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1章 いらない子、アシェ
2 魔力なし
しおりを挟む頼まれた洗濯物と草むしりが終わったら、お皿を洗う。
「レオンちゃん、今日も学院の制服がよく似合ってるわ」
「まあね。アシェもおれくらい優秀なら学院に通えたのにな。まあ朝食すらまともに作れない役立たずに、かける金はないか」
お皿を洗う手がぴたりと止まる。
「……うん。ぼくもレオン義兄さんみたいにたくさん魔力があったら良かったな」
「まあもう無理だろうけど。
行ってきます。ママ」
「いってらっしゃい。レオンちゃん」
レオン義兄さんは魔術学院に通っている。
ぼくよりも魔力がたくさんあって優秀みたいだ。
ぼくは逆に魔力がちょっとしかないから、通う必要がないってお義母さんが言っていた。
でも本当は魔法のことをもっと知って、勉強してみたい。
けど、レオン義兄さんのいう通り、ぼくにかけるお金はどこにもないんだ。
お母さんが遺してくれたお金は、ぼくの養育費だって言ってお義母さんが全部持っていった。
そんなのは当たり前だろうって。
「アシェ!」
「はい」
泡の付いたお皿を置いて、急いでお義母さんの元に向かう。
「トイレ掃除と、風呂掃除。家の掃除もちゃんとするんだ。出掛けてくるからちゃんと終わらせておきな」
「はい」
お義母さんはそれだけ言うと、出かけていった。なんだかオシャレな格好をしてたくさん化粧をしていた。どこに行くかは知らない。
でも居ない時の方が気が楽だ。
お皿洗いを終わらせて、残ってたスープを飲む。結局お義母さんもお義兄さんも一口も飲まなかった。
「美味しいのにな」
こくりと飲んだスープはちょっとだけ、しょっぱさがまざっていた。
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