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第31話 愛媛県① しまなみ海道、焼豚卵飯
しおりを挟む「さて、今日は海を渡って愛媛県に渡るわけだけど、せっかくだからしまなみ海道の島をいくつか渡っていこうか」
広島県出て、このまま西に向かうのならば、山口県へ向かうところなんだが、俺が旅したルートだと広島県からしまなみ海道を通って四国に渡ったきた。今回はそれと同じルートで先に四国へ向かうこととなった。
「しまなみ海道は広島県尾道と愛媛県今治を結ぶ全長60kmの島々を結ぶサイクリングロードで、サイクリストの聖地とも呼ばれている場所なんだ」
「瀬戸内海を超えていくのですね。海はどうやって渡るのですか?」
「それぞれの島を結ぶ橋が架かっているんだよ。結構高い位置にある橋を渡るから、意外と上り坂があってしんどいんだよね」
全長は60kmだが地味に上り坂も多いので、一日で往復するのはそこそこ大変だったりもする。しかし瀬戸内科の美しい景色を巡りながら走れるので、そんな疲れなんて感じないほど楽しいと思うぞ!
道中は道路にブルーラインが引いてあるので、道に迷うことはない。それぞれの島に観光する場所や名物もあって、寄り道しながら自転車で走ることができて面白い。
本当はそれぞれの島をゆっくりと自転車回っていきたいところだが、そうもいかないので転移魔法で要所を巡っていく。時間のある方はぜひともゆっくりと巡ってほしい。まあ転移魔法で要所だけ巡ることができるのなんて俺達だけだろうけどな。
「綺麗な海じゃな!」
「かなり透明な海ですね」
「ここはしまなみビーチだよ。瀬戸内海もかなり綺麗な海だよね」
ここ因島にはしまなみビーチという瀬戸内海の美しい海が一望できるビーチがある。他にも伯方ビーチや瀬戸田サンセットビーチなどしまなみ海道にはいくつかのビーチが存在している。
さすがにこの時期に海に入っている人はいない。ミルネさんの魔法を使えば、海に入ることもできるらしいが、今回はスルーだ。俺の地元である関東の海の透明度とは雲泥の差なんだよなあ……
他にも因島には日本で唯一自転車の神様が祀られている大山神社(自転車神社)があったり、囲碁の本因坊秀策の生誕の地でもあって記念館やお墓があったりする。
「ほお、これがおいしそうじゃな!」
「瀬戸内海の海鮮丼ですか。これは豪勢な食事ですね」
ここ大三島には海鮮丼が有名なお店が多くある。瀬戸内海の海で獲れた新鮮な魚の海鮮丼が食べられるというわけだ。ちなみに選んだの海鮮丼の特上である。国の金で食べる高級料理ウマーである!
「やっぱり新鮮な海鮮料理はおいしいよね!」
「うむ! 生の魚など妾達の国では食べられんからのう! それにこの醤油という調味料も刺身ととても良く合うのじゃ!」
ミルネさんもすでに宿の食事などで生の魚の刺身を食べているので、海鮮丼も大丈夫である。こちらの世界では魚をすぐにお店に回すことができる流通ルートが整っており、冷凍技術も整っているので寄生虫の心配もない。
ミルネさんがいる異世界でも氷魔法とかを使えば、生の魚も食べることができるようになるかもしれないな。
豪華な昼食を食べたあとは、大三島にある伯方の塩の工場にやってきている。ハ・カ・タ・の塩! で有名な例のアレである。大量の真っ白な塩は圧巻である。
どんな工場でもそうだが、普段身近なものがどのように作られているのかを見られるのはとても面白いんだよな。それに工場見学をするとお土産もあるのは嬉しいところだ。当然ここでは塩がもらえる。
そしてここで食べられる伯方の塩ソフトクリームが本当にうまいのでおすすめだ。ちなみに工場は伯方島ではなく大三島にあったりする。
「これは見事な景色ですね!」
「瀬戸内海と島と橋が一望できるからね。高いところから見てもとても綺麗な青色の海だよ」
大島の南側に位置する亀老山展望公園の展望台からはしまなみ海道や来島海峡大橋、美しい来島海峡が一望できる絶景ポイントだ。来島海峡大橋は3つの橋が連なった三連つり橋となっており、4kmの距離を美しい景色を見ながら橋を渡ることができるのだ。
また、大島にあるよしうみいきいき館ではバーベキューが楽しめたり、新鮮な海の幸を楽しむことができる。
自転車で走りながら絶景を眺め、おいしい料理を楽しむことまでできてしまう。まさにサイクリスト、チャリダーの聖地と言っても過言ではない場所である。
近くにいないと自転車で来るのは難しい場所ではあるが、自転車やバイクで何度でも来たい場所だな。
「おお、このタレがうまいのじゃ!」
「シンプルですがとてもおいしいですね」
しまなみ海道の島々を巡り、愛媛県の今治へと到着した。今食べているのは今治のB級グルメで有名な今治焼豚卵飯である。
ご飯の上に薄く切ったチャーシューを乗せ、その上に半熟の目玉焼きをのせてからタレと黒コショウで味付けをした、料理としてはとてもシンプルな丼料理である。
シンプルではあるが、半熟卵のトロリとした黄身と、甘辛いタレに黒コショウとチャーシューにご飯が絡み合って最高にうまい! 丼物というのはこのタレと具材とご飯が一体となってこそだよな。
こういうのでいいんだよ、マジで!
「お店ごとに特製のタレがあるんだよね。お土産にタレだけでも買えるから買っていこう」
シンプルだから家でも作ることはできるが、このタレだけは作ることが難しいからな。家で料理をする人なら愛媛県のお土産としてもおすすめである。
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