後宮物語〜 秋桜 〜

絵麻

文字の大きさ
2 / 16
後宮物語〜 秋桜 〜

一話

しおりを挟む
「宮の外では、どんな暮らしをしていた?」
「私は両親を流行り病で亡くして、おばさんに育てられました」
「近いのか?」
 蒼河の言葉に、結真は頷いた。

「この宮なら、歩いて」
「ならば、いずれ挨拶に行こう。お前を娶ったと報告せねば」
「はい」

 何度も抱かれた。
「硬い・・蒼河様」
 湯船のふちを掴み、快楽に耐える。
「結真、私の子を産んでくれるか?」
「え」
「父上に、結真を正妃にしたいと申し上げた。ならば、四ヶ月いないに懐妊し、男子が生まれれば正妃にするコトを許すと」
「正妃に」
 涙があふれる。
「女の子なら、側室だと」
「いいんですか?私で、蒼河様の隣で」
「当たり前だ、書庫で会うとき。いつも楽しかった、なんと賢い娘かと。好きな書で、こんなに意見し合える人間は、そうはいない」
 様々な解釈の人間に出会ったが、結真は別格の娘だった。

「嬉しいです。私も、こんなに理解出来る方、いませんでした」
 気づけば、結真は蒼河を恋した。
「大好きだったんです。許されない恋でしたけど、武官様だった蒼河様が」
「そうか」
 蒼河は破顔した。

「気に入った女人に大好きと言われ、これほど嬉しいことはない。金尚宮を、そなたの側仕えに任命した」
「尚宮様を?」
「喜んで、仕度していると返事があった。今日の午後には来るそうだ。あと、お前の友人の」
「美京と銀今ですか」
「そう、二人を侍女に任命した。あとから来るそうだ」
 結真は涙があふれる。

「ありがとうございます、蒼河様。私、ホントに幸せです」
 苦労の多い下っ端の官女の仕事から、二人を解放してやれる。
「大好きな本を、存分に読めばよい」

〈後宮を出たら、三人で部屋を借りて。貸本屋でたくさん、本を借りるんです。好きな小説を、飽きるまで読もうって〉

 いつか話した夢を、蒼河は覚えていた。
「願うことは言えばいい、可能ならば叶えよう」
「はい」
「では、私は政務に向かう」
「いってらっしゃいませ」
 深々と、結真は頭を下げた。

 三人が宮に来たのは、昼過ぎだった。
「もう、結真とは呼ばぬ。これからは承恩尚宮様と呼ぶ、仕来たりだから慣れよ」
「そうよ、結真。私達には上の人間らしく」
「ま、慣れないだろうけど。心はずっと、友達だから」
 三人がいれば、これほど心強いことはない。

「すごい!」
「これ、泯の本じゃない!」
「私達も、読んでいいの?」
 結真は頷いた。
「好きな本を、存分に楽しめって」
「噂通りの方だな、第三王子は。優しく、使用人も少数しか置かない。信頼できる人材というのもあるが、人件費を減らす為だ」 
「王妃様を見ればわかるよね?」
「あんなに贅沢で・・・元敬王妃様が植えていた花を、全て違う花に変えた」

 かつての中宮殿の面影は、半月で消えてしまった逸話は有名だ。
「家具や調度品も、一式変えたらしいわ。そのお金があれば、何人・・何百人の薬が用意出来たって」
「結真、王妃になってくれぬか?今のままでは、また内乱が起きる。そうすれば、また血が流れる」
「私達、一生ついてくから」

 だめぇ・・・こんなっ
 
 四つん這いにされ、深く身体を繋げる。
「大っきい・・・また、イッく」
「結真」
 最奥まで突き上げ、蒼河が吐精する。シーツにへたり、結真は息を乱している。
「も、無理で・・やだぁ」
 仰向けにされ、脚を開かされる。
「硬いの、深ぁ・・・」

 淫らな言葉で、結真は快楽を訴えた。恥ずかしいとか、考えることが出来ないほど、結真は快楽に溺れていた。 

「結真、ずいぶん感じやすくなったな」
「言わないで」
 いやいやと、首を振る。
「こんなに吸い付いて・・糸をひいて」
 にちゃ・・・と剛直に、愛液が絡む。
「あ・・やだ、ごめんなさ」
「もっと乱れろ、もっと」
 激しく律動する。ジュプジュプと水音を響かせ、抜けるぎりぎりまで腰を引く。

「ぁ、抜かな」
 さきほどまで、抜いてと懇願した結真が泣きそうに顔を歪める。
「んぅ、あーーー」
「大丈夫、まだ抜きはしない。結真は天邪鬼だからな」
「やぁ」

 聞きたいことが、確かめたいことがあった筈なのに。もはや、何も考えられなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる

柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった! ※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

処理中です...