恋。となり、となり、隣。

雉虎 悠雨

文字の大きさ
36 / 86
第二章 車内でも隣には

35

しおりを挟む
「ただいまー」

 陽が沈み切る前に到着し、ゆきが玄関を開けると、ほぼ同時にゆきの母が呼び出してきた。

「おかえり、わあいらっしゃいませ」

 緩やかな口調とはうらはらに落ち着きない行動にも、目雲は取り乱さずに穏やかに対応する。

「初めまして目雲周弥と申します」
「ゆきの母です、お父さんはきっともうすぐ帰ってくるからね。上がって上がって」
「お邪魔します」

 不安通りに早速いない父が、来客を喜ばせようとどこか行っているのだろうとゆきには容易に想像できた。
 ゆきは目雲に謝りながら上がるように勧める。

 二人が上着を脱ぐとそれをゆきの母がもらい受け、廊下の壁にあるフォールフックに掛ける。
 ゆきの実家は一般的な四LDKの二階建ての戸建てだ。
 玄関を抜け廊下から扉を開けると明るいリビングがあり、その隣が壁付キッチンダイニングで扉正面のリビングの奥は続きの和室のなっていて仕切り襖をあけ放ってしまうと廊下側の扉からすべてを見渡せる作りになっている。和室の横にリビング階段があり、階段下がパントリーになっていた。ちなみに玄関からの廊下の一番奥が水回りになっていて、キッチンからも行ける家事動線になっている。

 この家を建てた時にゆきの母の一階はできるだけ遮るものがない空間にしたいという要望でできた間取りになっていた。
 ダイニングテーブルに座っていても和室の様子を見ることができ、リビングでも当然和室もダイニングも見渡せる。カウンターキッチンにしなかったのは、ゆきの母が料理しながら何かに注意を引かれるとケガをしやすいから、できなかったというのが正しい言い方だった。

 なので、リビングにやってきた目雲がキッチンに立つはるきの背中を見つけるのはすぐだった。
 扉が開く音がしたはるきは振り返ると目雲を見て慌てふためいた。

「わっ、ちょ、ちょ、お姉ちゃん!」

 はるきの驚きの理由を何となくわかるゆきは取り立てることもない。

「目雲さん、妹のはるきです」

 はるきの様子を気にせずゆきが紹介すると、はるきはダイニングテーブルの脇を抜けてゆきの隣に立った。

「あ、はい、はるきです」
「目雲周弥です」
「あ、こ、こんにちは」
「こんにちは」

 それが終わるとゆきの母が二人をリビングの大きな座卓へ促す。が、ゆきだけがはるきに捕まった。
 目雲に背を向けて、ゆきと同じくらいの身長のはるきがゆきの耳元にぐっと顔を寄せる。

「ちょっと何、あのカッコいい人」

 小声で話すはるきにゆきは驚きの理由が思った通りだったと一人頷いた。はるきはゆきが恋愛の条件で容姿があまり重要でないと知っているので、恋人を連れてくると言われて思い描いていた人はもっと違っていたのだろうと想像できた。
 きっと優しいと言ったのをそのまま膨らませた人物像ではないかと推測したのだ。目雲は高い身長もあり初対面では柔和な雰囲気を感じづらいのでその反応もゆきには想定内だ。

「なにって、目雲さんだよ。かっこいいよね」

 事実を淡々と告げるように言うとはるきが呆れ顔をした。

「その他人事の感じこそなに? お姉ちゃんの彼氏でしょ?」

「ほらほらお客様の前で内緒話しないの、ごめんなさいね」

 姉妹の背後に立った母が振り返って謝ると、目雲は綺麗に姿勢よく正座していて軽く会釈する。

「いえ、お気になさらず」
「しかも感じまで良い、想像以上ね」

 もう小声でもなくなったはるきは母ごしに目雲をみて堂々と褒めるとゆきの母が張り切った。

「そうよ、そういう話をこれからじっくり聞きましょう」

 渋い顔をしたのははるきだった。

「お母さん、それこそ本人達を前にして言うことじゃないよ。ちょっとずつじわじわ探り探り聞き出すんだよ、こういう時は」
「どっちもどっちだよ」

 ゆきが言えばはるきが苦笑いで目雲に向けて頭を下げる。

「すみません」
「いえ、大丈夫ですよ」

 目雲は微笑むまではいかないけれど柔らかい雰囲気は伝わる。

「ほらゆきも座って。ごめんねー、お父さん意気込んで買い物に行ってまだ帰って来てないの」

 目雲の対角に座ったゆきの母に目雲は改めて挨拶をした。

「こちらこそお招きいただきありがとうございます。こちらお口に合えばいいのですが」
「まあまあご丁寧に、わざわざ。ゆっくりして行ってね」
「もうすぐ夕ご飯じゃないの?」

 目雲の隣りに座りながらゆきが聞くと、さっきキッチンで用意していたお茶をはるきが運んできて正面から目雲の前に置く。

「ありがとうございます」

 はるきがお茶を促すように手を動かしながら労う。

「どうぞどうぞ、運転疲れたと思いますから、もうずっと座っててくださいね」

 目雲とゆきがお茶に手を付けるのを見ながら、ゆきの母が顎に手をやる。

「夕飯の準備はしてあるからいいんだけど、明日と明後日の分ね。何買ってきてくれるかな」
「お父さんのことだから何か大きいのじゃない?」

 はるきもお盆をひざに刺すようにしてそのまま正座で座っている。

「おせちも大きいの頼んじゃった。明日来るのよ」
「本当に大きいの好きだよね、今年だって目雲さん増えるだけなんだからさ」

 ゆきの父が一体何を買ってくるかの予想をしばらくしていたが、その夕飯後の話をゆきの母が始めた。

「二階のゆきの部屋に布団準備してあるから、一緒の部屋で良かったよね? そこの和室でも良かったんだけど、ゆっくり眠れないかもしれないと思って」
「僕はどこでも眠れますので、ゆきさんが良いところで大丈夫です」

 目雲が答えた後ゆきが思案する。

「うーん、確かに一階の和室だと夜遅くまで騒がしいのは間違いないので、目雲さんは二階で寝てください。私はどこでも眠れますから」

 別部屋にしようとしてると悟った目雲がつい聞いてしまう。

「嫌ですか?」
「いえいえ、そんなことはないです。誰か一緒でも眠れますか?」

 目雲が睡眠をとても大切にしているというのがゆきの認識だ。その邪魔をしたくないからこそ、今まで絶対に夕飯後は帰るようにしていた。

「僕は大丈夫です」

 そんな二人の会話を聞いているはるきが不審げな顔をする。

「二人は本当に付き合ってるんだよね?」
「はい」

 目雲が返事をするとゆきも頷く。

「うん」
「なんか話し方も余所余所しいし、付き合ってもう三カ月くらいなるのに一緒の部屋に泊まるくらいで。お互い一人暮らしなんだし、お泊りくらいあるでしょ?」

 ゆきはしみじみと感慨深さに浸る。

「はるきは大人だねぇ、もう少しで結婚するんだもんね」
「いや、お姉ちゃんが子供過ぎなんじゃん。まさかないの?」
「ないですね、そういえば」

 ゆきが目雲を見ると、目雲も頷く。

「ありません」

 急に何かを察したはるきが、よそよそしく話し始める。

「え、うん。ごめんなさい、来てもらっていきなり聞く話ではないですね。とりあえず、同じ部屋でいいじゃないでしょうか、ゆっくり話し合いをしてください」
「話し合い?」

 ゆきは目雲と実家で話し合わなければならないことがすぐには思い浮かばず小首を傾げたが、目雲の方はすぐに理解した。
「ご実家で何かするようなことはありませんから大丈夫ですよ」

 そのセリフでゆきにもピンときた。

「あ、そういう話し合いですか?」

 特に恥ずかし気もない様子にはるきの方が慌てる。

「だ、か、ら。お姉ちゃん二階でしてね。目雲さんが気まずいでしょ! お母さんだっているんだからさ」
「私のことは気にしないでいいのよ」

 ほほほと笑う母にはるきは突っ込む。

「そういう問題じゃないから」
「じゃあとりあえず荷物だけ持って行こうかな」

 はるきがどうにも居た堪れなさそうなことを感じて、ゆきは自分事なのに助け舟を出した。
 そして激しく同意したはるきに追い立てられるように目雲と二人荷物を持って二階に行く。

「エアコンはついてるからねー」

 階段下からの母の声にゆきが二階からお礼を返した。
 僅かにひんやりとした廊下からゆきが普段通り扉を開けると温かい空気が二人を迎え、明かりをつける。
 ゆきの部屋と言っても、すでに客間の様になっていて家具はほとんどない。唯一壁一面が本棚になっていてそこにぎっしりと本が詰め込まれている。

「ゆきさんのコレクションですか?」

 目雲が本棚の前に立ちそれを眺める。

「お気に入りですね、これでもかなり整頓した方といいますか、定期的に読み返す本たちなので減りようもないんですけど」

 布団は見当たらず、フローリングが広がった殺風景な部屋だ。ゆきが荷物を部屋の端に置きクローゼット開けると、いつもは圧縮袋に仕舞われている布団がふっくらとした状態で二組仕舞われていた。

「さっきの話なんですが」

 一先ずそのままクローゼットを閉めたゆきに、荷物を置いた目雲が話しかけた。

「話し合いですね」

 振り返りゆきは目雲の前に立ち、普段通り顔を見上げる。
 こういう話も恥ずかしそうにしないゆきを掴み切れないままに目雲は話をする。

「僕としては、ゆっくりでいいのではないかという考えです」

 付き合いだしてから外で会うことがほとんどで、目雲の部屋に行ったのも数えるほど。その時も宮前と飲むときだったので宮前が帰るタイミングでゆきも一緒に部屋を出ていて、そういうムードになったことがなかった。ゆきの部屋にも宮前と本棚を作りに来た一回だけなので同様だ。
 そもそも週一会うか会わないかで、それも丸一日一緒にいることもほとんどなく、目雲の仕事があったりゆきが体調を気遣って土日のどちらかの夕飯だけをどこかに食べに行くという週末も多かった。

 ゆきとしても何も急く必要がなく、そもそも会えるようになっただけで十分すぎるほど幸せな時期を未だに過ごしているのだから、もっと深い仲になろうとなどまだ至っていなかった。

「私も強い衝動を抱えているわけではないのでそれで問題ないですよ」

 とてもあっさりとしているゆきに、目雲がある懸念を確認する。

「別に複雑な事情があるからではないです」

 ゆきの教養の深さを理解している目雲は、自分の何かを思って情事を遠ざけていて、ゆきの方が気を使っているのかもしれないとも考えていた。

 ただゆきはその目雲の多分に含みのある言い方にはっきりと返事をできなかった。

「複雑な事情、ですか」

 目雲はゆきを座るように誘い、目線が近くなるとそれを告げた。

「いろいろ体のことで問題を抱えていることはゆきさんも知るところですが、夜の生活については何も支障がないということです」

 これでゆきには目雲の言いたいことが明瞭になった。
 男性機能に異常があるのではないかとゆきが考えてではないかと目雲が心配しているのだと分かり、思わぬ視点だったと膝を打ちそうだった。

「あ、それで私が何か遠慮しているという可能性を示唆してますか?」
「少し」
「うーん、知識として自律神経に強い乱れが生じると、性的機能に減退がみられることは知っています。相談されれば考えますが、それを目雲さんに当てはめていることは今のところありません。それ以外でも何かあるのかと深読みしてることもありませんよ」

 それどころか、まだまだ顔を見られるだけで浮かれていて、今以上に一緒にいる時間を増やそうとすら思っていなかったのだから、逆に申し訳なくすらなってきていた。

 目雲は一応疑念はなくなったと頷く。

「そうなんですね」

 そもそも二人は今も手を繋いだことすらほとんどない進展具合だった。
 ゆきは今回のことも実家だし、目雲なら実家で何かするようなことはないだろうと、勝手に思い込んでいたため特に夜どうするかなんて考えるどころか、できるだけゆっくり眠れる環境を作る方にばかり気を取られていた。

「その、思い悩ませてましたか?」

 余りに素振りがないのは良くなかったなと反省し始めたゆきを察知し、目雲の方が慌てた。

「悩んではいません、大丈夫です。最初にしたキスが同意を伴なわものだったので慎重になってはいますがそれは自業自得ですから」

 言われてゆきは思い出す。

「お別れのキスですね」
「すみません」

 ゆきはあの時のことを勿論忘れてはいなかったが、それを変に考えることもしていない。あの意味を聞き出すつもりもない。
 けれど、目雲の方がそれを気にしてゆきに違和感を覚えているなら払拭しなければならないとは思った。

「私から何か拒絶のようなものは感じていますか?」
「消極的なパターンは想定しています」

 ゆきの行動に何か感じるものがあったわけではなく、目雲がうかがってくれていたのだとゆきは悟る。

「奔放というわけでもないので行動的でもなくて、でもそこも知識だけは豊富なので仕掛けた方がいいならいろいろ試みますよ?」

 ゆきの読書は本当に雑食なので様々な艶やかな本も含まれるし、翻訳をする作品に閨事のシーンもあったりで、やろうと思いさえすれば実行できることはいくらでもあった。
 目雲はそのことに驚きもしなかったが、柔らかく首を横に振った。

「いえ、できればその主導権は僕に譲ってもらえると助かります。正直、ゆきさんがさっき言っていた衝動というものを僕が抑えている瞬間もあるので、ゆきさんからアクションを起こされると留められません」

 そんな雰囲気微塵も感じたことがなかったゆきは自分の鈍感さも呆れながら、目雲の方に感心した。

「隠すのが上手です」
「悟られないようにわざとしてます。これはゆきさんとは勢いではない付き合いがしたいという僕の我儘からです」

 勢いでないというのはゆきも意識こそしていないが、自然にそうなっていた。

「なんとなく、ちょっと分かります。私もここのところ毎日が楽しくて充実しているので、焦燥感もなくて、あえて文字通りの触れ合いを避けようとしてるわけでもなくて、本当にただ焦ってないだけと言いますか」

 自分の本心が伝わるようにとゆきも言葉を重ねると、目雲も納得して頷いた。

「これまで通り、僕たちのペースで進みましょう。歯止めが利かない日々が将来的にきますから」
「わぁーお」

 至って真面目な目雲に敢えて茶化すように言えば、目雲が微笑む。

「一緒の部屋で眠るのはゆきさん的には大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、目雲さんはどうですか?」
「僕もきちんと自制できます、まだ」

 目雲の言い方にゆきが笑った。

「ではとりあえず何もなくただ同じ部屋でゆっくり眠りましょう」




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

楠ノ木雫
恋愛
 蒸発した母の借金を擦り付けられた主人公瑠奈は、お見合い代行のアルバイトを受けた。だが、そのお見合い相手、矢野湊に借金の事を見破られ3ヶ月間恋人役を務めるアルバイトを提案された。瑠奈はその報酬に飛びついたが……

解けない魔法を このキスで

葉月 まい
恋愛
『さめない夢が叶う場所』 そこで出逢った二人は、 お互いを認識しないまま 同じ場所で再会する。 『自分の作ったドレスで女の子達をプリンセスに』 その想いでドレスを作る『ソルシエール』(魔法使い) そんな彼女に、彼がかける魔法とは? ═•-⊰❉⊱•登場人物 •⊰❉⊱•-═ 白石 美蘭 Miran Shiraishi(27歳)…ドレスブランド『ソルシエール』代表 新海 高良 Takara Shinkai(32歳)…リゾートホテル運営会社『新海ホテル&リゾート』 副社長

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません

恩田璃星
恋愛
蓮見千歳(はすみちとせ)は、血の繋がりのない叔父、遼平に少しでも女性として見てもらいと、幼い頃から努力を続けてきた。 そして、大学卒業を果たし千歳は、念願叶って遼平の会社で働き始めるが、そこには幼馴染の晴臣(はるおみ)も居た。 千歳が遼平に近づくにつれ、『一途な想い』が複雑に交錯していく。 第14回恋愛小説対象にエントリーしています。 ※別タイトルで他サイト様掲載作品になります。 番外編は現時点でアルファポリス様限定で掲載しております。

かりそめ婚のはずなのに、旦那様が甘すぎて困ります ~せっかちな社長は、最短ルートで最愛を囲う~

入海月子
恋愛
セレブの街のブティックG.rowで働く西原望晴(にしはらみはる)は、IT企業社長の由井拓斗(ゆいたくと)の私服のコーディネートをしている。彼のファッションセンスが壊滅的だからだ。 ただの客だったはずなのに、彼といきなりの同居。そして、親を安心させるために入籍することに。 拓斗のほうも結婚圧力がわずらわしかったから、ちょうどいいと言う。 書類上の夫婦と思ったのに、なぜか拓斗は甘々で――。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...