大人気のタチ、Mの快感に目覚めました

碧碧

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3.焦らし・亀頭責め・寸止め・甘出し

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 和馬が秋月と連絡先を交換してから3日。いつでも連絡できるとなると、逆に何と送っていいのかわからない。

「ふぁぁ・・・」
「伊藤、寝不足か?」

 我慢できず欠伸をすると隣の席の同僚に心配されてしまった。適当に相槌を打ち、目に滲んだ涙を拭く。寝不足なのは、秋月にしてもらったことを思い出しながら毎晩遅くまで自慰に耽っているせいなのだが、そんなことを同僚に言えるわけもない。

 ちなみに、自慰をする時に乳首を触るようにと秋月に言われたが、和馬はそれを律儀に守っている。今ではそこはすっかり和馬の性感帯となってしまい、必ず触るようになった。

 変わってしまったのはそこだけではない。陰茎を扱いていると、たまに後ろがきゅんきゅんと疼くことがある。秋月の舌で散々舐められたそこが、和馬に刺激をねだるのだ。思わず指でさすりそうになるのを堪えながら、なんとか精を吐き出す。

(今日はメッセージ送ってみるか)

 思い出して湧き上がった劣情を隠し、和馬はパソコンに向き直った。



『こんばんは、和馬です。今週の日曜日、また秋月さんを指名させてもらうね。』

 シャワーを浴び、ベッドに横になりながら秋月へのメッセージを考える。結局来店のことくらいしか書くことがない。和馬は肩を落としながらも、このままメッセージを送った。しばらくして受信の通知が鳴る。

『こんばんは。日曜日、楽しみにお待ちしてますね!ちなみに、今日から射精を我慢しておくとかってできそうですか?』

 秋月からのメッセージの内容に、和馬がギョッと目を見開いた。今日はまだ火曜日だというのに、日曜までなんて。今もまさに秋月を思い出して勃ち上がったそこを触ろうと下着をずらしたところだ。

『今日からかぁ・・・今からシコろうとしてたのに』

 ムラついたまま勢いでメッセージを送ってしまう。

『触ってもいいですけど、射精しないでください。日曜日まで我慢できたら、たっぷりご褒美あげますから。』
『わかった・・・』

 こうして和馬は禁欲生活に入ることになった。胸を指で弄りながら、切なさに息を吐く。触った分だけ辛くなるのはわかっているのに手を止められない。週末に向かって日に日にやつれていく和馬に、同僚の心配は募っていった。





「は、は、は、はあっ」
「ふふ、和馬さんすっごく興奮してますね」
「そりゃ、こんだけ我慢したら・・・っ」

 いつものラブホテル。和馬は天井から垂れた縄に頭の上で両手をひとまとめにされ、肘がやや曲がるくらいの位置で縛られていた。後ろから秋月に優しく体を撫でられるとそれだけで息が上がり、赤黒い陰茎が天をついていきり立つ。

「私も、和馬さんが毎日禁欲してるのを想像してムラムラしてましたよ。今日はたくさん意地悪しちゃいそうです」
「ご褒美くれるって言ってた、のに」
「意地悪されるのが、和馬さんにとってのご褒美でしょ?」
「はああッ」

 秋月が舌で自分の唇を舐めながら、和馬の胸の突起を摘み上げた。両方をくすぐるように甘く弄られると、和馬の腰がガクンと突き上がる。

「ちゃんと自分でする時触ってたんですね」
「秋月、さんが、言うから」
「言うこと聞けてえらいです。いい子」

 右の胸にちゅっと吸い付かれ、そのまま舌先で先端をちろちろと舐められた。反対側は指でくびり出されながら、こりこりと擦り合わされる。全身にぞわぞわと快感が満ち、和馬の肌が粟立った。

「はあああっ」
「気持ちいいね、和馬さん。いっぱい我慢したからすごく敏感になってる。腰もずっと揺れてて可愛い」

 秋月がゆっくりと乳首を舐め上げる。秋月の舌の粒ひとつひとつを感じられるほどに和馬は過敏になっていた。天を仰ぎながら膝を緩く曲げ、腰を小刻みに振り立てる。

「は、は、ああっ、ああっ」
「おっぱいゆっくりされるの気持ちいいね?」
「気持ちいい、はあっ、やばい・・・っ」
「和馬さんの好きなやつ、してあげますね。ほら、おっぱい気持ちいい、イッちゃう、イッちゃう、イクイク・・・」
「ああああッ」

 耳元で囁きながら秋月が両方の乳首を摘み上げ、緩く捻りながら先端を指ですりすりと擦った。秋月の言葉に導かれて、急速に体が登り詰めていく。

「はあッ!い、イ、きそ、イく、イくッ!あ゙あ゙あ゙ッ」
「だーめ」
「あ゙あ゙ッ、秋月、さんんッ!」

 胸から指を離し、びくつく和馬の鎖骨を秋月がぺろりと舐めた。腰がガクガクと何度も跳ね上がる。

「ふふ、切ないですねぇ、和馬さん。泣きそうな顔してますよ。今日はその顔をたくさん見たいな」
「や、無理、だって!も、出そう、だからっ」
「大丈夫ですよ、私がちゃんとコントロールするので」
「嫌、だぁッ」

 全身を揺すって必死に藻搔く。秋月はそんな和馬の背後に回り、そっと尻たぶを開いた。

「ここは、うずうずしました?」
「あ、ひッ」

 くちゅ、とそこを舌が這った。一度浅く出し入れをし、秋月が口を離す。

「ん、入れるの我慢できたんですね。えらい」
「そんな、とこ」
「でも、疼いたでしょう?」
「あ、あ、あんんっ、だめだ、そこッ」

 また唾液をたっぷりまとった舌で舐められ始め、和馬の思考が白く霞んだ。勝手に中がきゅうきゅうと締まるのを感じる。口から甘い喘ぎ声が止まらない。秋月の舌が動くたびに腰をくねらせ、背筋を反らせた。

「あ、あ、はあっ、ん、ああ、っん」
「はあ、お尻で感じてる和馬さん、可愛い」
「秋月さ、ん、もうっ、前、触って、はあ、んっ」
「どうしましょうかねぇ」

 秋月の手がゆっくりと前に回る。期待に唾を飲み込んだ和馬に、秋月は笑ってそのふぐりを撫でた。裏側を指でゆっくりとくすぐる。

「はあっ!はああッ、そこ、違っ」
「和馬さんの大好きな玉裏、なでなでしてあげます」
「はっ、はっ、ああッ」

 アナルの表面を舐められながら玉の裏を責められると、下肢全体がぶるぶると震えた。くすぐったいのに蕩けるほど気持ちがいい。和馬の腰がゆっくり前に突き出されていく。

「あれ?これだけでイキそうですか?」
「は、は、は、っゔゔ」
「イッちゃう?和馬さん、アナル舐められて、タマタマ触られてるだけでイッちゃうの?」
「は、は、あ、あ、い、きそ、う、あ、イケな、い・・・っ」
「ん、大丈夫。ゆっくりイクイクしようね、ほら、気持ちいい気持ちいい」

 まるで幼児に言い聞かせるような言い方に、和馬の体温がぐっと上がった。恥ずかしくて、気持ちよくて、頭が真っ白になる。

「う、う、はぁ、イキそ、イキそ、うッ」
「和馬さんは何されてイキそうなの?」
「あ、俺、お尻舐められてッ、金玉、くすぐったくて、気持ちい、だめ、秋月さんッ!イ゙、く、イく、やばいッ、イ゙ぐッ!」
「だめ」
「はッ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」

 秋月がさっと体を離した。目の前にある絶頂に辿り着こうと和馬がカクンカクンと空腰を打つ。ゆっくりと絶頂に向かっていた体は、刺激を止められてもしばらくは寸前のところから降りられない。

「はああーっ、はあっ、はあっ、イキたいッ」
「うんうん、イキたいねぇ」

 そう言って秋月が和馬の陰茎の先をそっと撫でた。それだけで和馬の腰が勝手にぐんと突き上がる。

「はあっ、はあっ、ゔゔっ」
「一時間くらいお尻舐めようかなあ」
「い、嫌だっ!もう無理、ちんこ触って!」
「えー」

 腰を振りながら必死にねだると、秋月が「しょうがないなあ」と言いながら和馬の目の前に立った。ローションを手に取る姿に期待で息が上がる。

 絞り出したローションを右手に馴染ませ、秋月が和馬の陰茎を掴んだ。左手で支え、ぬるぬるの右手で亀頭を包む。

「はあああああッ!!」
「ふふ、ちんちんも跳ねてる」

 ポンプで押し出されたかのように根元から先端に血が巡り、血管が浮いて激しく脈動し始める。包まれている亀頭がパンパンに張り、今にも破裂しそうだ。

 秋月の手がゆっくりと動き始めた。ぬちゅり、くちゅり、と、敏感でたまらない先端を手のひらで揉みしだく。和馬の口から絶叫が上がった。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」
「ほら、ちんちん触ってもらえて嬉しいですね」
「嫌ッ、そこ嫌あ゙あ゙あ゙!!!は、なし、てえええ!!!」
「触ってほしいと言ったり、離してと言ったり、我儘ですよ。ほら、先っぽ揉み潰してあげますね」
「お゙ーーーッッ!お゙お゙んッ!ゔおおおお!」

 秋月の手が動くたびに、神経が焼き切れそうなほどの暴力的な快感が全身を貫く。逃れようと腰が四方八方に跳ね回った。どれだけ身を捩ってもその手は離れず、ただただゆっくりとそこを捏ね続ける。

 ぐちゅり。ぐちゅり。

「お゙ぉ゙ーー!!!お゙ッ、お゙ッ、がああああ!!!」
「ここならどれだけ触っても出せませんから、好きなだけ感じていいですよ」
「や、めて、無理、無理、あがああああ!!」
「ほら、気持ちいい、気持ちいい。先っぽの割れ目もグリグリしてあげましょうね」
「嫌あああああ!!!!!」

 鈴口が指で割られ、そのまま抉られた。脳内で火花が上がり、バチバチと明滅する。腰は壊れたように前後に振り乱れ、涙も涎も鼻水さえも垂れてきて止まらない。辛い。気持ちいい。もう、おかしくなる。

「秋月、さんッ、助けて、助けてッ!し、ぬからああ!」
「死にませんよ、大丈夫。気持ちいいでしょう?」
「気持ち、よすぎて、無理いいいッ!それ、だめ、あ゙あ゙あ゙!!」
「手のひらより、指で擦られたり揉まれる方が好きなんですね。こう?あはは、そんなに腰を振っても亀頭しか触ってあげませんよ」
「お゙、お゙、お゙ぉ゙ッ!助け、お゙お゙お゙お゙お゙ッ!」

 五本の指でめちゃくちゃに亀頭を磨かれ、和馬の腰が激しく突き上がる。獣のような呻き声を上げながら、秋月に助けを求め続けた。

 しばらくしてやっと亀頭が解放される。和馬はぐったりと力を抜き、時折り小さく体を痙攣させた。床には溢れた先走りが水溜まりを作っている。

 ぐちゃぐちゃというローションのぬるついた音が聞こえそちらを見ると、秋月が何かをローションに浸していた。洗濯をするように揉み合わせている。

「は、は、何、して」
「勿論、和馬さんを天国に連れていく準備ですよ」
「や、め、普通に、出させて・・・」
「まだだめです」

 きっぱりと射精を禁止され、まだ出せないのだと悟る。だとすれば、今から何をされて自分は射精を我慢しないといけないのか。つま先からぞわぞわと何かが這い上がる。

「ふふ、期待してる。安心してください、ちゃんと、出せませんから」
「ふ、あ、嫌、だぁッ」

 秋月がローションでぐしょぐしょに濡れた布を持って近寄ってきた。秋月の上気した顔から目を逸らせない。今から自分はどうなってしまうのか。

「知りませんか?ローションガーゼ。これで、和馬さんの敏感で敏感でしょうがない先っぽを、ごしごししてあげるんです」

 ヒュッ。

 和馬の喉から音が鳴った。ガクガクと震える腰を必死に引く。

「無理、無理だって!嫌、だぁっ」
「大丈夫、優しくしますから。怖がらないで」

 ちゅ、ちゅ、と汚れた顔にキスをされ、唇も吸われる。優しく舌を絡めてもらううちに、少し落ち着いた。それを見逃さず、秋月が両手でガーゼを伸ばし、そっと亀頭に被せる。

「ん゙ん゙ッ、はっああ!!」
「まだ乗せただけですよ。気持ちいいのは、ここから」

 至近距離で和馬の顔を見つめながら、秋月が手を動かした。ガーゼが右左にゆっくりと引っ張られ、亀頭の上をざりざりと擦っていく。

「うぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ッ!お゙、お゙、お゙、お゙お゙ッ!!」
「あー可愛い」

 和馬が目から涙をこぼしながら、体を大きく痙攣させた。一瞬手を止めると虚ろな目で口をはくはくとさせている。また動かすと一気に顔がくしゃりと歪み、食いしばった口から呻き声が漏れた。

「気持ち良すぎて泣いてる和馬さん、最高に可愛い・・・はあっ」
「あ゙あ゙、秋月、さん、死ぬ、死ぬ、助けてッ!」
「大丈夫、私が和馬さんを死なせるわけないでしょう」
「あ゙あ゙あ゙!とめて、とめ、ッがあああああ!!」
「わ、お漏らし?」

 そこが爆発しているのではないかと思うほどの強烈な刺激。ゆっくり擦られて全ての神経が焼き切れそうだ。もはや体のどこも自分でコントロールすることが叶わず、精液以外の液体は全て垂れ流しになった。

「ぁ゙、ぁ゙、ぅ゙・・・」
「和馬さん、よくがんばりました」

 びしゃびしゃと尿を漏らしながら、聞こえてきた秋月の声に安堵して和馬の意識が落ちた。がくんと膝が折れるのを秋月が支え、縄を解く。ベッドに和馬を横たえ、全身にキスを落としながら四肢をベッドに拘束した。





 意識が戻ると、柔らかい唇の感触を鎖骨に感じた。

「秋月、さ、ん」

 呼びかける自分の声が掠れている。秋月は顔を上げると、和馬の唇に吸い付き、舌を絡めてきた。覚醒したばかりの意識にまた靄がかかる。

「和馬さん、和馬さん」
「ん、秋月、さん」

 夢中で舌を絡めてくる秋月に言いようのない気持ちが込み上げた。たまらなくなって秋月の舌を吸うと、拘束された体がぎゅっと抱きしめられる。そのまましばらくキスを堪能していると、和馬を抱きしめていた手がゆっくりと下に降りていき、だらだらと先走りをこぼして硬直しているそこを優しく包んだ。

「ふ、っんん!」

 びくん、と体が大きく震える。キスを続けながら宥めるように頭を撫でられ、そっと陰茎を握り込まれた。それだけで腰が震え、精液がせり上がってくる。

「んん、ッ、ん゙、ん゙」

 出そうだと伝えたいのに舌が絡め取られていて話せない。ゆっくりと秋月の手が上下し始め、和馬の腰を振るスピードが上がり、喉が反った。

「ふ、っんん、ん゙ん゙、ん゙、ん゙!!」
「まだ、だめ」
「う、あ゙あ゙あ゙ッ!!」

 射精寸前で秋月の指が離される。勢いよく突き上がった陰茎は激しく脈動し、とろとろと先走りだけをこぼした。

「ぐ、ぅ・・・!」

 唇を噛み締め、和馬がその甘い苦しさに耐える。力の入った体を秋月がそっと撫でまわした。

「秋月さん、俺、もうっ」
「ん、和馬さん、キス」

 秋月がまた唇を重ね、くちゅくちゅと口腔内を舌で愛撫する。手は陰茎を握り直し、指の輪っかでカリのくびれを優しく扱き始めた。快感で頭が痺れ、喉奥から呻き声が漏れる。脳みそが溶けそうだ。和馬は込み上げる射精欲に腰を震わせた。

「ん゙、ん゙、ん゙、ん゙ん゙ッ」
「まーだ」
「ゔーーー!!!」

 また寸前で快感を取り上げられ、和馬の口から涎が垂れる。それを舐め取りながら、秋月の手が動き始める。

「和馬さん、ここのくびれ好き?気持ちいい?」
「あ゙、好き、そこッ、もう、あ゙あ゙ッ」
「ほら、和馬さんイッちゃう、イッちゃう・・・上手にイクイクして?」
「はああああッ、イく、イクイク、ッ出る、ぅッ!」
「だーーめ」
「ん゙ん゙あああああッ」

 なんとか精液を出そうと和馬の腰が突き上がる。しかしそれは先走りを撒き散らすだけだった。

「秋月さん、もう、辛いッ、無理・・・」
「セーフワード、使いますか?」
「・・・っ」

 セーフワードを言えば、この苦しみから解放される。少しだけ心が揺れた。でも。

「つか、わない」
「いいんですか?本当に嫌なら使ってください」
「嫌、じゃない・・・秋月さんの、好きにしてほしい」

 たしかに苦しい。もう射精したくてたまらない。それでも、和馬にとって秋月に支配されるこの感覚は何物にも代え難い快感だった。もうやめてほしいのに、もっとしてほしい。そう、こんなに苦しい今ももっとしてほしいとさえ思っている。

「秋月さん、もっと・・・」

 そう呟くと秋月の目が一瞬陰り、息が荒くなった。噛み付くようにキスをされ貪られる。そのまま食べられてしまいそうだとぼんやり考えていると、刺激を求めて涎をこぼしているそこを荒々しく掴まれた。そのままぐちゃぐちゃと上下に扱かれる。

「ん゙ーーーッ!んうう!!」

 すぐに射精しそうになり首を横に振ろうとすると、顔を押さえられ強く舌を吸われた。腰を大きく振り上げ、射精の予感に目を瞑る。

 が、それは叶わない。

「ん゙ーーーッ!ん゙ーーーッ!」

 ガクンガクンと腰を突き出し、両足をぶるぶると震わせる。息を吐く間も無く、また秋月の手に包まれた。

「ん゙、ゔ!!ん゙ん゙ん゙!!」

 2、3回上下されただけでもう精液が上がってくる。つま先が丸まり、腰を震わせる。陰嚢がぎゅんと上がり、精液が駆け上がる。そして、秋月の手が離れた。

「ん゙・・・っ、ん゙ん゙・・・」

 まだ射精間近の脈動を続けるそこを握られ、容赦なくカリ首を扱かれて亀頭の割れ目に指を沿わされる。和馬が低く呻きながら射精に向かって必死に腰を振り立てる。一番高く腰を突き出した時、全ての刺激が止んだ。

 何度も何度も、少し指を這わされただけで射精しそうになるまで寸止めされる。長いキスから解放されても、もう和馬は言葉を発せなかった。

「和馬さん、和馬さん・・・っ」

 ぼんやりと秋月を見ると、下履きをずらして陰茎を取り出し必死に扱いている。羨ましさに腰がくねった。

「和馬、さんッ!はあっ」

 和馬の名前を呼びながら手を動かす秋月に、射精欲が湧き上がってくる。じわりじわりと精液が上がってくるのを感じ、和馬が首を横に振った。

「おれ、やば、い、出そ、う」
「和馬さん・・・っ?」

 どこにも触れていないのに。涙目で射精を堪えている和馬を見て、秋月が目を見開く。

「私の、見てるだけなのにっ?」
「ゔ、んっ、はあっ」

 それは本当のようで、和馬の声が上擦っている。秋月はたまらなくなってまた自身を扱く手を動かし始めた。

「和馬さん、可愛い、っは、は」
「ぅ゙、ぅ゙」
「私が、和馬さんで、射精するところ、っ、見ててください」
「秋月さんッ、やばいッ」
「和馬さんは、我慢して。ほら見て、和馬さんで、イく、はあっ、出る、出る、イッく!」

 秋月が背筋を反らせて精液を噴き上げた。それは和馬の口元まで飛び、青臭い香りが鼻腔をくすぐる。その途端和馬の腰が痙攣し、奥から上がってきていた精液がとろりと一筋こぼれた。

「は、ぁ、・・・っぐぅ!」
「和馬さん?」

 ぐーっと突き上がった腰がぶるぶると震えている。

「は、は、和馬さん、出ちゃいました?」
「あ゙、ごめん、俺・・・っ」
「あ、ちょっとだけ漏れてる」

 秋月が垂れた精液を人差し指で掬い上げ、口に含んだ。和馬を見て、いたずらっ子のような顔で「出しちゃいましたね」と笑う。そして粗相をした陰茎を掴み直し、ゆっくりと扱き始めた。

「はあっ、我慢できなかった和馬さんには、どんなお仕置きをしましょうね」
「ごめん、なさっ!あ゙ーー!も、すぐに出るッ」
「そんなに出したいなら、空っぽになるまで搾りましょうか」
「あ゙、あ゙あ゙あ゙!」
「まだですよ」
「なんでっ、寸止め、ッ嫌ぁ!」

 射精できると思って体がその準備に入ったところを止められ、和馬が泣きじゃくった。狂ったように腰を振り上げ、秋月に射精をねだる。

「しょうがないですね。じゃあ精液、出しましょうか」

 ついに許されたと和馬が体をくねらせる。その目尻は下がり、口はだらしなく開いていた。

「ゆっくり触りますからね」
「う、ん、うんっ」

 秋月がそこを握り込み、言葉のとおりゆっくりと根元から扱き上げる。カリのくびれのところで一旦止まり小刻みに揺らされると和馬が仰け反った。そのまま指は先端まで上がり、優しく亀頭を磨かれ頭が真っ白になる。

「ほーら、和馬さん、イクイクして?」
「ゔ、ああ、い、ッく、イくぅっ」

 やっと射精できる。精液が尿道を駆け上がる。鈴口から噴き出すまであと少し・・・で、手が離された。

「ぁ゙・・・っ?!」

 とぷ、とぷ、とぷ。

 脈動する陰茎からどろっと精液が漏れる。その後も勢いなく何度か吐き出された。なのに、射精の快感がない。

「あ、あ、なにっ?イッてな、い、のに!」
「ちゃんと出せましたね。もう一回です」
「嫌、何、これ、あ゙あ゙ッ」

 間髪入れずにまた手を動かされ、直前で止められたままの神経が射精に向かって準備をし始める。裏筋に親指を当てながら全体を扱かれると、和馬の顔がだらしなく緩んだ。

「和馬さん、ちんちん気持ちいいね、次こそちゃんとイクイクしましょ?イッちゃう、イッちゃう、イク、イクイク・・・」
「あ゙あ゙あ゙ッ!出、る、出るッ!もう、イクイク、イ゙ぐっ」

 陰嚢がせり上がり、射精のために陰茎が一段と硬くなって激しく脈動する。唇を噛み締めぐっと息んだ瞬間、また秋月の手は離された。和馬が目を見開いている間に、精液がどろり、どろりと何度も漏れる。

「ふ、ああ、ッ、出てる、出てるっ」
「はい、たくさん出てますよ、和馬さんがたくさん貯めてた精液が」
「イッてないのに、出てる!嫌、だ、苦しいっ」
「イッてないから、何度でも出せますよ。嬉しいですね。空っぽにしてあげる」
「これ、嫌だ、イキ、たいッ!」

 秋月が精液に濡れた和馬の扱きながら教えてくれた。寸止めの少し先、もう精液が尿道を駆け上がっている時に刺激を止めると射精した感覚はないのにどろどろと精液が漏れてしまうのだそうだ。

「甘出し、ずっと気持ちいいでしょう」
「はあっ、も、ぁぁっ」
「ああ、また」
「ぉ゙ーーー・・・」

 かれこれ五回は搾られている。漏れ出てくる精液は細く一筋だけになった。和馬の意識は朦朧となり、もはや秋月にされるがまま精液を漏らし続けている。

「ぁ゙ーーー・・・」
「そろそろ出なさそうですね」
「ぁ、ぁ、っふ」
「もう何も喋れなくなっちゃいました?」
「も、イキ、た、い・・・」
「ふふ、わかりました」

 秋月が目を細め和馬の頭を撫でた。優しく抱きしめ、明確に射精を促す動きで陰茎を扱く。精液でどろどろのそれが期待に大きく脈動した。

「あ゙、あ゙、あ゙、い、イく」
「はい、今度こそ本当にイクイクできますよ?」
「は、は、ほんと?ほんと?ッ、もう、は、イ゙く、イクイク、イ゙ぐぅッ!あ゙ーーーーー!!」

 全身が硬直し、腰がガクガクと痙攣する。ついに訪れた絶頂に和馬が絶叫した。陰茎からは数滴精液が飛んだ後、何も出ないまま震えて首を何度もしゃくりあげている。気持ちいい。気持ちいい。秋月が手を止めないせいで腰で快感が爆発している。

「あ゙ーーー!!!あ゙ーーー!!!」
「和馬さん、空イキ気持ちいいね。いっぱいイッて、もっと」
「気持ち、いいッ!あ゙あ゙あ゙ッ、死ぬーー!!」

 拘束を引きちぎらんばかりに体を暴れさせ、和馬が何度も極まる。腰を振るのを止められない。秋月にキスをされ、腹筋が波打って両脚がぶるぶると痙攣する。

「大好きな先っぽもごしごししてあげる。ほーら、イッて、イッて」
「ぎゃああああ!うああああああんッ!!」

 絶頂後の過敏な亀頭を指で捏ねられるとひとたまりもない。和馬の口から絶叫が迸った。全身を反り返らせたままガタガタと震えている。それでも秋月が手を止めずに捏ね続けると、突き出された陰茎から何度か潮を噴き出し、その後ちょろちょろと尿まで漏らしていた。

「ぁ゙・・・ふ・・・」
「和馬さん、可愛い」
「も、なんも、出な、い・・・」
「うん。今日はもうおしまい」

 下半身がぐっしょりと濡れて気持ちが悪い。身を起こそうにも力が入らず、体は鉛のように重かった。拘束を外され秋月に抱きしめられるが、指一つ動かせない。頭を撫でてくる秋月にただ体を預けた。

「んー、和馬さん、和馬さん」
「っふ、くすぐったい・・・」

 首筋をちゅうちゅうと吸われる。まるで恋人同士のような甘ったるい雰囲気に、和馬の頭がとろりと溶けた。

「秋月さん、キスして」

 口から出た甘えるような声に自分でも驚く。すぐに与えられたキスに夢中になって舌を絡めた。どんどんと頭が蕩けていく。目の前の秋月のこと以外、何も考えられない。

(やばい、俺、秋月さんのこと、本気で好き、かも)

 なぜか和馬の後孔がきゅんと疼いた。






「ありがとう。今日も、その、すごくよかった」
「ふふ、それはよかったです。また会いにきてくださいね」
「うん・・・また指名するよ」
「楽しみにしています」

 互いに手を振り、その場で別れた。こういう時、自分たちはただの客とボーイなのだと実感する。

(あー、秋月さんと離れたくない)

 これまで恋人どころかセフレすら作ってこなかった和馬にとって、こんなに焦がれるのは初めてだった。そんな和馬の頭の中は、今やどうすれば秋月を手に入れられるのかで埋め尽くされている。

 しばらく寝不足は解消されそうにない。






3、終わり。
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