して血を求めない。
風が旗を鳴らした。
義太夫はその音を聞きながら、ふと口の端をゆるめた。
「まっこと……殿らしきことよ」
呟きは誰に届くでもなく、銃声の余韻に溶けていった。
同じころ、秀吉の命で峠を越え、伊勢入りした忠三郎は堀久太郎、長谷川藤五郎らとともに亀山城に到着。すでに敵兵が退いたことを知り、慌てて滝川勢の後を追ってきた。
忠三郎が追いついたときには一益はもう峯城のある城山のふもと、安楽川の手前に陣を構えていた。
「ようやく追いつきました。まさか義兄上おひとりで敵を追い払うとは思うてもおりませなんだ。まこと、あざやかなお手並みで」
これまで信長に付き従ってきた忠三郎は、大軍を頼みにする戦さばかり目にしている。今回もそのつもりで、一益が近江からの兵を待って攻めかかると思っており、亀山城から敵の姿が消えているのは想定外だった。
尾張、美濃の兵が弱いことを知らぬものはいない。敵と同数では勝つことはできない。信長はそれを知っていたがために鉄砲を取り入れ、大軍を集めて戦さをしてきた。寡兵で戦う術を知らないのは供に来ている堀久太郎、長谷川藤五郎も同じだ。
「鶴はいつまでも殿には勝てぬな」
義太夫が笑いながら帷幕の中へ入って来た。
確かに義太夫の言う通りではあるが、忠三郎を始めとする信長の近臣たちは同じ戦国武将といっても群雄割拠時代の武将とは大きく異なる。
天下の行方を読む『官僚の目』を持っている。彼らにとって戦は己の生死ではなく、次の天下人の傘下にどう立つかの『局地戦』にすぎない。
「鶴。皆を集めて軍議じゃ」
「あ、その前に…」
忠三郎が何か言いたげな顔をした。義太夫は腕をつかんで外へ連れ出し、辺りを見回してから声を落とした。
「千種三郎左のことであろう。案ずるな。わしもあの中に身内がおる」
義太夫が苦笑すると忠三郎は不思議そうな顔をする。
「身内?」
「楠十郎の女房はわしの娘じゃ」
「義太夫の娘?おぬし、娘がいたのか?」
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「故あって道家彦八の元で育ったが、わしによーく似ておる。才色兼備とはまさにこのこと。しっかりしたよき姫じゃ」
そう言われると、義太夫の娘という姫に興味がわく。
「それは是非とも顔を拝ませてもらいたいのう」
「ならぬ、ならぬ。おぬしの毒牙にかけるわけにはいかぬ。たとえ城を落ち延びてきたとしても、鶴にだけは絶対会うなと言い含めておく」
真顔でそう言われ、忠三郎は声をあげて笑いながら、
「されど、峯城にいるのでは戦わざるを得まい。よいのか?」
「いや、逆に他の者でなく、我らが対峙することになり安堵しておる。殿なら無闇に将兵の命を取ることはない。此度も殿は峯城に攻め込むおつもりはないのじゃ」
「何?では…」
「開城を促し、退去を許すと仰せじゃ。何も言わずとも、殿は鶴が叔父のことで思いあぐねていることを心得ておられる」
義太夫が背を叩くと、忠三郎は苦笑した。
亀山城に籠るのが父方の叔父・関盛信。攻めているのが母方の叔父・千種三郎左。
どちらにも刃を向けられぬ己を、一益はすでに見透かしていたのだ。
川向こうでは木全彦次郎が大筒の用意をしている。
撃ち込んで士気を挫き、開城を促す腹づもりだろう。
「義兄上は甘いな」
忠三郎がポツリとそう言う。
「如何した、藪から棒に」
「あの甘さがあるから羽柴筑前には勝てなかった。義兄上であれば、三七殿の命を奪うこともなかったのであろうが…。それでは天下は取れぬ」
忠三郎の言葉に、義太夫は小さく笑って首を振った。
「殿は天下など、欲しいと思うてはおられぬ。此度も皆のために旗揚げされたまで。欲の深い者は争いを引き起こすというではないか。貧しくても、誠実に歩む者は、富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる」
少し間を置いて、にやりと付け加える。
「まぁ、きれいごとにしか聞こえぬであろうが、もう右府様がいのうなって二年。おぬしもそろそろ右府様の背中を追うのではなく、己の道を見極めたほうがよい」
「己の道を見極める?」
「然様。茶室で茶杓でも削りながらゆっくり考えよ」
義太夫の声に、忠三郎は黙って目を伏せた。
二年が過ぎ、滝川家の人々は浪人となり、忠三郎は家督を継いだ。
一益も義太夫も、過酷な現実を嘆かず、ただ静かに『いま』を受け入れている。
(されど、わしは…)
天下に名を馳せたい。
信長がいなくとも、このまま六万石で終わるつもりはない。
風が帷幕を打ち、火桶の灰がふわりと舞い上がった。
その灰が膝に落ちても、忠三郎は払わなかった。
拳をゆっくりと握りしめ、前を見た。
風はすでに、次の主を探している。
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