甘いキャンディー僕にも下さい

藍 湊

文字の大きさ
3 / 6

僕が女装して先輩の彼女役!?

しおりを挟む
「頼むっ!!俺の彼女になってくれ!」

「……はい?」

そう頼まれたのは数十分前
天と薫、そして杏は3人で仲良くお茶の時間を楽しんでいた。
薫が淹れたアールグレイの紅茶に杏が焼いてきたマドレーヌと共に。
そう、3人は生徒会公認のお茶会グループとなったのであった。そんな3人を邪魔したらえらいことになってしまう。あまり怒らないだろうと思わせる雰囲気を持つ杏は怒らせるとただ者ではないのだ。
そんなリスクがあるのにも関わらず、邪魔する馬鹿な男がここにいた。

「天ー!!!!」

会長の翔だった。

「なにするんですかっ…!はーなーれーて!!」

現れたと思いきや天に抱きつき小動物をあやすかのようにすりすりとしてくる。
ほかの人が見ればこれが会長だとは誰も思いやしないだろう。
しかし、これが本当の姿なのだ。
2人が(主に翔が)いちゃついていると生徒会の姫と言われている杏がついにキレてしまった。

「もうっ!!イチャつくなら外でやってよっ!!ふんっ!!」

杏が不機嫌になり頬を膨らませてプイっと拗ねてしまった。そんな杏を慰めるかのように薫は頭を優しく撫でてやった。
翔はそんなことお構いなしに天とくっついているが…
そんな翔にとある危機が迫っていた。

「天!頼みがあるんだ!」

またしょうもないことなんだろうと思い、天は聞く耳ももたずに無視し、書類を片付けていた。
翔は涙目になりながら薫にすがった。
薫は天を呼び、話を聞くよう説得した。

「…で、何ですか?」

「俺の彼女になってくれ!!」

「「「………は?」」」

一同(天、杏、薫)は会長が何を言っているのかさっぱり分からなかった。
急に入ってきてはお茶会を邪魔して、天に彼女になれと?何を言っているんだこいつ。
一同はみんなこう思っただろう。
しかし、ちゃんとした理由があるはずだと思い、理由を聞いてみることにした。

「実は…お見合いを迫られていて……」

「「お、お見合いいい!?」」

天と杏は声を揃えて叫んだ。
会長___柴田翔は、あの超有名高級ジュエリー会社の社長さんの子息であり、お金持ちだったのであった。
高3の彼は来年法律上婚約することが出来るので、今週末お見合いをさせられるという訳であった。
しかし、まだまだ遊びたい盛りの彼はそれがどうしてもやりたくなかった。
だから、天に女装をしてもらい今週末デートをしようと言うわけであった。

「女装…デート…彼女役…」

天の頭の中はその事でパンクしそうになっていた。
生徒会に入って早2週間…その間色んなことがあったけど、今回は物凄く大変なことだ。
天は9:1の割合で断りたかったが、涙目の翔を見ると可哀想に段々思え、少し考えさせてくれと翔に伝えた。

「よっしゃあぁあ!」

まだ、OKを出してないにもかかわらず喜んでる翔を見て、少しやってみてもいいかなと思った天。
しかし、問題点があった。
女装するにはメイクや服装、仕草まで男だと思われないようにしなければならない。
女兄弟がいない天にとって到底避けられない問題点であった。
するとそこへ、会計の聖羅が入ってきた。

「聖羅先輩っ!!」

杏が聖羅に気づき、思いっきり抱きついた。
聖羅はそれを受け止め、どんな状況なのか教えてもらった。
すると、自分が教えると言い出したのであった。
天は聖羅が何を言っているのかさっぱり分からなかった。

★続く★
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

嘘をついたのは……

hamapito
BL
――これから俺は、人生最大の嘘をつく。 幼馴染の浩輔に彼女ができたと知り、ショックを受ける悠太。 それでも想いを隠したまま、幼馴染として接する。 そんな悠太に浩輔はある「お願い」を言ってきて……。 誰がどんな嘘をついているのか。 嘘の先にあるものとはーー?

諦めようとした話。

みつば
BL
もう限界だった。僕がどうしても君に与えられない幸せに目を背けているのは。 どうか幸せになって 溺愛攻め(微執着)×ネガティブ受け(めんどくさい)

天使から美形へと成長した幼馴染から、放課後の美術室に呼ばれたら

たけむら
BL
美形で天才肌の幼馴染✕ちょっと鈍感な高校生 海野想は、保育園の頃からの幼馴染である、朝川唯斗と同じ高校に進学した。かつて天使のような可愛さを持っていた唯斗は、立派な美形へと変貌し、今は絵の勉強を進めている。 そんなある日、数学の補習を終えた想が唯斗を美術室へと迎えに行くと、唯斗はひどく驚いた顔をしていて…? ※1話から4話までは別タイトルでpixivに掲載しております。続きも書きたくなったので、ゆっくりではありますが更新していきますね。 ※第4話の冒頭が消えておりましたので直しました。

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。 青春BLカップ31位。 BETありがとうございました。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 二つの視点から見た、片思い恋愛模様。 じれきゅん ギャップ攻め

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...