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6 色即是空
6-1 天白川
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叱られ終えた義太夫は、これも常のことと意気消沈することもなく、長島から船に乗ると桑名へは戻らず、南へと向かった。
数日前から日永・安国寺の住職、一益の弟である休天和尚に呼ばれていたのを思い出したのだ。
「日永も久方ぶりよのう」
目に映るのは、街道沿いに軒を連ねる家々、青く広がる田畑。鳥の声すら絶えた長島の焼け跡とは、別天地のようだった。
(殿は初めから、長島を捨て、この地を守ろうとお考えであったか…)
思い至って、義太夫は苦く笑った。一益ならば、あり得る。
日永は東海道と伊勢街道の追分にあたり、京へ向かう要衝。しかも天白川が流れ、土地は肥えている。
(この川を堤で制し、水を引き入れれば…一帯を田に変えられる。民は飢えず、争いも減ろう…)
戦を遠ざける手立ては、鉄砲ではなく鍬なのではないか。義太夫はそう思うに至った。
休天の口添えで集められた百姓は、たった三人。
義太夫は身振りを交えて語った。
「見よ、この地は肥えておる。堤を築けば稲が波のごとく実る! 子らは飢えず、女は笑い、男は戦に駆り出されずともすむ。皆が腹いっぱい飯を食える世が来る!」
しかし三人の百姓は、頑なに首を振るばかりであった。
「無理もあるまい」
休天は静かに言った。
「村の者にとって織田方は、北勢を焼き払った無法者にほかならぬ。加えて幾度も戦に駆り出され、疲れ果てておるのだ。これ以上の賦役など、とても耐えられまい」
義太夫は笑って受け流すように見せたが、その胸の奥では、なお思いが渦巻いていた。
(惜しいのう…。この地を拓けば、民は救われる。腹を満たすことができれば、人は他国の米を奪うために戦う必要もなくなるものを…)
だが、それを口にすることはなかった。
周りから見れば、いつもの軽口好きの義太夫にすぎない。
ただ、誰も知らぬ心の奥に、密かに、戦のない世を夢見ていた。
義太夫は、三百年以上前に日永城があったと伝わる丘山に登った。眼下には伊勢湾が広がり、その向こうにはうっすらと三河の地が霞んで見える。
かつてこの山の麓は海であったという。川上から幾世の時をかけて流れ来た土砂が積もり、やがて豊かな大地となった。水を含むその土は、忠三郎が常日頃から自慢している日野に劣らぬ肥沃さを備えている。否――伊勢湾に面し、温暖な気候に恵まれたこの地ならば、冷害に悩む日野以上の実りをもたらすはずだ。
義太夫は幾度もこの丘に登り、天白川の流れをどう引き入れるか、ひとり思案を重ねた。瞼の裏に浮かぶのは、荒涼とした地が黄金色の稲穂で波打つ未来の光景。
丘の南斜面には、かつて日永梅林と呼ばれる梅の森があったという。春になれば千本もの梅が白く咲き誇り、香の霞が空まで続いた――老いた旅僧からそう聞かされたことがある。
しかし、その梅林は応仁の乱の戦禍により焼き払われ、白梅の香も夢のごとく消え去った。以来、花は二度とこの丘を覆うことなく、荒れ地のまま長い歳月を耐えてきた。
(……あの花は、もう無いのか)
戦と荒廃で姿を消した梅林を思い浮かべ、胸の奥に、言葉にならぬ寂寥が広がった。
だが同時に、天白川の水を引き、この地を豊かな田に変えることができれば、再び春に白き花が丘を覆う日が来るかもしれぬ――そう夢想した。
伊勢湾に面した温暖な気候、肥えた土、そして清き水。
米も、麦も、そして梅の花も、きっとこの地を彩るだろう。
義太夫は丘の頂で足を止め、海風に吹かれながら静かに呟いた。
「……ここにも、花は戻る」
初夏の青空の下、青稲が風にそよぎ、夏を過ぎれば稲穂は黄金色に染まる。秋の日差しを浴びて輝く稲を刈り取る人々の笑顔――その幻を思い描くだけで、胸の内に温かな火が灯る思いがした。
だが、村人が誰一人として協力の意思を示さぬならば、それは夢のままで終わる。義太夫は壮大な構想を胸にしまい、自領の桑名で小さな薬草園と夏麦畑を作るに留めることにした。
――そんな折、設楽原の戦いを終えて伊勢に戻った直後、休天からの呼び出しが届いた。
安国寺へ向かうと、境内では見知らぬ童が一人、せっせと掃除をしていた。
(あれは……もしや、あの時の童か)
じっと見つめると、童もこちらに気づき、顔を上げた。
「もしや、義太夫殿にあらせられまするか」
「いかにも。休天殿はおられるか」
童は義太夫の背後に目をやる。ふと気配を感じて振り返ると、休天が不思議そうに立っていた。
「おぉ、驚いたわい。背後より忍び寄られるとは」
「驚いたのはわしのほうじゃ。武田との戦を終え、戻っておったか」
「お呼びと聞き及び参ったが……」
「呼んだ覚えはない。他の者と間違うたのではないか」
首をかしげる義太夫。確かに安国寺からの言伝と聞いたはず――。
思案していると、先ほどの童が真っ直ぐにこちらを見つめていた。
「もしや、そなたが呼んだのか」
童ははっきりと頷いた。
「金坊《きんぼう》、そちが義太夫殿を呼び出したのか」
「金坊? 小童の名か」
「然様。金吉《かねしち》と申したゆえ、金坊と呼んでおる」
金吉と名乗る童は休天の視線をよそに、義太夫へ歩み寄った。
「義太夫殿は天白川に堤を築き、田に水を引くと聞き及びました。ぜひ、わしもお手伝い仕りとうござります」
その声は幼いながらもまっすぐで、曇りのない瞳は澄み切った水のように義太夫を射抜いた。
(この子は――わしの戯れ言を、夢物語と笑わずに信じておるのか)
義太夫は頭をかき、わざと大げさに苦笑した。。
「おぬしの小さな手で、川を止められると思うておるのか? まぁ、石ひとつでも積んでくれれば助かるがの。されど村の者が…」
言いかけたところで、金吉は一歩踏み込み、子供らしからぬ鋭い声で遮った。
「飢えぬ地を作るに、なぜ容易く諦められるのじゃ」
「それは……」
思わず言葉を詰まらせ、再び金吉を見る。その小さな手には傷が残り、やはりあの時の童だと悟る。
「世の理はな、童が思うほど単純ではないのじゃ…」
言い訳めいた声を漏らすと、金吉は肩を落とし、背を向けて駆け去っていった。
「……がっかりさせてしもうたのう」
「金坊は、飢饉で弟を亡くしたと申しておった」
休天の言葉に、義太夫は胸の奥が詰まる思いで頷く。
「親は?」
「織田勢に討たれたと」
その一言が、金吉を孤児にした責をまっすぐに己に突きつけた。
(わしとて堤を築きたい思いはある。されど我らは余所者。伊勢を焼き払った無法者と見られる限り、耳を貸す者はおらぬ)
領民に背を向けられて、国を治めることなど叶うのか。金吉の落胆の顔が脳裏から離れない。
「そう気を落とすな。義太夫の務めは戦場であろう」
休天の慰めに、義太夫は苦い笑みを浮かべた。
(まるで、わしは戦しか能のない戦馬鹿と言われておるような……)
戦馬鹿に国を治めることなどできぬ。まして、自ら焼き払った地を容易く蘇らせることなど――。
(このままでは殿に相談しても、夢物語と笑われるだけかもしれぬ……)
一益は、果たしてどのようにして北勢を甦らせようというのか。
義太夫の脳裏には、ゆったりと流れる天白川の姿が浮かんでいた。
長雨の折には荒れ狂い、氾濫しては里を呑み込むその川も、晴れの日には青空を映してきらめき、澄んだ水音を奏でる。
(この川の流れを掴むことができれば、荒れ地もまた田となり、人々を飢えから救える…)
手のひらで決してすくいきれぬ川の流れのように、その思いも、今は胸のうちを過ぎゆくのみ。だが、その流れの底にも、確かに光はあった。
見えぬほど遠く、けれど途絶えることのない光が――。
数日前から日永・安国寺の住職、一益の弟である休天和尚に呼ばれていたのを思い出したのだ。
「日永も久方ぶりよのう」
目に映るのは、街道沿いに軒を連ねる家々、青く広がる田畑。鳥の声すら絶えた長島の焼け跡とは、別天地のようだった。
(殿は初めから、長島を捨て、この地を守ろうとお考えであったか…)
思い至って、義太夫は苦く笑った。一益ならば、あり得る。
日永は東海道と伊勢街道の追分にあたり、京へ向かう要衝。しかも天白川が流れ、土地は肥えている。
(この川を堤で制し、水を引き入れれば…一帯を田に変えられる。民は飢えず、争いも減ろう…)
戦を遠ざける手立ては、鉄砲ではなく鍬なのではないか。義太夫はそう思うに至った。
休天の口添えで集められた百姓は、たった三人。
義太夫は身振りを交えて語った。
「見よ、この地は肥えておる。堤を築けば稲が波のごとく実る! 子らは飢えず、女は笑い、男は戦に駆り出されずともすむ。皆が腹いっぱい飯を食える世が来る!」
しかし三人の百姓は、頑なに首を振るばかりであった。
「無理もあるまい」
休天は静かに言った。
「村の者にとって織田方は、北勢を焼き払った無法者にほかならぬ。加えて幾度も戦に駆り出され、疲れ果てておるのだ。これ以上の賦役など、とても耐えられまい」
義太夫は笑って受け流すように見せたが、その胸の奥では、なお思いが渦巻いていた。
(惜しいのう…。この地を拓けば、民は救われる。腹を満たすことができれば、人は他国の米を奪うために戦う必要もなくなるものを…)
だが、それを口にすることはなかった。
周りから見れば、いつもの軽口好きの義太夫にすぎない。
ただ、誰も知らぬ心の奥に、密かに、戦のない世を夢見ていた。
義太夫は、三百年以上前に日永城があったと伝わる丘山に登った。眼下には伊勢湾が広がり、その向こうにはうっすらと三河の地が霞んで見える。
かつてこの山の麓は海であったという。川上から幾世の時をかけて流れ来た土砂が積もり、やがて豊かな大地となった。水を含むその土は、忠三郎が常日頃から自慢している日野に劣らぬ肥沃さを備えている。否――伊勢湾に面し、温暖な気候に恵まれたこの地ならば、冷害に悩む日野以上の実りをもたらすはずだ。
義太夫は幾度もこの丘に登り、天白川の流れをどう引き入れるか、ひとり思案を重ねた。瞼の裏に浮かぶのは、荒涼とした地が黄金色の稲穂で波打つ未来の光景。
丘の南斜面には、かつて日永梅林と呼ばれる梅の森があったという。春になれば千本もの梅が白く咲き誇り、香の霞が空まで続いた――老いた旅僧からそう聞かされたことがある。
しかし、その梅林は応仁の乱の戦禍により焼き払われ、白梅の香も夢のごとく消え去った。以来、花は二度とこの丘を覆うことなく、荒れ地のまま長い歳月を耐えてきた。
(……あの花は、もう無いのか)
戦と荒廃で姿を消した梅林を思い浮かべ、胸の奥に、言葉にならぬ寂寥が広がった。
だが同時に、天白川の水を引き、この地を豊かな田に変えることができれば、再び春に白き花が丘を覆う日が来るかもしれぬ――そう夢想した。
伊勢湾に面した温暖な気候、肥えた土、そして清き水。
米も、麦も、そして梅の花も、きっとこの地を彩るだろう。
義太夫は丘の頂で足を止め、海風に吹かれながら静かに呟いた。
「……ここにも、花は戻る」
初夏の青空の下、青稲が風にそよぎ、夏を過ぎれば稲穂は黄金色に染まる。秋の日差しを浴びて輝く稲を刈り取る人々の笑顔――その幻を思い描くだけで、胸の内に温かな火が灯る思いがした。
だが、村人が誰一人として協力の意思を示さぬならば、それは夢のままで終わる。義太夫は壮大な構想を胸にしまい、自領の桑名で小さな薬草園と夏麦畑を作るに留めることにした。
――そんな折、設楽原の戦いを終えて伊勢に戻った直後、休天からの呼び出しが届いた。
安国寺へ向かうと、境内では見知らぬ童が一人、せっせと掃除をしていた。
(あれは……もしや、あの時の童か)
じっと見つめると、童もこちらに気づき、顔を上げた。
「もしや、義太夫殿にあらせられまするか」
「いかにも。休天殿はおられるか」
童は義太夫の背後に目をやる。ふと気配を感じて振り返ると、休天が不思議そうに立っていた。
「おぉ、驚いたわい。背後より忍び寄られるとは」
「驚いたのはわしのほうじゃ。武田との戦を終え、戻っておったか」
「お呼びと聞き及び参ったが……」
「呼んだ覚えはない。他の者と間違うたのではないか」
首をかしげる義太夫。確かに安国寺からの言伝と聞いたはず――。
思案していると、先ほどの童が真っ直ぐにこちらを見つめていた。
「もしや、そなたが呼んだのか」
童ははっきりと頷いた。
「金坊《きんぼう》、そちが義太夫殿を呼び出したのか」
「金坊? 小童の名か」
「然様。金吉《かねしち》と申したゆえ、金坊と呼んでおる」
金吉と名乗る童は休天の視線をよそに、義太夫へ歩み寄った。
「義太夫殿は天白川に堤を築き、田に水を引くと聞き及びました。ぜひ、わしもお手伝い仕りとうござります」
その声は幼いながらもまっすぐで、曇りのない瞳は澄み切った水のように義太夫を射抜いた。
(この子は――わしの戯れ言を、夢物語と笑わずに信じておるのか)
義太夫は頭をかき、わざと大げさに苦笑した。。
「おぬしの小さな手で、川を止められると思うておるのか? まぁ、石ひとつでも積んでくれれば助かるがの。されど村の者が…」
言いかけたところで、金吉は一歩踏み込み、子供らしからぬ鋭い声で遮った。
「飢えぬ地を作るに、なぜ容易く諦められるのじゃ」
「それは……」
思わず言葉を詰まらせ、再び金吉を見る。その小さな手には傷が残り、やはりあの時の童だと悟る。
「世の理はな、童が思うほど単純ではないのじゃ…」
言い訳めいた声を漏らすと、金吉は肩を落とし、背を向けて駆け去っていった。
「……がっかりさせてしもうたのう」
「金坊は、飢饉で弟を亡くしたと申しておった」
休天の言葉に、義太夫は胸の奥が詰まる思いで頷く。
「親は?」
「織田勢に討たれたと」
その一言が、金吉を孤児にした責をまっすぐに己に突きつけた。
(わしとて堤を築きたい思いはある。されど我らは余所者。伊勢を焼き払った無法者と見られる限り、耳を貸す者はおらぬ)
領民に背を向けられて、国を治めることなど叶うのか。金吉の落胆の顔が脳裏から離れない。
「そう気を落とすな。義太夫の務めは戦場であろう」
休天の慰めに、義太夫は苦い笑みを浮かべた。
(まるで、わしは戦しか能のない戦馬鹿と言われておるような……)
戦馬鹿に国を治めることなどできぬ。まして、自ら焼き払った地を容易く蘇らせることなど――。
(このままでは殿に相談しても、夢物語と笑われるだけかもしれぬ……)
一益は、果たしてどのようにして北勢を甦らせようというのか。
義太夫の脳裏には、ゆったりと流れる天白川の姿が浮かんでいた。
長雨の折には荒れ狂い、氾濫しては里を呑み込むその川も、晴れの日には青空を映してきらめき、澄んだ水音を奏でる。
(この川の流れを掴むことができれば、荒れ地もまた田となり、人々を飢えから救える…)
手のひらで決してすくいきれぬ川の流れのように、その思いも、今は胸のうちを過ぎゆくのみ。だが、その流れの底にも、確かに光はあった。
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