アイスとチーズ

迷熊井 泥(Make my day)

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パスタみたい

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「愛洲が今持ってるナイフの刃を見てみて」

ナイフの刃を見てみると黒いナイフにわかりやすく白い鉄の鋭い刃がついている。

「それは機械でグラインドされた刃なの。でもこれ見て」

そう言って取り出した折りたたみナイフを見せる。

「あ。グラインドの刃じゃない」

「そ。刃からこの角度がついたとこまでフラットでしょ」

「うん」

「それ、日本刀と同じってこと」

「そうなの?」

「誕生日にアニキからもらったんだ」

「お義兄さんがいるんだ」

「そ。その黒いナイフもアニキのお気に入りを借りてきた」

「レザーネック、お気に入りなんだ」

「ドイツのD2鋼(ディーツーこう)だって。真ん中の刃の区切りがコーティング落ちてるでしょ」

「黒いのが?」

「そこがバトニングのとき薪を割ってく役割をするんだって。前の4116ステンレスはすぐぬるくなってダメだったけどこのD2は気に入ってる」

「ふーん」

「で、私のこのフィンウルフはAUS8のステンレス鋼。愛知の鉄でよく出回ってるんだって。でもこれがフェザーには強いんだよね」

沙織は割り箸4,5本分ほどの細くなった薪の一本を取り、折りたたみナイフで丁寧に表面を削る。
削られた部分は寝起きの髪のように反り出す。
最後まで切らずにまた次を削り出す。
それを繰り返すと細薪の先端が羽根のように反り出す。

「こうすると細くて焼きやすくなるの」

「へえそれが天使の羽根スティック」

「フェザースティックね」

沙織は折りたたみ式の四角い筒状のストーブを組み立て、フェザースティックを上から突っ込んだ。

「まあ、ほんとはもっと薄く削るんだけどそのうちもっとうまくなる」

「ねぇ、やってみてもいい?」

「もちろん」

恐る恐る香織は削り出した。
削りが厚いと反り上がりも弱く、結果天使の羽根のようにはならない。 
扇子の蛇腹を思い出させる。

「うまくいかないなあ」

「そんなもんだよ、最初は。わたしだってアニキからすると全然下手って言われるもん」

「そうなの?」

「ま、とりあえず火がつけば良し」

沙織はレザーネックでフェザースティックを削り出した。

「そのナイフでもできるんだ」

「このナイフも育ってるから」

「育ってる?」

「アニキがそれなりに研いでる。元々このメーカーは刃付きが良くて頑丈で有名なの。それをさらに幾度も研いでるから」

2人はある程度フェザースティックが出来上がったところでストーブに入れた。
それを沙織は放線状におき直した。

「パスタ茹でるみたい」

香織の言葉に沙織は不敵な笑みを浮かべた。

「パスタ?もっとすごいもん作るから」

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