練習なのに、とろけてしまいました

あさぎ

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9.濡らされる身体

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 耳への刺激に悶えていたら、いつの間にか服は上まで捲り上げられ、下着もずらされていた。
 布で隠されていた胸が露わになったせいで、先端を弄っている主任の指先がおもむろに視界に入ってくる。
 目の当たりにしたことで触られている実感がどっと押し寄せ、恥ずかしいという気持ちと同時にお腹の奥がきゅんきゅん疼いた。

「んあ……っ……しゅ、にん……っ……」
「だんだんいやらしくなってきたな」

 よくできましたみたいな調子で言われたけど、それは褒めてるの……?
 熱が出た時よりも熱い身体と、息の上がった酸素不足の脳では、まともな判別ができない。
 乱れた呼吸からは甘い吐息しかこぼれなくて、まるで主任を誘ってるみたいだ。

 ――恥ずかしすぎる……

 この熱を下げないと、もっともっと恥ずかしい自分を見せてしまいそうな気がした。
 わたしはなけなしの力で彼の胸を押し、蚊の鳴くような声で主任を引き離そうとした。
 
「も、う……これ以上は……だめ、ですっ……」
「厳しくしてほしかったんじゃないのか?」
「っ……」

 たしかにそうなんだけど、それはこうなる前の話だ。
 こんなえっちな自分をさらけ出すことになるなんて思ってなかった。
 羞恥心に勝てないわたしはすみませんの意味を込めて、ふるふると首を横に振った。
 すると主任は、ふっと小さな笑みを浮かべる。
 目元を和らげた優しい表情だ。
 こんな柔らかい顔をした主任は見たことがなかったから、この状況から解放してくれるのだと思った。
 いろいろ恥ずかしいことはされたけど、もう十分感じるという感覚は味わったし、身体にも刻み込まれた。
 ここまで練習に付き合ってくれたことには感謝したいと思う。
 
 ところがだ。
 解放なんてものはとんだ勘違いで、

「却下だ」

 と仕事のときと同じ口調で言い放った主任は、そのままわたしの小さな抵抗を無視して、露わになった胸の頂きにかぷりとかぶりついてきたのだ。
 これまでのどの刺激よりも甘い波がわたしの身体を飲み込み、おかしくなりそうだった。
 
「あぁん……っ!」

 我慢できなくて上げた嬌声に、主任がちらりと上目遣いで見てくる。
 見つめたままくまなく先端とその周りを舐められ、すごくいやらしいことをされているのに目が逸らせない。
 艶めかしく動き回る赤い舌が、もっと舐めてと言わんばかりにピンと主張した尖りを濡らし、淡く色づいた蕾がだんだん色を濃くし熟れていった。

 指先とは違う柔らかな感触と甘い刺激に身悶えながら、トロトロとお腹の奥が疼き雫がこぼれ落ちていく。
 次から次へと押し寄せる快感を、どうにもやり過ごすことができなくて背中が反ってしまう。
 すると、もっと舐めてくださいと胸を差し出しているみたいになった。
 引っ込めたいけれど、チロチロと動く舌が絶え間なく快感を与えてくるから元に戻せない。

「や……あぁッ」
「いい反応だ」

 浮いた背中に、主任はすかさず手を入れ自分のほうに引き寄せた。
 快感から逃げようとするわたしをしっかりホールドし、反対の胸もねっとり舐め回してくる。

「あっ……ンっ……ぁっ……あぁっん……!」

 自分でもどこから声を出しているのかわからないほど、淫らな声がこぼれた。
 身体に走る甘い痺れは、えっちな蜜となってショーツを濡らしていく。
 こんなにも従順に反応してしまうことが恥ずかしくて、涙声になってしまう。
 
「しゅ、にん……っ、わたし……もう……」

 呼吸が弾んでいるせいで言葉が途切れ途切れだ。
 これ以上見ないで……そんな思いから目にも涙が滲んできた。
 顔を上げた主任は弱々しいわたしに目を細めると、いまにもこぼれ落ちそうな涙を拭って唇を寄せてきた。
 チュッという軽い音がしたと思たったら瞼にキスをされていて、わたしの思考は一瞬止まる。

(っ……、いまの……なに……?)

 まるで恋人にするようなキスに戸惑いが生じた。
 だって漫画にはこんなシーンなかったから……
 唇を離した主任と視線が重なるけれど、愛おしそうな眼差しにきゅんと胸が締めつけられ、同時にお腹の奥からとろりと蜜がこぼれた。
 
(ウソ……なんでいまので……濡れるの?)

 快感を与えられたわけでもないのに、ショーツがしっとり湿っていく。
 その間も、主任の視線は真っ直ぐわたしを見つめていた。
 あまりにも真っ直ぐすぎて、心の中を覗かれてしまいそうだ。
 やだ、バレたくない。
 こんなにもはしたなく濡らしてしまっているなんて、絶対知られたくない。
 わたしは顔を逸らすと太腿に力を入れ、ぎゅっと脚を閉じた。
 
 けれど、主任はすぐに気づいたようだ。
 すかさずわたしの両手を頭の上で押さえると、片手で器用にスカートを脱がせ、太腿の内側をなぞりながら手を割り込ませようとしてきた。
 慌ててさらに力を込めたけれど、主任のほうが上手で……
 
「お前の声、すごくそそられる」
「っ……」

 そんないい声で、そんなこと言われたら一瞬で気が緩んでしまった。
 その隙をついて太腿の間に手を入れられてしまい、ショーツの上から秘所に触れてくる。
 わたしはまた快感の波に飲まれ、甘い声を上げた。

「や……ッ……あっ……!」
 
 割れ目を上下に撫でられると、濡れすぎているせいでくちゅっと粘着質な音が聞こえてくる。

「こっちもヤバいな」
「あっ、ん……ぁッ……あぁ……っ」

 指先が割れ目の間にある花芽に当たり、とろけてしまいそうな快感にビクビクと身体が震えた。
 主任の指は何度も行っては来たりを繰り返し、そのたびに花芽にも当たるから下腹部に甘い熱がたまっていく。
 気づけばわたしは、悶えるように自分で腰を動かしていた。
 そんなことがしたいわけじゃないのに、勝手に動いてしまって止めることができない。

「んぁ……っ、は……やぁ……んっ」
「気持ちよくなってきて物足りないって顔だな」
「そうじゃ……ありませ……、ひゃあっ! ああぁんっ!」
 
 主任はもっと感じろとばかりに手をショーツの中に入れ、直接秘所に触れてきた。
 くちゅ、ぐちゅと、耳を塞ぎたくなるような音が響くほど、わたしのそこはぬるぬるだ。
 おかげで主任の指は滑らかに動き、花びらをかき分けるといとも簡単に花芽を探り当てて優しく愛撫してくる。

「ここを触って欲しかったんじゃないのか?」
「あっ! や……そこ……ダメ……あぁッん……!」
 
 転がすように擦られると、何かにしがみつきたくなるほどの快感が走った。
 わたしはもう抵抗する力も出なくて、ただただ甘い刺激に溺れていった。
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