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軍服の慕情
季世編 第二話『告白』
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季世の泣き声を聞いた柚子が、廊下を走り抜けた。
「季世ちゃん!」
あの淑やかな柚子が、友達の為なら必死になる。
「杉原、お前の彼女は大した人だな」
「え」
呆気にとられる雪杜だが、次の瞬間には理解する。
「ああ、大した人だよ」
「私、藤岡さんに嫌われちゃった」
しゃくり上げる季世に、柚子はよしよしと背中を撫でる。
「嫌われたと思うのは、早いんじゃないかな?私と同じで、なんか理由があるかも」
結花の言葉に、季世は涙でぐしゃぐしゃの顔を上げる。
「藤岡さん、ちょっといいですか?」
目をつり上げた柚子が、智志に詰め寄る。
「え」
「あとで、食堂に来て下さい」
「あ、ああ」
ふじ田屋食堂には、柚子と瑞江がいるのみだった。
「藤岡さん、ちょっとそこに」
厳しい顔で、瑞江が促す。
「はい」
瑞江が茶を入れ、机に置いた。
「単刀直入に聞くよ?藤岡さん、季世ちゃんをどう思う?」
「いい子、だと」
「そうだね。私はあんたたち豫科練の子も、柚子ちゃんや季世ちゃんも、自分の子だと思ってる。だからね、生きている限りは、幸せでいて欲しいし、幸せになって欲しいと願ってる」
瑞江は空襲で二人の娘を、戦争で夫を亡くした。
「藤岡さん、季世ちゃんが好きなのかい?」
「!」
智志の肩が震える。
「藤岡さんも杉原くんも、戦場を経験しているからね。まァ、悩むだろうけどさ」
「私、過去に何があったかは知りません。でも、人を好きになっちゃいけない人は、絶対にいないと思います」
ズキリと、胸が抉れる。
「オレは季世ちゃんに、好かれる資格はないかな」
涙が、ポタポタとまるくシミを作る。
(杉原が、惚れるはずだな)
「季世ちゃん」
店の外には、季世がいた。
「藤岡さん」
目にいっぱいの涙をため、佇んでいた。
「きらわないで、ください」
涙がいくつも、音を立てて落ちる。
「季世ちゃん」
「嫌わないで!」
泣きじゃくる季世を、智志は抱きしめた。
「お願い、きらわないで!」
「嫌いじゃない、嫌いなワケ」
嫌いになれたら、苦しまないと智志は季世に口づけた。
「嫌いな子に、こんなコトはしないだろ?」
「ふ・・・」
その夜、二人は結ばれた。
「んぅ」
口づけ、何度も抱き合った。
「痛くないか?」
「平気、です」
ちょっと、苦しいケドと季世は笑う。痛みなど、微塵もない破瓜だった。
「硬い・・・藤岡さんの」
「智志でいい。藤岡なんて、まるで兵舎の中みたいだ。あ、ここは兵舎か」
「ふふ、じゃあ・・智志さん」
「それでいい、季世」
名前を呼ばれ、季世はまた涙を流した。
「季世」
結合が深くなり、智志も限界が近いとわかる。
「智志さ・・・、ダメ」
「季世、そろそろ」
脚を抑え、律動が激しくなる。
「だめぇ・・また、イク」
「っく」
身体を震わせる季世に、智志が吐精した。
「んっ?」
口に何やら錠剤らしき物が入れられ、智志に口移しで水を飲まされる。
「やだ、温い」
「避妊薬だ、ちゃんと飲んで」
笑う智志に、季世は頬を染める。
「普通に水を渡せば良いのに、何で口移し?」
「いや、女の子ってこういうのが好きかな、と」
「なんの、本で得たんですか!智志さんの助平」
ポカポカと叩きながら、季世は笑う。叩かれている智志も、声を殺して笑う。
幸せな、ただ幸せな夜だった。
「季世ちゃん!」
あの淑やかな柚子が、友達の為なら必死になる。
「杉原、お前の彼女は大した人だな」
「え」
呆気にとられる雪杜だが、次の瞬間には理解する。
「ああ、大した人だよ」
「私、藤岡さんに嫌われちゃった」
しゃくり上げる季世に、柚子はよしよしと背中を撫でる。
「嫌われたと思うのは、早いんじゃないかな?私と同じで、なんか理由があるかも」
結花の言葉に、季世は涙でぐしゃぐしゃの顔を上げる。
「藤岡さん、ちょっといいですか?」
目をつり上げた柚子が、智志に詰め寄る。
「え」
「あとで、食堂に来て下さい」
「あ、ああ」
ふじ田屋食堂には、柚子と瑞江がいるのみだった。
「藤岡さん、ちょっとそこに」
厳しい顔で、瑞江が促す。
「はい」
瑞江が茶を入れ、机に置いた。
「単刀直入に聞くよ?藤岡さん、季世ちゃんをどう思う?」
「いい子、だと」
「そうだね。私はあんたたち豫科練の子も、柚子ちゃんや季世ちゃんも、自分の子だと思ってる。だからね、生きている限りは、幸せでいて欲しいし、幸せになって欲しいと願ってる」
瑞江は空襲で二人の娘を、戦争で夫を亡くした。
「藤岡さん、季世ちゃんが好きなのかい?」
「!」
智志の肩が震える。
「藤岡さんも杉原くんも、戦場を経験しているからね。まァ、悩むだろうけどさ」
「私、過去に何があったかは知りません。でも、人を好きになっちゃいけない人は、絶対にいないと思います」
ズキリと、胸が抉れる。
「オレは季世ちゃんに、好かれる資格はないかな」
涙が、ポタポタとまるくシミを作る。
(杉原が、惚れるはずだな)
「季世ちゃん」
店の外には、季世がいた。
「藤岡さん」
目にいっぱいの涙をため、佇んでいた。
「きらわないで、ください」
涙がいくつも、音を立てて落ちる。
「季世ちゃん」
「嫌わないで!」
泣きじゃくる季世を、智志は抱きしめた。
「お願い、きらわないで!」
「嫌いじゃない、嫌いなワケ」
嫌いになれたら、苦しまないと智志は季世に口づけた。
「嫌いな子に、こんなコトはしないだろ?」
「ふ・・・」
その夜、二人は結ばれた。
「んぅ」
口づけ、何度も抱き合った。
「痛くないか?」
「平気、です」
ちょっと、苦しいケドと季世は笑う。痛みなど、微塵もない破瓜だった。
「硬い・・・藤岡さんの」
「智志でいい。藤岡なんて、まるで兵舎の中みたいだ。あ、ここは兵舎か」
「ふふ、じゃあ・・智志さん」
「それでいい、季世」
名前を呼ばれ、季世はまた涙を流した。
「季世」
結合が深くなり、智志も限界が近いとわかる。
「智志さ・・・、ダメ」
「季世、そろそろ」
脚を抑え、律動が激しくなる。
「だめぇ・・また、イク」
「っく」
身体を震わせる季世に、智志が吐精した。
「んっ?」
口に何やら錠剤らしき物が入れられ、智志に口移しで水を飲まされる。
「やだ、温い」
「避妊薬だ、ちゃんと飲んで」
笑う智志に、季世は頬を染める。
「普通に水を渡せば良いのに、何で口移し?」
「いや、女の子ってこういうのが好きかな、と」
「なんの、本で得たんですか!智志さんの助平」
ポカポカと叩きながら、季世は笑う。叩かれている智志も、声を殺して笑う。
幸せな、ただ幸せな夜だった。
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