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第2章 御史権現(おふみごんげん)の闇祭り
第2章 御史権現(おふみごんげん)の闇祭り その❸『一週間の試練』
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御史権現(おふみごんげんえ)の闇祭りが終わると、亮介たち四人は、昔、修験道(しゅげんどう)の信奉者たちがお山詣(やまもうで)の際、宿泊所に使用していた施設、今では村営保養所に連れて行かれた。二十年ほど前に山伏が去り、廃屋となったものを村人総出でリニューアルし、来客のための宿泊施設として使用しているという。ここには、それぞれ十畳ほどの部屋があり、部屋の隅には何人分かの布団が積まれていた。
このリニューアルの際、保養所にはハイテク装置が装備されていた。各部屋の監視カメラから、遠隔コントロールできる自動キー、入り口の自動シャッターなど、外見は冴えない宿泊施設だが監視体制は万全だと村長は語った。
つまり、逃げ出すのは無理だから、大人しくしていろ、という意味だった。
「君たちには悪いことをしたと思っている。しかし、1週間黙って我慢してくれれば、私たちの意図と立場をわかってくれるはずだ」
村長は自信ありげに語った。そして、正式に謝罪をすると同時に十分な謝礼もするという。具体的には、あと六日間、保養所を訪れる村人とセックスしてくれれば、開放と同時に各人に五百万円ずつ謝礼を出すというのだ。また、女医師が、七十二時間有効の特別な避妊薬も出すし、催淫作用のある薬もくれるという。
しかし、これでは売春をしろ、と言っているのと同じことだった。また、一週間という時間にどんな意味があるのだろうか。花音はすでに十人以上の男たちとの性交を短期間で体験させられている。花音が、これ以上、他の男とのセックスを強要されるなど、自分自身が耐えられない、と亮介は思った。
「断れば?」
「闇祭りの時と同じことが起きるだけです」
つまり、薬を使ってでも強行する、という意味だろう。
花音は正直、どう思っているのだろう。どうしても花音の気持ちを確かめたいと感じた。しかし、散々見知らぬ男たちに凌辱された花音に、それを聞くのも酷だと思えた。
やがて、村長が、
「昨夜とこれからの分」
といいながら、女性二人に避妊薬を手渡し、施設を去って行った。
四人は急いで今後のことについて話し合い始めた。
亮介は「これでは、オレたちに金をやるから売春しろと言っているのと同じだ」と怒る。四人とも同意見だった。おまけに銃や薬を用いて、否応なく大勢の村人とセックスさせられていた。これは、正真正銘の犯罪行為である。
「なぜ、村の人たちは、こんなひどいことをするの?」
四人のうちで、最も肉体的にも精神的にもつらいのは、花音のはずだった。その花音が聞いてきた。花音は犯されながら考えていた。なぜ凌辱を止めてくれる人はいなかったのか。善良そうな人、常識人のような人、そして人の良さそうなオバさんもいた。しかし、皆んなが怯(おび)える自分を助けてくれなかった。
「悪いことと思っていないのかも」
花音は、そのパラドックス(逆説)に気がついた。
そうなのだ。生まれた時からフリーセックスの環境で育てば、それが普通になる。もちろん共同体にはルールや厳しい掟(おきて)もあるだろう。しかし、それに順応することが、この共同体に生きるための知恵だと思った。花音がこのことを話すと、唯花が頷(うなず)き、続いて話し始めた。
「日本では昭和の中頃まで夜這(ば)いの風習の残る地域があった。夜這い、つまり深夜に気に入った女の子の部屋に忍び込みセックスすること。夜這いされないと、欠点があるのか、と親は心配したらしい。子供ができたら、夜這いにきた男のうち、一番気に入った者を指名して、その男と結婚する。だから、夫となる人の子供ではない場合もあった」
「娘は初潮があったら、ベテランの男に頼んで破瓜(はか)の儀式を行ったとか、若衆宿で未亡人や主婦が筆下ろしを行ったとか……」
民俗学の学生なら、よく知っている話しだった。
また、閉塞(へいそく)した山間部の村では、近親交配の弊害を防ぐため、たまに訪れる旅人や町の人たちに妻を提供したという。今でも、ブータンや南太平洋の島嶼部(しょとうぶ)には、夜這いの風習が残っているとも言われている。
「しかし、それはこの村の事情で、オレたちは村人じゃない。どうして村のルールに従う必要があるんだ」
亮介はどうしても納得できなかった。
結論の出ないまま、村人が訪れる時間が近づいてきた。
昨日の今日だった。闇祭りで、あれだけの狂態を見せ、手当たり次第に性欲をぶつけ合っていた村人だ、今夜ぐらいは休息をとるだろうと思った。
夕食が終わり、保養所の隣にある、例の岩風呂に四人で訪れた。念入りに身体を洗う。精液の残滓(ざんし)や女たちの淫液、淫臭の名残(なご)りも感じられた。風呂を出ると、同じようなTシャツとショートパンツが用意されていた。
部屋に戻るとすでに二組の男女が布団を敷き始めていた。四十を過ぎたばかりだろうか。それにしても、高齢化の進む山間部の僻地の村にしては比較的若い。
二組みのカップルは、自分たちは夫婦だ、と言う。村人らしいが、闇祭りでは顔を合わせていなかった。二組とも十年ほど前に都会から故郷にリターンした帰住組だった。この村は、生まれ育った故郷を出て、都会に出ていた元住人の帰住には好条件で迎えてくれるという。税金はもちろく、光熱費はただ。仕事を用意してくれ、給与も破格、子供連れの場合は、高額の手当ても付くらしい。二組のカップルは都会に住む知人に不幸があり、数日間村を留守にしていた。それで、闇祭りでは、顔を合わせていなかった。
女たちは、話し始めると止まらない。小さなテーブルを出して、飲み物まで用意し始めた。これから、獣のようなセックスを始めるというのに、全く緊張感がない。こんな生活が日常化している、ということだろうか。
「この村は、フリーセックなの。村民とは、病気の時以外は、いつでもどこででも求められたらセックスするというのがルールなの。というより掟(おきて)ね」
「断ったら、どうなるんですか?」
夫たちはすでに、花音たちの乳房や股間に手を差し込み茂みを弄(いじく)っていた。花音は嫌な顔をして、身体を固くしている。
「村から追放されて、今後は村八分ね。高収入はなくなるし、親戚との縁も切れるわ」
「奥さんや旦那さんは、相手が他の人とセックスしても嫉妬しないんですか?」
「最初は、うちの旦那は、私がほかの男に抱かれるのが嫌だったらしいけど、何回もセックスしてるのを見て、逆に興奮すると言ってる。あなたたちは、変態と思うかもしれないけど、この村ではそれが正常なの」
「だけど、子供ができたらどうするのですか?」
「昔は他人の旦那の子でも夫婦との子として育てたらしいけど、今は避妊薬があるから、いやな男の子供は産まなくてすむ。あなたのようなイケメンの子種だったら、子供を産んでもいいかなぁ」
亮介の身体を、顔から下へと舐(なめ)るように目線を移す。
「話しは後にして、早くやろうよ。この娘も濡れてきたし」
花音の心は受け入れているわけではないかが、膣穴は少しずつ男の巧みな指先に反応し、次第に蜜が溢(あふ)れ始めていた。これは、大勢の男に犯された結果の条件反射のようなものだった。ペニスの侵入を助け、痛みを緩和するために潤滑剤を分泌する。花音の身体は、そんな体質に変わりつつあるのかも知れなかった。
「最近、忙しくてやれなかったんだ」
夫たちは、何はともあれペニスを膣穴に収め、とりあえず初液を放出したいらしい。花音を四つん這(ば)いにすると、陰部を舐め回す。そして素早く膣穴を確認すると、ペニスをズブズブと侵入させていった。
「ウッ、アー」
花音がわずかだが反応している。その犯される姿が哀れで、亮介は嫉妬心をかきたてられた。しかし、心に反して亮介のペニスは膨張していた。嫉妬心が潤滑剤となり、淫情を掻(か)き立ててしまったのだ。それを喜んだ人妻が、亀頭を咥え肉袋を揉(も)んでいる。昭夫は、横臥(おうが)体勢でお互いの性器を弄(いじく)りあっていた。
唯花は、ペニスを喉奥に突き立てられていた。
「ウグウグ」
苦しそうな喉音は聞こえるものの、表情は淫靡(いんび)で恍惚感さえ漂っていた。
「ウーッ、熱い!」
花音の膣奥に大量の精液が放出された。それに呼応するように、唯花の口中に白濁液が拡がっていった。
やはり身体を交えると、なんとなくリラックスした雰囲気になる。花音の場合も、今回は凌辱されたという感覚ではない。歓迎はしなかったが、成り行きでセックスしてしまったのだ。それほど嫌悪感はないため、なんとなくセックスを楽しんだ気もする。
テーブルの周りで、お茶を飲みながら、妻たちの世間話が始まった。四人とも全裸で、先程まで知らない同士が性器を弄りあったばかりだった。
「この村には移住や帰住の際に、必ず守らなければならない掟があるの。セックスを共有するということ。夫婦は当然、子供でさえ特定の年齢になるとフリーセックスになる」
と話した。
「ただし、セックスだけで、そのほかは干渉されない」
とも付け加えた。
「だから、ここに移住する時はお試し期間があるの。子供と離れて、決められた期間、ここの保養所に住むことになる。いま、隣の部屋に住んでいる夫婦が、丁度、そのお試し期間」
「お試し期間には何をするんですか?」
「みんなとセックスするの。毎晩、何人もと」
「奥さんたちもやったんですよね」
「私と旦那はここ出身だから、生理が始まったすぐに、村の世話役に女にさせられた。毎日、夜這(よば)いもあった。うちの旦那は夜這いの常連。肌が合うから結婚したわけ。だけど、遥(はるか)さんは都会出身だったから慣れるの大変だったよね」
もう一人の人妻が都会出身の遥さんだった。
「そうね、旦那に説得されて、最初は嫌だった。だけど、もう子供もいたし、離婚もしたくないし、一番はここでの収入が魅力だった。決めたのは、旦那の兄弟や両親が優しかったことね。旦那の兄弟は、私が嫌がらないように、気を使いながらセックスしてくれたし、その奥さんたちも旦那が私に射精するまで付き添ってくれた」
「え、ご主人の兄弟たちともやったんですか?」
「当然、みんなとやったわ。義父さんとも。もう年齢のせいかなかなか勃起しなかったけど、お姉さんたちが、しゃぶって大きくしてくれてやっと私の中に出すことができた」
「しかし、広瀬さんのところは大変だわ。うちの兄さんたちのように優しくないから」
いま、部屋の隣には、夫が村出身で奥さんが都会出身のカップルがいる。そのお試し期間が、今夜から始まる、と言うのだ。
「あそこは、後継ぎが源さんだから」
岩風呂で花音の膣穴に、容赦ない執拗さで白濁液を打ち込んだ、あの源さんである。
(つづく)
このリニューアルの際、保養所にはハイテク装置が装備されていた。各部屋の監視カメラから、遠隔コントロールできる自動キー、入り口の自動シャッターなど、外見は冴えない宿泊施設だが監視体制は万全だと村長は語った。
つまり、逃げ出すのは無理だから、大人しくしていろ、という意味だった。
「君たちには悪いことをしたと思っている。しかし、1週間黙って我慢してくれれば、私たちの意図と立場をわかってくれるはずだ」
村長は自信ありげに語った。そして、正式に謝罪をすると同時に十分な謝礼もするという。具体的には、あと六日間、保養所を訪れる村人とセックスしてくれれば、開放と同時に各人に五百万円ずつ謝礼を出すというのだ。また、女医師が、七十二時間有効の特別な避妊薬も出すし、催淫作用のある薬もくれるという。
しかし、これでは売春をしろ、と言っているのと同じことだった。また、一週間という時間にどんな意味があるのだろうか。花音はすでに十人以上の男たちとの性交を短期間で体験させられている。花音が、これ以上、他の男とのセックスを強要されるなど、自分自身が耐えられない、と亮介は思った。
「断れば?」
「闇祭りの時と同じことが起きるだけです」
つまり、薬を使ってでも強行する、という意味だろう。
花音は正直、どう思っているのだろう。どうしても花音の気持ちを確かめたいと感じた。しかし、散々見知らぬ男たちに凌辱された花音に、それを聞くのも酷だと思えた。
やがて、村長が、
「昨夜とこれからの分」
といいながら、女性二人に避妊薬を手渡し、施設を去って行った。
四人は急いで今後のことについて話し合い始めた。
亮介は「これでは、オレたちに金をやるから売春しろと言っているのと同じだ」と怒る。四人とも同意見だった。おまけに銃や薬を用いて、否応なく大勢の村人とセックスさせられていた。これは、正真正銘の犯罪行為である。
「なぜ、村の人たちは、こんなひどいことをするの?」
四人のうちで、最も肉体的にも精神的にもつらいのは、花音のはずだった。その花音が聞いてきた。花音は犯されながら考えていた。なぜ凌辱を止めてくれる人はいなかったのか。善良そうな人、常識人のような人、そして人の良さそうなオバさんもいた。しかし、皆んなが怯(おび)える自分を助けてくれなかった。
「悪いことと思っていないのかも」
花音は、そのパラドックス(逆説)に気がついた。
そうなのだ。生まれた時からフリーセックスの環境で育てば、それが普通になる。もちろん共同体にはルールや厳しい掟(おきて)もあるだろう。しかし、それに順応することが、この共同体に生きるための知恵だと思った。花音がこのことを話すと、唯花が頷(うなず)き、続いて話し始めた。
「日本では昭和の中頃まで夜這(ば)いの風習の残る地域があった。夜這い、つまり深夜に気に入った女の子の部屋に忍び込みセックスすること。夜這いされないと、欠点があるのか、と親は心配したらしい。子供ができたら、夜這いにきた男のうち、一番気に入った者を指名して、その男と結婚する。だから、夫となる人の子供ではない場合もあった」
「娘は初潮があったら、ベテランの男に頼んで破瓜(はか)の儀式を行ったとか、若衆宿で未亡人や主婦が筆下ろしを行ったとか……」
民俗学の学生なら、よく知っている話しだった。
また、閉塞(へいそく)した山間部の村では、近親交配の弊害を防ぐため、たまに訪れる旅人や町の人たちに妻を提供したという。今でも、ブータンや南太平洋の島嶼部(しょとうぶ)には、夜這いの風習が残っているとも言われている。
「しかし、それはこの村の事情で、オレたちは村人じゃない。どうして村のルールに従う必要があるんだ」
亮介はどうしても納得できなかった。
結論の出ないまま、村人が訪れる時間が近づいてきた。
昨日の今日だった。闇祭りで、あれだけの狂態を見せ、手当たり次第に性欲をぶつけ合っていた村人だ、今夜ぐらいは休息をとるだろうと思った。
夕食が終わり、保養所の隣にある、例の岩風呂に四人で訪れた。念入りに身体を洗う。精液の残滓(ざんし)や女たちの淫液、淫臭の名残(なご)りも感じられた。風呂を出ると、同じようなTシャツとショートパンツが用意されていた。
部屋に戻るとすでに二組の男女が布団を敷き始めていた。四十を過ぎたばかりだろうか。それにしても、高齢化の進む山間部の僻地の村にしては比較的若い。
二組みのカップルは、自分たちは夫婦だ、と言う。村人らしいが、闇祭りでは顔を合わせていなかった。二組とも十年ほど前に都会から故郷にリターンした帰住組だった。この村は、生まれ育った故郷を出て、都会に出ていた元住人の帰住には好条件で迎えてくれるという。税金はもちろく、光熱費はただ。仕事を用意してくれ、給与も破格、子供連れの場合は、高額の手当ても付くらしい。二組のカップルは都会に住む知人に不幸があり、数日間村を留守にしていた。それで、闇祭りでは、顔を合わせていなかった。
女たちは、話し始めると止まらない。小さなテーブルを出して、飲み物まで用意し始めた。これから、獣のようなセックスを始めるというのに、全く緊張感がない。こんな生活が日常化している、ということだろうか。
「この村は、フリーセックなの。村民とは、病気の時以外は、いつでもどこででも求められたらセックスするというのがルールなの。というより掟(おきて)ね」
「断ったら、どうなるんですか?」
夫たちはすでに、花音たちの乳房や股間に手を差し込み茂みを弄(いじく)っていた。花音は嫌な顔をして、身体を固くしている。
「村から追放されて、今後は村八分ね。高収入はなくなるし、親戚との縁も切れるわ」
「奥さんや旦那さんは、相手が他の人とセックスしても嫉妬しないんですか?」
「最初は、うちの旦那は、私がほかの男に抱かれるのが嫌だったらしいけど、何回もセックスしてるのを見て、逆に興奮すると言ってる。あなたたちは、変態と思うかもしれないけど、この村ではそれが正常なの」
「だけど、子供ができたらどうするのですか?」
「昔は他人の旦那の子でも夫婦との子として育てたらしいけど、今は避妊薬があるから、いやな男の子供は産まなくてすむ。あなたのようなイケメンの子種だったら、子供を産んでもいいかなぁ」
亮介の身体を、顔から下へと舐(なめ)るように目線を移す。
「話しは後にして、早くやろうよ。この娘も濡れてきたし」
花音の心は受け入れているわけではないかが、膣穴は少しずつ男の巧みな指先に反応し、次第に蜜が溢(あふ)れ始めていた。これは、大勢の男に犯された結果の条件反射のようなものだった。ペニスの侵入を助け、痛みを緩和するために潤滑剤を分泌する。花音の身体は、そんな体質に変わりつつあるのかも知れなかった。
「最近、忙しくてやれなかったんだ」
夫たちは、何はともあれペニスを膣穴に収め、とりあえず初液を放出したいらしい。花音を四つん這(ば)いにすると、陰部を舐め回す。そして素早く膣穴を確認すると、ペニスをズブズブと侵入させていった。
「ウッ、アー」
花音がわずかだが反応している。その犯される姿が哀れで、亮介は嫉妬心をかきたてられた。しかし、心に反して亮介のペニスは膨張していた。嫉妬心が潤滑剤となり、淫情を掻(か)き立ててしまったのだ。それを喜んだ人妻が、亀頭を咥え肉袋を揉(も)んでいる。昭夫は、横臥(おうが)体勢でお互いの性器を弄(いじく)りあっていた。
唯花は、ペニスを喉奥に突き立てられていた。
「ウグウグ」
苦しそうな喉音は聞こえるものの、表情は淫靡(いんび)で恍惚感さえ漂っていた。
「ウーッ、熱い!」
花音の膣奥に大量の精液が放出された。それに呼応するように、唯花の口中に白濁液が拡がっていった。
やはり身体を交えると、なんとなくリラックスした雰囲気になる。花音の場合も、今回は凌辱されたという感覚ではない。歓迎はしなかったが、成り行きでセックスしてしまったのだ。それほど嫌悪感はないため、なんとなくセックスを楽しんだ気もする。
テーブルの周りで、お茶を飲みながら、妻たちの世間話が始まった。四人とも全裸で、先程まで知らない同士が性器を弄りあったばかりだった。
「この村には移住や帰住の際に、必ず守らなければならない掟があるの。セックスを共有するということ。夫婦は当然、子供でさえ特定の年齢になるとフリーセックスになる」
と話した。
「ただし、セックスだけで、そのほかは干渉されない」
とも付け加えた。
「だから、ここに移住する時はお試し期間があるの。子供と離れて、決められた期間、ここの保養所に住むことになる。いま、隣の部屋に住んでいる夫婦が、丁度、そのお試し期間」
「お試し期間には何をするんですか?」
「みんなとセックスするの。毎晩、何人もと」
「奥さんたちもやったんですよね」
「私と旦那はここ出身だから、生理が始まったすぐに、村の世話役に女にさせられた。毎日、夜這(よば)いもあった。うちの旦那は夜這いの常連。肌が合うから結婚したわけ。だけど、遥(はるか)さんは都会出身だったから慣れるの大変だったよね」
もう一人の人妻が都会出身の遥さんだった。
「そうね、旦那に説得されて、最初は嫌だった。だけど、もう子供もいたし、離婚もしたくないし、一番はここでの収入が魅力だった。決めたのは、旦那の兄弟や両親が優しかったことね。旦那の兄弟は、私が嫌がらないように、気を使いながらセックスしてくれたし、その奥さんたちも旦那が私に射精するまで付き添ってくれた」
「え、ご主人の兄弟たちともやったんですか?」
「当然、みんなとやったわ。義父さんとも。もう年齢のせいかなかなか勃起しなかったけど、お姉さんたちが、しゃぶって大きくしてくれてやっと私の中に出すことができた」
「しかし、広瀬さんのところは大変だわ。うちの兄さんたちのように優しくないから」
いま、部屋の隣には、夫が村出身で奥さんが都会出身のカップルがいる。そのお試し期間が、今夜から始まる、と言うのだ。
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