甘いキャンディー僕にも下さい

藍 湊

文字の大きさ
4 / 6

聖羅先輩のコーディネート&メイクで大変身~♪

しおりを挟む
「ど、どうですか…?//////」

聖羅にコーディネートされた天はそれに着替えて皆の前に出てきた。
正直、聖羅にコーディネートされても大丈夫なのか?という心配があったが、それは無駄だったようだ。
みんなは予想以上の格好で驚き、翔は顔を赤くして目をそらしていた。

「ほら、お前の彼女になるんだから、しっかり見てあげな」

薫は未だに目をそらしている翔の背中を押し天のところへ突き飛ばした。
翔と天は少しの間見つめ続け再び赤面と化した。

((出来立てのカップルかよ!!))

薫と杏はそう思った。
すると、聖羅がまだ終わってないからと天を連れて部屋の奥へ行ってしまった。
なにやら、部屋からは「嫌です!」「これで充分ですから!」「助けてー!!」など、天の悲鳴が聞こえてくる。
それを聞く度に翔は助けに行こうとするが、薫と杏が邪魔をするのだ。
女装だけでいいと思っていたのにまさかのことを色々させられて天はぐったりとした様子で帰ってきた。
帰ってきた天を見るとあら不思議。
メイクもバッチリしてきた天は外から見れば女の子同然だ。

「も…帰ってもいいですか」

恥ずかしさがMAXを過ぎた天はもう家へ帰りたくてしょうがなかった。
しかし、みんな揃って同じ口を開いた。

「「「「絶対ダメ!!」」」」

「……////////」

天はまっすぐ翔のことを見つめた。
見られている翔は天のことが可愛すぎて目も合わせることが出来ない。
すると…

「っ…////」

翔は思わず生徒会室から逃げ出してしまった。天は少しショックだった。もしかしたら、自分が似合わなすぎたから逃げ出したかもしれない。他の子に声かけるために出ていったんだ。そう思うと何故か自然に目から涙が溢れてしまっていた。
そんな天を薫が背中を優しく撫で、慰めてあげた。

✼ ✲ ✼ ✲

一方その頃、生徒会室から逃げ出した翔はすぐに家へ電話していた。
それは、今週末のお見合いを断るためだった。

「…もしもし、父さん?お見合いの件だけど…」

『どうした?』

「俺、その日デートだからお見合い断ってくれないかな?」

『……』

翔の父親は少しの間何も話さなかった。
翔は固唾を飲んで、父のいう事を待っていた。
二人の間に沈黙が流れる。翔が何か言おうとした時、父親が硬い口を開いた。

『お見合いは中止できない。』

「…え?」

『そんなに、中止したいのなら、そのお相手を連れてきなさい。』

翔の父親はそう告げて電話を切ってしまった。

✼✲✼✲

3人が再び楽しくお茶会をしていると、翔が真っ青な顔をして生徒会室へ戻ってきた。
聖羅は再び部活へ戻ったらしく、もう既に生徒会室を出ていっていた。
天は翔の様子が気になり、聞いてみることにした。

「先輩、何かあったんですか?」

「父さんにお見合い中止はダメだって言われた…」

「え…」

よっしゃ!デート無くなる!!
と思った天だったが、次の言葉で一気にどん底まで落とされた。

「中止をしたいのなら、その…連れてこいって言われて…」

「…は?」

はあああぁあああああぁあ!?

天の心の叫びは校舎中に響き渡ったのであった。

★続く★
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

嘘をついたのは……

hamapito
BL
――これから俺は、人生最大の嘘をつく。 幼馴染の浩輔に彼女ができたと知り、ショックを受ける悠太。 それでも想いを隠したまま、幼馴染として接する。 そんな悠太に浩輔はある「お願い」を言ってきて……。 誰がどんな嘘をついているのか。 嘘の先にあるものとはーー?

諦めようとした話。

みつば
BL
もう限界だった。僕がどうしても君に与えられない幸せに目を背けているのは。 どうか幸せになって 溺愛攻め(微執着)×ネガティブ受け(めんどくさい)

天使から美形へと成長した幼馴染から、放課後の美術室に呼ばれたら

たけむら
BL
美形で天才肌の幼馴染✕ちょっと鈍感な高校生 海野想は、保育園の頃からの幼馴染である、朝川唯斗と同じ高校に進学した。かつて天使のような可愛さを持っていた唯斗は、立派な美形へと変貌し、今は絵の勉強を進めている。 そんなある日、数学の補習を終えた想が唯斗を美術室へと迎えに行くと、唯斗はひどく驚いた顔をしていて…? ※1話から4話までは別タイトルでpixivに掲載しております。続きも書きたくなったので、ゆっくりではありますが更新していきますね。 ※第4話の冒頭が消えておりましたので直しました。

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。 青春BLカップ31位。 BETありがとうございました。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 二つの視点から見た、片思い恋愛模様。 じれきゅん ギャップ攻め

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...