18 / 47
《第二章:世界核継承戦 — 蒼光の代行者と黒律の目覚め》
第18話 本編:選んだのは“存在の未来”
しおりを挟む
影が膝をついたまま、
ゼロ核は暴走し続けていた。
黒い空白が広がる。
世界の線が消え、根核の鼓動が弱まる。
ユリとノアは叫び続けている。
「レオン! 早く!!
ゼロ核を壊さなきゃ世界が死ぬ!!」
「世界核同士の衝突だぞ!!
ここで止めなきゃ大陸がひとつ消える!!」
影は震える声で呟いた。
「……レオン……
僕を……終わらせて……くれ……
これ以上暴れたら……
君の世界まで壊してしまう……」
ゼロ核が再び、大きく脈打つ。
(……選ばなきゃいけない……
消すか……救うか……)
胸の奥で、青い光が揺れた。
――違うよ、レオン。
――その二つだけじゃない。
(……第三の……選択……?)
影が頭を垂れ、泣き声に変わる。
「僕は……生まれられなかった。
レオン……君の世界には……
僕みたいな“失敗作”は……要らないんだ……」
その言葉に、胸が締め付けられた。
(そんなこと……ない)
俺は影に近づいた。
剣ではなく――手を伸ばした。
ユリが絶叫する。
「レオン!!
触れたら消えるよ!!?」
ノアの声が震える。
「反転モードを解け!!
暴走したら君も巻き込まれる!!
そんな無茶――!」
俺は一歩、踏み出した。
(“繋ぐ律”なら……
この現実も……変えられる)
影の前に立ち、はっきり言った。
「影。
お前を消すこともしない。
世界をゼロに戻すこともさせない。」
影の瞳が揺れた。
「……だったら……
僕は……どうすれば……いい……?」
俺ははっきり言った。
「――お前を“世界に繋ぐ”。
ゼロじゃなく。
黒でも青でもない。
“存在として”繋ぎ直す。」
ユリもノアも息を飲む。
影が呆然と呟く。
「……そんなこと……
できるはずが……ない……
僕は……存在しなかった命……
世界に拒絶されたままの……」
「だったら、俺が繋ぐ。」
剣ではなく、手をゼロ核へと伸ばす。
ゼロ核が強く抵抗し、
空白が腕を飲み込もうとする。
(……構わない……)
青律が、胸の中心で爆ぜた。
### ■ 《青律:源流接続(ソース・リンク)》 起動
世界が青に染まり、
すべての生命線が明滅を始める。
ユリが恐怖で叫ぶ。
「レオン!!!
その技は……!
あなたの生命線が削れる!!
寿命が……!!」
ノアも絶叫した。
「やめろ!!
源流接続は自殺行為だ!!!
その出力は……人間が扱っていい領域じゃない!!」
構わない。
影を救えるなら。
存在として繋ぎ直せるなら。
影の目が大きく開いた。
「……レオン……
君……そんな……
自分を……削ってまで……?」
俺は笑った。
「繋ぐってのは……
そういうもんだろ?」
青い光が世界中に広がり、
ゼロ核と青律が接続する。
黒と青がぶつかり――
反転モードが第三段階へ突入した。
### ■ 《因果反転:起源修復(オリジン・リペア)》
“存在できなかった命の因果”を書き換える。
影が震えた。
「……そんな……
そんなこと……できるのか……?」
「できるさ。
お前は――最初から“存在したかった”んだろ?」
「……っ……!」
影の目から黒い涙が溢れる。
ゼロ核が形を失い、
球体としての“外殻”が剥がれ始めた。
中から――
淡い青黒い“命の種”のような光が現れた。
影はそれを見て震えた。
「これ……僕の……
本当の核……?
削除される前の……青律の……?」
俺は頷く。
「そうだ。
お前の“存在できなかった命”。
俺が繋ぎ直す。」
影の手が、俺の手に触れた。
黒ではなく――
温度のある手だった。
「レオン……
僕……もう一度……
生きられる……?」
「生きろよ。
今度は――“お前として”。」
世界が青く爆ぜた。
黒律の暴走が止まり、
ゼロ核はゆっくりと閉じていく。
影の第三形態は崩れ、
黒い霧が剝がれ落ちていく。
残ったのは――
あの日、世界に拒絶された小さな命の光。
影は泣きながら呟いた。
「……ありがとう……
レオン……
僕は……初めて……
“生きたい”って思えた……」
その瞬間――
世界核全域が震えた。
青律と黒律が接続したことによる、
“世界核の運命を変える衝撃”。
根核が光り、
空間が歪み、
新たな律の流れが生まれていく。
レオンは膝をついた。
(……やべえ……
生命線……かなり……削れた……)
ユリとノアが駆け寄る。
「レオン!!!」
「しっかりしろ!!」
影は、倒れかけたレオンを抱きとめた。
黒ではなく。
温かい手で。
「レオン……
君が選んだ未来……
僕が守るから……」
虚無の王子ではなく。
ゼロ核の怪物でもなく。
**“存在として繋がった影”がそこにいた。**
第二章は――
新たな命の誕生でクライマックスを迎える。
ゼロ核は暴走し続けていた。
黒い空白が広がる。
世界の線が消え、根核の鼓動が弱まる。
ユリとノアは叫び続けている。
「レオン! 早く!!
ゼロ核を壊さなきゃ世界が死ぬ!!」
「世界核同士の衝突だぞ!!
ここで止めなきゃ大陸がひとつ消える!!」
影は震える声で呟いた。
「……レオン……
僕を……終わらせて……くれ……
これ以上暴れたら……
君の世界まで壊してしまう……」
ゼロ核が再び、大きく脈打つ。
(……選ばなきゃいけない……
消すか……救うか……)
胸の奥で、青い光が揺れた。
――違うよ、レオン。
――その二つだけじゃない。
(……第三の……選択……?)
影が頭を垂れ、泣き声に変わる。
「僕は……生まれられなかった。
レオン……君の世界には……
僕みたいな“失敗作”は……要らないんだ……」
その言葉に、胸が締め付けられた。
(そんなこと……ない)
俺は影に近づいた。
剣ではなく――手を伸ばした。
ユリが絶叫する。
「レオン!!
触れたら消えるよ!!?」
ノアの声が震える。
「反転モードを解け!!
暴走したら君も巻き込まれる!!
そんな無茶――!」
俺は一歩、踏み出した。
(“繋ぐ律”なら……
この現実も……変えられる)
影の前に立ち、はっきり言った。
「影。
お前を消すこともしない。
世界をゼロに戻すこともさせない。」
影の瞳が揺れた。
「……だったら……
僕は……どうすれば……いい……?」
俺ははっきり言った。
「――お前を“世界に繋ぐ”。
ゼロじゃなく。
黒でも青でもない。
“存在として”繋ぎ直す。」
ユリもノアも息を飲む。
影が呆然と呟く。
「……そんなこと……
できるはずが……ない……
僕は……存在しなかった命……
世界に拒絶されたままの……」
「だったら、俺が繋ぐ。」
剣ではなく、手をゼロ核へと伸ばす。
ゼロ核が強く抵抗し、
空白が腕を飲み込もうとする。
(……構わない……)
青律が、胸の中心で爆ぜた。
### ■ 《青律:源流接続(ソース・リンク)》 起動
世界が青に染まり、
すべての生命線が明滅を始める。
ユリが恐怖で叫ぶ。
「レオン!!!
その技は……!
あなたの生命線が削れる!!
寿命が……!!」
ノアも絶叫した。
「やめろ!!
源流接続は自殺行為だ!!!
その出力は……人間が扱っていい領域じゃない!!」
構わない。
影を救えるなら。
存在として繋ぎ直せるなら。
影の目が大きく開いた。
「……レオン……
君……そんな……
自分を……削ってまで……?」
俺は笑った。
「繋ぐってのは……
そういうもんだろ?」
青い光が世界中に広がり、
ゼロ核と青律が接続する。
黒と青がぶつかり――
反転モードが第三段階へ突入した。
### ■ 《因果反転:起源修復(オリジン・リペア)》
“存在できなかった命の因果”を書き換える。
影が震えた。
「……そんな……
そんなこと……できるのか……?」
「できるさ。
お前は――最初から“存在したかった”んだろ?」
「……っ……!」
影の目から黒い涙が溢れる。
ゼロ核が形を失い、
球体としての“外殻”が剥がれ始めた。
中から――
淡い青黒い“命の種”のような光が現れた。
影はそれを見て震えた。
「これ……僕の……
本当の核……?
削除される前の……青律の……?」
俺は頷く。
「そうだ。
お前の“存在できなかった命”。
俺が繋ぎ直す。」
影の手が、俺の手に触れた。
黒ではなく――
温度のある手だった。
「レオン……
僕……もう一度……
生きられる……?」
「生きろよ。
今度は――“お前として”。」
世界が青く爆ぜた。
黒律の暴走が止まり、
ゼロ核はゆっくりと閉じていく。
影の第三形態は崩れ、
黒い霧が剝がれ落ちていく。
残ったのは――
あの日、世界に拒絶された小さな命の光。
影は泣きながら呟いた。
「……ありがとう……
レオン……
僕は……初めて……
“生きたい”って思えた……」
その瞬間――
世界核全域が震えた。
青律と黒律が接続したことによる、
“世界核の運命を変える衝撃”。
根核が光り、
空間が歪み、
新たな律の流れが生まれていく。
レオンは膝をついた。
(……やべえ……
生命線……かなり……削れた……)
ユリとノアが駆け寄る。
「レオン!!!」
「しっかりしろ!!」
影は、倒れかけたレオンを抱きとめた。
黒ではなく。
温かい手で。
「レオン……
君が選んだ未来……
僕が守るから……」
虚無の王子ではなく。
ゼロ核の怪物でもなく。
**“存在として繋がった影”がそこにいた。**
第二章は――
新たな命の誕生でクライマックスを迎える。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
パワハラで会社を辞めた俺、スキル【万能造船】で自由な船旅に出る~現代知識とチート船で水上交易してたら、いつの間にか国家予算レベルの大金を稼い
☆ほしい
ファンタジー
過労とパワハラで心身ともに限界だった俺、佐伯湊(さえきみなと)は、ある日異世界に転移してしまった。神様から与えられたのは【万能造船】というユニークスキル。それは、設計図さえあれば、どんな船でも素材を消費して作り出せるという能力だった。
「もう誰にも縛られない、自由な生活を送るんだ」
そう決意した俺は、手始めに小さな川舟を作り、水上での生活をスタートさせる。前世の知識を活かして、この世界にはない調味料や保存食、便利な日用品を自作して港町で売ってみると、これがまさかの大当たり。
スキルで船をどんどん豪華客船並みに拡張し、快適な船上生活を送りながら、行く先々の港町で特産品を仕入れては別の町で売る。そんな気ままな水上交易を続けているうちに、俺の資産はいつの間にか小国の国家予算を軽く超えていた。
これは、社畜だった俺が、チートな船でのんびりスローライフを送りながら、世界一の商人になるまでの物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。
蛇崩 通
ファンタジー
ネットオークションに、異世界転移魔方陣が出品されていた。
三千円で。
二枚入り。
手製のガイドブック『異世界の歩き方』付き。
ガイドブックには、異世界会話集も収録。
出品商品の説明文には、「魔力が充分にあれば、異世界に行けます」とあった。
おもしろそうなので、買ってみた。
使ってみた。
帰れなくなった。日本に。
魔力切れのようだ。
しかたがないので、異世界で魔法の勉強をすることにした。
それなのに……
気がついたら、魔王軍と戦うことに。
はたして、日本に無事戻れるのか?
<第1章の主な内容>
王立魔法学園南校で授業を受けていたら、クラスまるごと徴兵されてしまった。
魔王軍が、王都まで迫ったからだ。
同じクラスは、女生徒ばかり。
毒薔薇姫、毒蛇姫、サソリ姫など、毒はあるけど魔法はからっきしの美少女ばかり。
ベテラン騎士も兵士たちも、あっという間にアース・ドラゴンに喰われてしまった。
しかたがない。ぼくが戦うか。
<第2章の主な内容>
救援要請が来た。南城壁を守る氷姫から。彼女は、王立魔法学園北校が誇る三大魔法剣姫の一人。氷結魔法剣を持つ魔法姫騎士だ。
さっそく救援に行くと、氷姫たち守備隊は、アース・ドラゴンの大軍に包囲され、絶体絶命の窮地だった。
どう救出する?
<第3章の主な内容>
南城壁第十六砦の屋上では、三大魔法剣姫が、そろい踏みをしていた。氷結魔法剣の使い手、氷姫。火炎魔法剣の炎姫。それに、雷鳴魔法剣の雷姫だ。
そこへ、魔王の娘にして、王都侵攻魔王軍の総司令官、炎龍王女がやって来た。三名の女魔族を率いて。交渉のためだ。だが、炎龍王女の要求内容は、常軌を逸していた。
交渉は、すぐに決裂。三大魔法剣姫と魔王の娘との激しいバトルが勃発する。
驚異的な再生能力を誇る女魔族たちに、三大魔法剣姫は苦戦するが……
<第4章の主な内容>
リリーシア王女が、魔王軍に拉致された。
明日の夜明けまでに王女を奪還しなければ、王都平民区の十万人の命が失われる。
なぜなら、兵力の減少に苦しむ王国騎士団は、王都外壁の放棄と、内壁への撤退を主張していた。それを拒否し、外壁での徹底抗戦を主張していたのが、臨時副司令官のリリーシア王女だったからだ。
三大魔法剣姫とトッキロたちは、王女を救出するため、深夜、魔王軍の野営陣地に侵入するが……
究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった
盛平
ファンタジー
パティは教会に捨てられた少女。パティは村では珍しい黒い髪と黒い瞳だったため、村人からは忌子といわれ、孤独な生活をおくっていた。この世界では十歳になると、神さまから一つだけ魔法を授かる事ができる。パティは神さまに願った。ずっと側にいてくれる友達をくださいと。
神さまが与えてくれた友達は、犬、猫、インコ、カメだった。友達は魔法でパティのお願いを何でも叶えてくれた。
パティは友達と一緒に冒険の旅に出た。パティの生活環境は激変した。パティは究極の妹属性だったのだ。冒険者協会の美人受付嬢と美女の女剣士が、どっちがパティの姉にふさわしいかケンカするし、永遠の美少女にも気に入られてしまう。
ぼっち少女の愛されまくりな旅が始まる。
魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです
忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる